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告白
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「今後一切アルバート・メリックは我が婚約者エマに接近しないこと。一度でも違反すればその場合には厳正に処分することとする」
フェリクスの言葉を聞いたアルバートがくやしさのあまりぎりぎりと歯を噛み締めている。
「それにしてもうちのマリアベルが王太子妃か! なんとすばらしい!」
先ほどまで義母上に押されぎみだった父上が今度は嬉しそうに顔をほころばせている。それを見る私の気持ちは複雑だった。
これまで散々私のことをごく潰しと呼んでわずらわしそうにしていたのに王太子であるフェリクスとの結婚が決まった途端この態度。
わが父ながらその態度の浅はかさに恥ずかしさすら込み上げてくる。そんな私を気遣うようにフェリクスが優しげな視線を投げかけてくる。
「今日のところはこれで失礼する」
そう言うとフェリクスは私の体にそっと手を添えて支えるようにして歩き出した。
広間を出て行く私とフェリクスを義母上がじっと睨んでいた。
・
・
・
「……浮かない顔だな」
帰りの馬車の中でフェリクスからそう尋ねられた。私は慌てて答える。
「そ、そんなことはありませんわ。あのアルバートと義母上の顔ったら。やり込められてすごくくやしそうな顔をしていたわね。おかしいったらなかったわ」
「だが父上に対しては複雑な気持ちなのだろう?」
「それは……」
ユリアや義母上と一緒になってずっと私を厄介者扱いしてきた父。王太子との婚約が決まった途端手のひらを返すような態度を見せてきた父。
「正直に言うと、父上の様子からしてこれからあなたに迷惑をかけるんじゃないかと心配しているの」
あの父の様子ではきっと私がフェリクスと婚約したのをいいことにメリック家に持ち掛けたように資金援助を依頼したり王家とのつながりを吹聴したりとし始めるに違いない。
「本当はあのまま縁を切ってしまいたかったのです。実の父親であるのには違いないけれど貴族として今の父を……尊敬するなんてことはとてもできそうにありませんから」
父上のことを本気で憎んでしまうくらいなら距離を置きたいと思っていたのに、結局こうしてまた顔を合わせることになってしまった。
「そんなことを君が気にする必要はない。俺にすべて任せておいてくれたらいい」
フェリクスはそう言って膝の上の私の手を上からそっと握った。思わず赤面してしまう。
「あ……あの……」
「ん?」
フェリクスはどうした? という表情で私を見つめいている。いや、て、手を握られているのですけれど……。
「ああ、手か? 当たり前だろう。俺は君の婚約者だぞ?」
「そ、そうですけれどそれはあくまでも表面上の……!」
「俺にとっては表面上でもなんでもない」
「えっ?」
「君がやっと俺のものになってくれたんだからな。一切触れるななんてことは無理に決まっている。一体今までどれだけ我慢してきたと思っているんだ?」
フェリクスが私の耳元に近づいて囁くように言う。
「ちょ、ちょっと待ってください、あの……!」
「君は普段は大胆でクールなのにこういう時は本当に可愛いな」
フェリクスが小さく笑う。
……私たちの婚約って表面上のことじゃないのかしら? ……勘違いだったら恥ずかしいけれど、フェリクスって私に結構好意がありそうよね? もしかしてフェリクスの計画にまんまと乗せられてしまったってこと?
「その、フェリクスは私のことをどう思って……」
「もちろん好きだ」
そんなにはっきり言われてしまうと困ってしまうわ。
「だ、だって、そんなこと今まで一言も……!」
顔を真っ赤にして言う私にフェリクスがやれやれといった表情で言う。
「婚約成立前にそんなことを言ったら君はあれこれ考えて身構えてしまうだろう? 君くらいの女をおとすにはこのくらい外堀を埋めていかなきゃ無理だと思っていたからな。……ある意味あの元婚約者殿には感謝しなければいけないのかもしれないな」
フェリクスの言葉を聞いたアルバートがくやしさのあまりぎりぎりと歯を噛み締めている。
「それにしてもうちのマリアベルが王太子妃か! なんとすばらしい!」
先ほどまで義母上に押されぎみだった父上が今度は嬉しそうに顔をほころばせている。それを見る私の気持ちは複雑だった。
これまで散々私のことをごく潰しと呼んでわずらわしそうにしていたのに王太子であるフェリクスとの結婚が決まった途端この態度。
わが父ながらその態度の浅はかさに恥ずかしさすら込み上げてくる。そんな私を気遣うようにフェリクスが優しげな視線を投げかけてくる。
「今日のところはこれで失礼する」
そう言うとフェリクスは私の体にそっと手を添えて支えるようにして歩き出した。
広間を出て行く私とフェリクスを義母上がじっと睨んでいた。
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「……浮かない顔だな」
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「そ、そんなことはありませんわ。あのアルバートと義母上の顔ったら。やり込められてすごくくやしそうな顔をしていたわね。おかしいったらなかったわ」
「だが父上に対しては複雑な気持ちなのだろう?」
「それは……」
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「正直に言うと、父上の様子からしてこれからあなたに迷惑をかけるんじゃないかと心配しているの」
あの父の様子ではきっと私がフェリクスと婚約したのをいいことにメリック家に持ち掛けたように資金援助を依頼したり王家とのつながりを吹聴したりとし始めるに違いない。
「本当はあのまま縁を切ってしまいたかったのです。実の父親であるのには違いないけれど貴族として今の父を……尊敬するなんてことはとてもできそうにありませんから」
父上のことを本気で憎んでしまうくらいなら距離を置きたいと思っていたのに、結局こうしてまた顔を合わせることになってしまった。
「そんなことを君が気にする必要はない。俺にすべて任せておいてくれたらいい」
フェリクスはそう言って膝の上の私の手を上からそっと握った。思わず赤面してしまう。
「あ……あの……」
「ん?」
フェリクスはどうした? という表情で私を見つめいている。いや、て、手を握られているのですけれど……。
「ああ、手か? 当たり前だろう。俺は君の婚約者だぞ?」
「そ、そうですけれどそれはあくまでも表面上の……!」
「俺にとっては表面上でもなんでもない」
「えっ?」
「君がやっと俺のものになってくれたんだからな。一切触れるななんてことは無理に決まっている。一体今までどれだけ我慢してきたと思っているんだ?」
フェリクスが私の耳元に近づいて囁くように言う。
「ちょ、ちょっと待ってください、あの……!」
「君は普段は大胆でクールなのにこういう時は本当に可愛いな」
フェリクスが小さく笑う。
……私たちの婚約って表面上のことじゃないのかしら? ……勘違いだったら恥ずかしいけれど、フェリクスって私に結構好意がありそうよね? もしかしてフェリクスの計画にまんまと乗せられてしまったってこと?
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「もちろん好きだ」
そんなにはっきり言われてしまうと困ってしまうわ。
「だ、だって、そんなこと今まで一言も……!」
顔を真っ赤にして言う私にフェリクスがやれやれといった表情で言う。
「婚約成立前にそんなことを言ったら君はあれこれ考えて身構えてしまうだろう? 君くらいの女をおとすにはこのくらい外堀を埋めていかなきゃ無理だと思っていたからな。……ある意味あの元婚約者殿には感謝しなければいけないのかもしれないな」
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