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対決3
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「裁判になればそれが私にとっての醜聞となるとおっしゃるがこちらとすれば実に良い機会だ。これまでエマがこのメイソン侯爵家でいかなる仕打ちを受けていたか、メリック家の嫡男がどのような性癖をお持ちか公の場で色々と明らかにできるのだからな」
フェリクスが愉快そうに続ける。
「そ、それは……」
義母上が慌てふためいている。
「ど、どうかそのようなことは……!」
長男の醜聞が広まるのを恐れてかメリック侯爵も声を上げた。
「裁判などやめて結納金のことは我々で蹴りをつけましょう父上。現金がないと言ってもメイソン侯爵家にはまだまだ財産や使用人など対価として払えるものがたくさんありますから、それを結納金返金の代わりとして差し押さえればよいではありませんか」
アルバートが言う。『使用人』……。アリアのことでまだ私を脅すつもりだ。だけどどうしたらいいの? 使用人たちはメイソン侯爵家の所有の元にある。
「メイソン家の使用人を領地外に連れて行くのを認めることはできない」
「なぜだ?!」
「こらアルバート、口のきき方に気をつけなさい! 王太子の御前であるぞ!」
「先ほどのユリア嬢の犯罪行為についてメイソン家の使用人がその計画に加担していた可能性がある」
フェリクスの言葉に私は耳を疑った。そんな話は初耳だった。
「現在も王国の調査機関が関係者に聞き取り検査を継続しているから関係者である使用人をあちこちに移動させることはできない。もしどうしても使用人を引き取るというのなら定期的に王国の監査機関がメリック家領地にも出入りし調査を行うこととなるが?」
それを聞いたメリック侯爵が首を大きく横にふった。
「とんでもない、そのような犯罪行為に加担した可能性のある使用人などこちらでは願い下げですな。こちらの領地に王国の監査がわざわざ足を運んでいただく必要もございますまい」
メリック侯爵は王国の監査が頻繁に領地を見回りにくるのを避けたい様子だ。メリック侯爵の返答を聞いたアルバートが苦々しげな表情を浮かべている。
「まあそれが賢明だろうな。結納金の代わりと言えば使用人など連れていかずともこのメイソン侯爵兼には高価な絵画や骨とう品、宝石の数々が数多あるようだ。それらを売ればすぐに結納金の額程度にはなろう」
フェリクスの言う通り、今目の前の義母上が首から下げているダイヤモンドの首飾り一つ売っただけでも相当な額になるであろうことはそれほど宝石の価値に詳しくない私でもわかった。
「フェリクス様のおっしゃる通りにございます。今回の婚約のことは私共の勝手な思い込みで行ったこと、王太子様に結納金の負担、ましてや慰謝料など要求すべき立場では到底ございません」
息子がアレなわりにはメリック侯爵はなかなかまともな価値判断のできる方のようね。曲がりなりにも御三家の一角を担うメリック家当主と言うべきかしら。
「メリック侯爵、勝手なことをおっしゃらないでいただきたいですわね?!」
義母上の言葉にメリック侯爵がぴしゃりと言う。
「グレース殿、先ほどからさすがに言葉が過ぎるのではございませんか。お話を伺う限り、貴家の次女であるユリア殿は王室に対して大変な罪も犯したとのこと。それを恩赦されている立場であることをお忘れではありますまいな?」
メリック侯爵の言葉に義母上は反論できず悔しそうな表情を浮かべて黙っている。
「……では話はついたな? アルバート・メリックとエマ・メイソンもといマリアベル・メイソンとの婚約は元々が無効であり今ここにその無効を改めて宣言する。そしてエマ・メイソンは私ルーク・フォン・シャンドラーと正式に婚約を結ぶこととする」
フェリクスがそう高らかに宣言した。
フェリクスが愉快そうに続ける。
「そ、それは……」
義母上が慌てふためいている。
「ど、どうかそのようなことは……!」
長男の醜聞が広まるのを恐れてかメリック侯爵も声を上げた。
「裁判などやめて結納金のことは我々で蹴りをつけましょう父上。現金がないと言ってもメイソン侯爵家にはまだまだ財産や使用人など対価として払えるものがたくさんありますから、それを結納金返金の代わりとして差し押さえればよいではありませんか」
アルバートが言う。『使用人』……。アリアのことでまだ私を脅すつもりだ。だけどどうしたらいいの? 使用人たちはメイソン侯爵家の所有の元にある。
「メイソン家の使用人を領地外に連れて行くのを認めることはできない」
「なぜだ?!」
「こらアルバート、口のきき方に気をつけなさい! 王太子の御前であるぞ!」
「先ほどのユリア嬢の犯罪行為についてメイソン家の使用人がその計画に加担していた可能性がある」
フェリクスの言葉に私は耳を疑った。そんな話は初耳だった。
「現在も王国の調査機関が関係者に聞き取り検査を継続しているから関係者である使用人をあちこちに移動させることはできない。もしどうしても使用人を引き取るというのなら定期的に王国の監査機関がメリック家領地にも出入りし調査を行うこととなるが?」
それを聞いたメリック侯爵が首を大きく横にふった。
「とんでもない、そのような犯罪行為に加担した可能性のある使用人などこちらでは願い下げですな。こちらの領地に王国の監査がわざわざ足を運んでいただく必要もございますまい」
メリック侯爵は王国の監査が頻繁に領地を見回りにくるのを避けたい様子だ。メリック侯爵の返答を聞いたアルバートが苦々しげな表情を浮かべている。
「まあそれが賢明だろうな。結納金の代わりと言えば使用人など連れていかずともこのメイソン侯爵兼には高価な絵画や骨とう品、宝石の数々が数多あるようだ。それらを売ればすぐに結納金の額程度にはなろう」
フェリクスの言う通り、今目の前の義母上が首から下げているダイヤモンドの首飾り一つ売っただけでも相当な額になるであろうことはそれほど宝石の価値に詳しくない私でもわかった。
「フェリクス様のおっしゃる通りにございます。今回の婚約のことは私共の勝手な思い込みで行ったこと、王太子様に結納金の負担、ましてや慰謝料など要求すべき立場では到底ございません」
息子がアレなわりにはメリック侯爵はなかなかまともな価値判断のできる方のようね。曲がりなりにも御三家の一角を担うメリック家当主と言うべきかしら。
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義母上の言葉にメリック侯爵がぴしゃりと言う。
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「……では話はついたな? アルバート・メリックとエマ・メイソンもといマリアベル・メイソンとの婚約は元々が無効であり今ここにその無効を改めて宣言する。そしてエマ・メイソンは私ルーク・フォン・シャンドラーと正式に婚約を結ぶこととする」
フェリクスがそう高らかに宣言した。
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