37 / 65
第37話 『モテモテNYGと下半身が』
しおりを挟む
1985年(昭和60年)10月23日(水) <風間悠真>
「いやあ~終わった~緊張したぜ」
ステージが終わり、オレは祐介にそう言ってクールダウンする。
「そうか? 初めてにしては良かったんじゃないか? 悟くんも褒めてたろ?」
「ていうかなんでお前はそんなに冷静なんだよ?」
「え? いや、オレは天才だからな」
「このやろう……」
そんな話をしていたら、悟くんが健二くんと一緒に帰る準備をしていた。
「悟くん! ありがとうございました! 今日は、その……どうでしたか? オレ達」
「ああ、良かったよ! ベースの祐介はオレ達のバンドに欲しいくらいだ。悠真、お前も良かったよ。初めてで、文化祭のステージにしてはな」
「ありがとうございます!」
やった! 悟くんに認められた! よし! やっていける! ……ん? ……にしてはな?
「ちょっと待って、悟くん。あの……に、してはなって、どういう意味かな?」
悟くんはちょっと困った顔をした。なんだか言いづらそうだ。
「いや、オレに遠慮はしなくていいです。ハッキリ言ってください!」
「うーん、まあ、言葉通りだよ。初めてのステージで、しかも文化祭は完全ホーム。みんなお前を知ってて、それに生徒だから基本的に最後まで聞くだろ? そういう事」
……え? どういう事?
「えっと……どういう事ですか?」
「……うーん。まあ、それを踏まえて言えば合格だけど、オレ的なレベルで言うと赤点だよ、赤点。練習不足ってのもあったのかもしれないけど、実力不足は……まあ、わかるよね。MCもグダグダだったしな……」
「おい、悟。ちょっと言い過ぎじゃないのか?」
「いや、健二。オレは思った事言ってるだけだから」
……え? そんな……。
「……そんな! だって、オレ、頑張って……」
オレは言葉を失った。悟くんの言葉が胸に突き刺さる。
「悠真、落ち込むなよ。これが現実なんだ。でも、お前には才能がある。今日のステージを糧にして、もっと上を目指せ」
悟くんは優しく微笑んだが、オレの心は沈んでいった。
「……わかりました。ありがとうございます、悟くん」
オレは精一杯の笑顔を作って答えた。悟くんと健二くんが去った後、祐介がオレの肩を叩く。
「悠真、気にするなよ。オレたちはまだ始まったばかりだ。悟くんのバンドだって、最初からあんなに上手かったわけじゃない」
「……そうだな。ありがとう、祐介」
オレは弱々しく笑った。
……てな事があって、オレは音楽の厳しさを知った。
でも同時に、もっと上手くなりたいという強い気持ちが芽生えたのは確かだ。モテモテヤリヤリ人生を送る! という不純な動機だが、動機なんてどうでもいい。
MCなんてのはヴォーカルの宿命みたいなもんだから、見つからなきゃオレがやらなくちゃならない。英語でやるか? ただ観客は日本人だし、まあ英語混じりでかっこ良くやればいいか。
問題はギタープレイをしながら歌うことだよな。
もっと練習しないといけない。いつまでも悟くんに頼るわけにもいかないし……。
あれ? そんな事考えていると、いつの間にか観客が増えてるぞ。おい祐介……。あ、ダメだこいつ、ベースに夢中になって全く気付いてない。
えーっと誰だ?
なんとなくだが、1年ではなさそうだ。
あれ? 部活は? ああそうか! 中間テストだ。テスト期間中は部活がない。
じゃあオレ達もってなるんだが、もともと学業との両立を条件に許可された軽音部だから、オレも祐介の学年10位以内には入っている。
だから結果良ければってことで、融通を利かせてもらってる。
……それで見に来てんのか。
そう思って、よく見てみると、なんと女子の先輩たちばかりだ。ほとんど面識はないはずなのに、なんでだ?
「あれ、村上先輩……でしたよね?」
オレの声に反応して、村上真央先輩が振り返った。2年生で、バレー部のエースとして有名な人だ。確か同じ西小出身のはず。
「きゃー、風間くん! マジやばかったー! めっちゃカッコよかったよ! 小学校の時と全然違うじゃん!」
村上先輩の言葉に、少し戸惑う。……風間、くん?
そうか、彼女たちの記憶の中では、オレはいじめられっ子のままなんだ。
村上先輩の後ろには、加藤優子先輩や長谷川美優先輩、小川美咲先輩の姿も。3年生のバレー部のレギュラーたちだ。彼女たちも驚いたような、でも嬉しそうな表情を浮かべている。
まじで鼻の下が伸びる。みんな可愛い。標準点以上だ(失礼な!)。
「えっと……見てくれてたんですか? ありがとうございます」
少し照れくさそうに返事をすると、先輩たちは優しく微笑んだ。
その時、もう1つのグループから声がかかった。
「ねぇねぇ、あの子が風間くんなの? 超話題の1年生だよね?」
声の主は伊藤愛先輩と杉山亜美先輩。2年生のバドミントン部の2人組だ。その後ろには、3年生の前田奈央先輩の姿も。南小出身の彼女たちは、オレのことをよく知らないはずだ。
「はい、風間悠真です。よろしくお願いします」
オレが挨拶すると、伊藤先輩が興味深そうに近づいてきた。
「えー、マジで? 噂の1年生ってこの子? 意外とイケてるじゃん!」
その言葉に、周りの先輩たちの視線が一斉にオレに集中する。
少し離れたところでは、田中さくら先輩と野村美月先輩が立っていた。さくら先輩は少し困ったような顔をしているが、美月先輩は興味津々といった様子だ。
そのすぐ後ろには、松本彩花先輩と川田美咲先輩の姿も。3年生の2人は少し距離を置いて様子を見ている感じだ。
なんだか妙な空気が流れる中、祐介がようやく顔を上げた。
「おい、悠真。なんだこの状況は……」
祐介の呆れた顔を見て、オレは苦笑いを浮かべる。
確かにこの状況は少し異常かもしれない。小学校時代のオレを知る先輩たちの驚きと、噂を聞いただけの先輩たちの興味が入り混じっている。
そんな中、山本先輩が近づいてきた。生徒会副会長で、オレに好意を持ってくれている人だ。キスまでしたことを思い出し、少し赤面する。
「悠真、お疲れ。すっごく良かったよ! 演奏、マジで感動しちゃった」
「山本先輩! えっと、ありがとうございます」
慌てて返事をすると、山本先輩は優しく微笑んで近づいてきた。
オレのドキドキが高まる中、山本先輩はオレの肩に手を回して、体を動かして周りに背を向けるようにする。先輩の髪の香りが鼻から12脳を直撃した。……やばい、○ってきた。
ぽんっ……。先輩はオレのお腹を叩いた。……つもりなんだろうが、ちょっと下に当たってしまった。
「あひゃい♡」
素っ頓狂な声がでそうなのを必死でこらえるオレを、ニコニコ笑いながら先輩は見る。心なしか前屈みになったオレを尻目に先輩は言った。
「悠真♡ 頑張って! 生徒会もよろしくね」
「……え?」
オレはキツネにつままれた様な間抜けな顔をしたが、先輩はウインクしながら去って行った。心臓バクバクを収めようと胸に手を当てながら、山本先輩の後ろ姿を見つめる。
今のは一体……?
「おい、悠真。大丈夫か? 顔真っ赤だぞ」
祐介の声で我に返る。そうか、まだみんながいるんだった。
「あ、ああ……大丈夫」
オレは必死に平静を装った。51歳のオレでもいきなりアレは、ドキッとするさ。ホントに中3なのかよ。
「ねぇねぇ、風間くん。山本先輩と仲良さそうだね?」
伊藤先輩が興味深そうに聞いてきた。他の先輩たちも好奇心いっぱいの目でこちらを見ている。
「いや、その……生徒会の仕事で少し……」
「えー! 風間くん、生徒会に入ったの? すごいじゃん!」
言葉を濁すオレに、村上先輩が驚いた顔をした。
「いや……うーん、まあ、なんというか」
オレの言葉を遮るように、伊藤先輩が声を上げる。
「ねえ、せっかくテスト終わったんだし、みんなでシーサイドモールに行かない?」
その提案に、他の先輩たちも賛同の声をあげる。
「そうだね! 風間くんも一緒に行こうよ」
村上先輩の誘いに、オレは困惑しながらも祐介を見る。
「お前が行きたいなら行けよ。オレは帰るけど」
祐介は肩をすくめてそう言って、さっさと荷物をまとめ始めた。
オレは内心で葛藤していた。51脳としてはこれは複雑な状況だ。まあしかし、モテモテヤリヤリ学生生活なら、別に同級生に限った事じゃない。先輩でもいーや!
それにみんな可愛いし。
「じゃあ……お言葉に甘えて」
「やったー!」
先輩たちが歓声を上げる中、オレは下心と理性を戦わせながら彼女たちについていくことにした。学校を出て、オレたちは『五峰シーサイドモール』に向かう。
……あ!
やばい、美咲達に言っとかないとまずいぞ!
「先輩! ちょっと……えーっとそのまま一緒に歩いて行くと、色々とまずいので、モールで待ち合わせしませんか? 国道沿いの正面入り口に2時でどうですか?」
「え? 何がいろいろまずいの?」
村上先輩が不思議そうな顔をする。オレは頭をかきながら、適当に考えた言い訳を言う。
「あのー、その……クラスメイトとか、ほら……噂とかが立ちそうで……」
「あー、なるほどね!」
伊藤先輩がニヤッと笑う。
「風間くん、かーわいい♡」
「え? いや……」
「じゃあ2時に正面入り口ね。遅れないでよ?」
美咲と凪咲、純美には急用だと伝えて帰った(振りをした)。
次回 第38話 (仮)『1年vs.2年と3年』
「いやあ~終わった~緊張したぜ」
ステージが終わり、オレは祐介にそう言ってクールダウンする。
「そうか? 初めてにしては良かったんじゃないか? 悟くんも褒めてたろ?」
「ていうかなんでお前はそんなに冷静なんだよ?」
「え? いや、オレは天才だからな」
「このやろう……」
そんな話をしていたら、悟くんが健二くんと一緒に帰る準備をしていた。
「悟くん! ありがとうございました! 今日は、その……どうでしたか? オレ達」
「ああ、良かったよ! ベースの祐介はオレ達のバンドに欲しいくらいだ。悠真、お前も良かったよ。初めてで、文化祭のステージにしてはな」
「ありがとうございます!」
やった! 悟くんに認められた! よし! やっていける! ……ん? ……にしてはな?
「ちょっと待って、悟くん。あの……に、してはなって、どういう意味かな?」
悟くんはちょっと困った顔をした。なんだか言いづらそうだ。
「いや、オレに遠慮はしなくていいです。ハッキリ言ってください!」
「うーん、まあ、言葉通りだよ。初めてのステージで、しかも文化祭は完全ホーム。みんなお前を知ってて、それに生徒だから基本的に最後まで聞くだろ? そういう事」
……え? どういう事?
「えっと……どういう事ですか?」
「……うーん。まあ、それを踏まえて言えば合格だけど、オレ的なレベルで言うと赤点だよ、赤点。練習不足ってのもあったのかもしれないけど、実力不足は……まあ、わかるよね。MCもグダグダだったしな……」
「おい、悟。ちょっと言い過ぎじゃないのか?」
「いや、健二。オレは思った事言ってるだけだから」
……え? そんな……。
「……そんな! だって、オレ、頑張って……」
オレは言葉を失った。悟くんの言葉が胸に突き刺さる。
「悠真、落ち込むなよ。これが現実なんだ。でも、お前には才能がある。今日のステージを糧にして、もっと上を目指せ」
悟くんは優しく微笑んだが、オレの心は沈んでいった。
「……わかりました。ありがとうございます、悟くん」
オレは精一杯の笑顔を作って答えた。悟くんと健二くんが去った後、祐介がオレの肩を叩く。
「悠真、気にするなよ。オレたちはまだ始まったばかりだ。悟くんのバンドだって、最初からあんなに上手かったわけじゃない」
「……そうだな。ありがとう、祐介」
オレは弱々しく笑った。
……てな事があって、オレは音楽の厳しさを知った。
でも同時に、もっと上手くなりたいという強い気持ちが芽生えたのは確かだ。モテモテヤリヤリ人生を送る! という不純な動機だが、動機なんてどうでもいい。
MCなんてのはヴォーカルの宿命みたいなもんだから、見つからなきゃオレがやらなくちゃならない。英語でやるか? ただ観客は日本人だし、まあ英語混じりでかっこ良くやればいいか。
問題はギタープレイをしながら歌うことだよな。
もっと練習しないといけない。いつまでも悟くんに頼るわけにもいかないし……。
あれ? そんな事考えていると、いつの間にか観客が増えてるぞ。おい祐介……。あ、ダメだこいつ、ベースに夢中になって全く気付いてない。
えーっと誰だ?
なんとなくだが、1年ではなさそうだ。
あれ? 部活は? ああそうか! 中間テストだ。テスト期間中は部活がない。
じゃあオレ達もってなるんだが、もともと学業との両立を条件に許可された軽音部だから、オレも祐介の学年10位以内には入っている。
だから結果良ければってことで、融通を利かせてもらってる。
……それで見に来てんのか。
そう思って、よく見てみると、なんと女子の先輩たちばかりだ。ほとんど面識はないはずなのに、なんでだ?
「あれ、村上先輩……でしたよね?」
オレの声に反応して、村上真央先輩が振り返った。2年生で、バレー部のエースとして有名な人だ。確か同じ西小出身のはず。
「きゃー、風間くん! マジやばかったー! めっちゃカッコよかったよ! 小学校の時と全然違うじゃん!」
村上先輩の言葉に、少し戸惑う。……風間、くん?
そうか、彼女たちの記憶の中では、オレはいじめられっ子のままなんだ。
村上先輩の後ろには、加藤優子先輩や長谷川美優先輩、小川美咲先輩の姿も。3年生のバレー部のレギュラーたちだ。彼女たちも驚いたような、でも嬉しそうな表情を浮かべている。
まじで鼻の下が伸びる。みんな可愛い。標準点以上だ(失礼な!)。
「えっと……見てくれてたんですか? ありがとうございます」
少し照れくさそうに返事をすると、先輩たちは優しく微笑んだ。
その時、もう1つのグループから声がかかった。
「ねぇねぇ、あの子が風間くんなの? 超話題の1年生だよね?」
声の主は伊藤愛先輩と杉山亜美先輩。2年生のバドミントン部の2人組だ。その後ろには、3年生の前田奈央先輩の姿も。南小出身の彼女たちは、オレのことをよく知らないはずだ。
「はい、風間悠真です。よろしくお願いします」
オレが挨拶すると、伊藤先輩が興味深そうに近づいてきた。
「えー、マジで? 噂の1年生ってこの子? 意外とイケてるじゃん!」
その言葉に、周りの先輩たちの視線が一斉にオレに集中する。
少し離れたところでは、田中さくら先輩と野村美月先輩が立っていた。さくら先輩は少し困ったような顔をしているが、美月先輩は興味津々といった様子だ。
そのすぐ後ろには、松本彩花先輩と川田美咲先輩の姿も。3年生の2人は少し距離を置いて様子を見ている感じだ。
なんだか妙な空気が流れる中、祐介がようやく顔を上げた。
「おい、悠真。なんだこの状況は……」
祐介の呆れた顔を見て、オレは苦笑いを浮かべる。
確かにこの状況は少し異常かもしれない。小学校時代のオレを知る先輩たちの驚きと、噂を聞いただけの先輩たちの興味が入り混じっている。
そんな中、山本先輩が近づいてきた。生徒会副会長で、オレに好意を持ってくれている人だ。キスまでしたことを思い出し、少し赤面する。
「悠真、お疲れ。すっごく良かったよ! 演奏、マジで感動しちゃった」
「山本先輩! えっと、ありがとうございます」
慌てて返事をすると、山本先輩は優しく微笑んで近づいてきた。
オレのドキドキが高まる中、山本先輩はオレの肩に手を回して、体を動かして周りに背を向けるようにする。先輩の髪の香りが鼻から12脳を直撃した。……やばい、○ってきた。
ぽんっ……。先輩はオレのお腹を叩いた。……つもりなんだろうが、ちょっと下に当たってしまった。
「あひゃい♡」
素っ頓狂な声がでそうなのを必死でこらえるオレを、ニコニコ笑いながら先輩は見る。心なしか前屈みになったオレを尻目に先輩は言った。
「悠真♡ 頑張って! 生徒会もよろしくね」
「……え?」
オレはキツネにつままれた様な間抜けな顔をしたが、先輩はウインクしながら去って行った。心臓バクバクを収めようと胸に手を当てながら、山本先輩の後ろ姿を見つめる。
今のは一体……?
「おい、悠真。大丈夫か? 顔真っ赤だぞ」
祐介の声で我に返る。そうか、まだみんながいるんだった。
「あ、ああ……大丈夫」
オレは必死に平静を装った。51歳のオレでもいきなりアレは、ドキッとするさ。ホントに中3なのかよ。
「ねぇねぇ、風間くん。山本先輩と仲良さそうだね?」
伊藤先輩が興味深そうに聞いてきた。他の先輩たちも好奇心いっぱいの目でこちらを見ている。
「いや、その……生徒会の仕事で少し……」
「えー! 風間くん、生徒会に入ったの? すごいじゃん!」
言葉を濁すオレに、村上先輩が驚いた顔をした。
「いや……うーん、まあ、なんというか」
オレの言葉を遮るように、伊藤先輩が声を上げる。
「ねえ、せっかくテスト終わったんだし、みんなでシーサイドモールに行かない?」
その提案に、他の先輩たちも賛同の声をあげる。
「そうだね! 風間くんも一緒に行こうよ」
村上先輩の誘いに、オレは困惑しながらも祐介を見る。
「お前が行きたいなら行けよ。オレは帰るけど」
祐介は肩をすくめてそう言って、さっさと荷物をまとめ始めた。
オレは内心で葛藤していた。51脳としてはこれは複雑な状況だ。まあしかし、モテモテヤリヤリ学生生活なら、別に同級生に限った事じゃない。先輩でもいーや!
それにみんな可愛いし。
「じゃあ……お言葉に甘えて」
「やったー!」
先輩たちが歓声を上げる中、オレは下心と理性を戦わせながら彼女たちについていくことにした。学校を出て、オレたちは『五峰シーサイドモール』に向かう。
……あ!
やばい、美咲達に言っとかないとまずいぞ!
「先輩! ちょっと……えーっとそのまま一緒に歩いて行くと、色々とまずいので、モールで待ち合わせしませんか? 国道沿いの正面入り口に2時でどうですか?」
「え? 何がいろいろまずいの?」
村上先輩が不思議そうな顔をする。オレは頭をかきながら、適当に考えた言い訳を言う。
「あのー、その……クラスメイトとか、ほら……噂とかが立ちそうで……」
「あー、なるほどね!」
伊藤先輩がニヤッと笑う。
「風間くん、かーわいい♡」
「え? いや……」
「じゃあ2時に正面入り口ね。遅れないでよ?」
美咲と凪咲、純美には急用だと伝えて帰った(振りをした)。
次回 第38話 (仮)『1年vs.2年と3年』
0
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
小さい頃「お嫁さんになる!」と妹系の幼馴染みに言われて、彼女は今もその気でいる!
竜ヶ崎彰
恋愛
「いい加減大人の階段上ってくれ!!」
俺、天道涼太には1つ年下の可愛い幼馴染みがいる。
彼女の名前は下野ルカ。
幼少の頃から俺にベッタリでかつては将来"俺のお嫁さんになる!"なんて事も言っていた。
俺ももう高校生になったと同時にルカは中学3年生。
だけど、ルカはまだ俺のお嫁さんになる!と言っている!
堅物真面目少年と妹系ゆるふわ天然少女による拗らせ系ラブコメ開幕!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる