皇太子から婚約破棄を言い渡されたので国の果ての塔で隠居生活を楽しもうと思っていたのですが…どうして私は魔王に口説かれているのでしょうか?

高井繭来

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その後

TS前提人魚姫『最終章』 童話パロ

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 天の声がお送りします人魚姫最終章お楽しみください。

 パチパチパチ

 おっとリコリス王妃拍手を有難うございます。
 楽しみにしてくれていたと!?
 そんなこと言ってくれるピュアピュアは貴方だけですよ。
 天の声もその言葉に救われます。

 では始まります!!

 ミヤハル王子は日課の早朝の砂浜への散歩に行きました。
 溺れた翌日からです。
 タフにも程があります。
 と言うかキャラ的に散歩とかするタイプには思えないんですけどね…。

「ええもん拾うためや、早起きくらいするでぇ」

 ええもん=番ですね。
 この色欲魔………。

「天の声かて色欲魔やんか。オウマとアムカのセッP(規制音)を母親がおる隣でノリノリで書いとる癖に(笑)」

 自分のキャラに嗤われた…。
 天の声はショックです。
 このまま退散して良いでしょうか…………。

「ちょい待ち!ここで止めたらウチとエントのラブラブが無くなるやないか!」

 どうせ私は色欲魔ですよ………。

「いやぁ、オウマが可愛くてええと思うで。ソレに家族が隠し事無くて仲良くしてるのも凄くええ!うん、ええね!」

 そうですか?
 天の声イケてます?

「イケてるイケてるで!せやからそろそろエン…じゃなくて人魚姫と再会させてんか?」

 イケてますか。
 そうですか、(* ̄▽ ̄)フフフッ♪

 ミヤハル王子は砂浜に倒れている人魚姫を見つけました。
 
「チョロいな」

 何か言いました?

「いや別に、おぉ、こんなところに女性が倒れている!早く城に運ばんと!!」

 ミヤハル王子は倒れている人魚姫を起こします。
 灰銀の長い髪。
 閉じられている瞼を縁取る髪と同じ色の長く濃い睫毛。
 その睫毛がふるり、と揺れます。
 そして瞼が持ち上がり、下から光を受けて揺らめく海面のような青銀の瞳が現れました。

「綺麗やなぁ」

「ミヤハル王子?」

「そうやで、あんたはこんな所で倒れてるなんてどうしたんや?」

「う、ん…記憶が曖昧で…………」

「それやったらウチの城へおいで、記憶が戻るまで居ったらイイわ」

「有難うございます」

 人魚姫が微笑みます。
 その美しい笑顔にミヤハル王子は心奪われたのでした。

 そして3日が立ちました。

 人魚姫の記憶が戻る気配がありません。
 ですが仲良く寄り添う人魚姫とミヤハル王子を見て、誰もがこのままでいいのではないかと思い始めた時です。
 ミヤハル王子の両親変わりの叔母のユラが、隣国の姫を招いて夜会を催すと言い出しました。

「ちょっと!人魚姫ってこんな設定じゃないでしょ!なによ叔母って(# ゚Д゚)!!」

 良いじゃないですか本当に叔母なんだから。

「10歳しか年は慣れてないのに両親変わりの叔母なんていやぁ―――っ!私は王子様に貰われたい側なの!!」

 まぁ気が向けば貴方が主人公の話も書きますよ(前回の赤ずきんは一応主人公だったんですけどねぇ)。

「それなら良いわよ…絶対私がお姫様のお話書いてよね!!」

 はいはい書きます書きます。
 では続き行きましょう。

「隣国の姫との婚約を前提としたパーティーだから粗相のないようにね」

「ウチはエントと結婚したいんやけど?」

「何者かも分からない、あんな全裸で砂浜に倒れていた記憶喪失の女なんて!あんな巨乳の胸をこれ見よがしにさらすような女は叔母として大反対なんですからね!!」

 私情入ってません………?

「それに比べて隣国の姫は清楚でささやかな胸で好感が持てるわ」

 物凄い私情入ってませんか……………??

「ウチはエントのスタイルお気に入りやねんけどなぁ…ユラ姉ちゃん、私情入ってない?」

「し、私情なんて入ってないわよ、おほほほほ」

「ウチのパートナーはエントなら文句は言わんで」

「まぁパーティーの最初だけあのはしたない娘が相手でも良いでしょう」

「はしたないて…私情入ってない?ほんまに入ってない??」

「…………入ってない、私情なんて入って無いんだから」

 ギリギリとハンカチを噛みしめながら涙を流すユラ叔母様なのでした。

 そしてパーティーが始まる前日の夜。
 人魚姫の部屋に矢文が届きました。

『---- ・・-- ・-・ ・- --・・ ・-・-- ・・ ・-・・・ ・・- --・-・ ・・ ・--- ---- ・-・- ---・- ・・-・・ --・-- -・- -・-・ ・-・ ・・・ ---・- ・・ -・-・ -・-・ ・-・-・ -・-・・ ・・ -・-・ -・・-・ ・・-・・ ・・ --- ・-・-- ・・- ・・-・- -・-・ ・-・・ -・--- --- -・--・ --』

「成程、だが私がハルを殺すとかありえないだろう?」

 ニヤリ、と壮絶な笑みを浮かべた人魚姫は手紙を握りつぶし炎の魔術で灰にしてしまうのでした。

 人魚なのに何故炎の魔術…?
 そして何故にモールス信号………?

「人魚流だ」

 はいはい、そーですか、と。

 そしてパーティーの夜がやってきました。
 ミヤハルの隣にいる美女に誰もが目を奪われます。
 勿論ドレスアップした人魚姫です。
 まだ記憶が戻らないのでこうしてミヤハル王子が保護しているのです。

 並んだ美貌の2人は絵になります。

 ミヤハル王子は12歳なので若干オネショタに見えなくも無いですが、そんな突込みも野暮なほど2人の結びつきが強い事が誰でも分かります。
 2人を中心にピンクのオーラが駄々洩れだからです。

 しかし人魚姫の記憶は戻る気配はありません。
 当然です。
 人魚姫は記憶など無くしていないのですから。
 記憶が無いという事にして、上手い事ミヤハル王子の傍に潜り込んだのでした。
 狡いですね。

「人魚流だ」

 そうですね、人魚流ですね………(´Д`)ハァ…

 ざわざわと周りが騒めきます。
 人の群れが割れていきます。
 モーゼの十戒の如くです。
 歩いてくるのは人魚姫とよく似た美女。
 違うのは髪と瞳の色、そして胸元です。

「喧嘩を売っているのか天の声(#^ω^)」

 あ、リコリスが………。

「王子様、本日は御招き有難うございました」

 隣国の姫が微笑み綺麗なカーテシーでミヤハル王子に挨拶をします。

「あぁ隣国の姫。今日は自分へのお礼を込めたパーティーや、楽しんでや」

「そしてミヤハル王子の結婚相手を決めるパーティーでもあります」

「…ユラ叔母様」

「ミヤハルを救ってくれた隣国の姫こそ貴方に相応しいと思うのですが?」

「それは一理あるわ、でもウチの事救ってくれた相手は荒波の中ウチを抱えて砂浜まで泳ぎ切った強者。弱いとは思えんのよな。せやからここでバトルロイヤルを行って、勝者と結婚することを宣言するわ!」

 こうしてミヤハル王子を巡る戦いが始まりました。

 炎が飛び交います。
 ブリザードが辺りを凍らせます。
 風が周囲の者のドレスを切り刻みます。
 床が裂け、地中深く落とされる令嬢も居ます。

 そして残ったのは人魚姫と隣国の姫でした。
 周囲はもう魔術が飛び交ったせいでゴチャゴチャです。
 後でユラが《復元》で直すので問題ないです。

「人使い荒くない?」

 次は白雪姫とかにしましょうかねぇ…何処かに良い姫候補は?|д゚)チラッ

「んふっふ♡直すのは任せて頂戴♡」

 チョロッ。
 そして睨み合うは人魚姫と隣国の姫!

「リコリスが楽しみにしているんです、負けませんよ!」

「ミヤハルは誰にも渡さん、絶壁なんかにはな」

 ふっ、と人魚姫は鼻で笑いました。
 隣国の姫の胸元を見て。

 人魚姫Fカップ。
 隣国の姫--カップ。

「その身体で伴侶を満足させられるのか?私はミヤハルを満足させる自信があるぞ?」

「わ、私は………」

「男の時でも本当にリコリスを満足させられているのかな?」

 ニヤリ、と人魚姫が不敵に笑います。
 やはり弟は兄に勝てないのでしょうか?

 おや、あちらから少女の声が?

 私は魔王が好きですよー、ですって隣国の姫様?

「リコリス!やはり私にはリコリスしかいない!ミヤハル王子、記憶喪失のその姫とお幸せに!!」

 凄いスピードで隣国の姫は走り去っていきました。
 おや、舞台裏から喘ぎ声が…。
 どうやらお楽しみの時間に突入したようです。

「その強さ、やっぱりウチを助けてくれたんは自分やったんやね?」

「今まで言わなくてすまない、だが愛しているから言えなかった。傍に居れるだけで良いと思ったから何も話さなかった。
それでも、ハルが誰かと結婚することは許せなかった」

「おん、ウチも助けてくれたんが誰であれ、自分の事が好きやでエント…ウチのお嫁さんになってくれへんかな?」

「喜んでだ!」

 2人が抱き合い熱い抱擁を交わします。
 人魚流の人工呼吸ですね?

「いや、これはキスだ」

 どこが違うんだ………?

 ともかくこうして人魚姫はミヤハル王子と結婚し、2人は末永く幸せに暮らしたのでした。

 ☆めでたしめでたし☆
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