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【41話】
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晩餐会が始まり、皇太子妃たちがそれぞれのパートナーと会場入りする。
3人3様、己の魅力を引き出すパートナーを連れていた。
カスタットは聖騎士団長、マカロはアンドュアイス。
この2組は初めての公の場でのエスコートの時からカップリングは変わらない。
ルークが誰かをエスコートをした事は無いので、今年、初めての晩餐会となる第3皇太子妃のマロンのパートナーは誰が勤め上げるかは話題となっていた。
マロンは庶民の出だ。
爵位も決して高くない。
だが実家が一国に並ぶほどの財力を有し、世界各国に商店を連ねるスクワラル商会は世界中の情報網を持つ。
ガフティラベル帝国としては何としても手に入れたい存在であった。
そして昨年、14歳となったスクワラル男爵家の第4子であるマロンの後宮入りが決定した。
マロンはカスタットやマカロのような派手さはない。
だがあどけさなさを残す可憐な容貌も、華奢ながら出ているところは出ている体つきも十分に魅力的である。
今年こそは皇太子がエスコートをするのではないかと囁かれていたのだ。
だがマロンの手を引くのはオレンジの髪に青緑の瞳の長身の青年。
その体は騎士と並んでも見劣りしないほど鍛えられてきるのが正装の上からでも分かる。
普段は怜悧な表情をしているその瞳は、今はマロンを優しく見つめる。
「おい、第3皇太子妃のエスコートは皇太子様の側近の方じゃないか?」
「でも武道大会の優勝者が皇太子妃のエスコートの権を褒美に貰ったはずだぞ?」
「優勝者はコーンポタージュとか言う奴じゃなかったか?」
「違う、違う。コーン・ポンタージュだ」
「そう言えばコンポタは仮面を着けていたが近衛兵殿と丁度体格も同じくらいだな」
「じゃぁポンタージュ様が皇太子様の側近の方でしたの!?」
「そ、それではリリポタポタリリルクポタポタルクではありませんか!」^o^)┐チラッ
「な…なんだ、その呪文は……?」
「いえ、お気にならないで下さいまし」^)┐))))カサカサ
マロンとクオンが注目を集めた後に、賓客であるカカン国の王太子のローズとその婚約者であり聖女であるマーガレットが登場する。
「はぁ、こちらも美麗なカップルですな」
「カカン国の王太子殿は剣にも政治にも優れておられるそうですぞ?見てみなさいな、あの凛々しいお姿」
「聖女様もお可愛らしい方。そう言えば大会の準優勝のリリーと同じ髪と瞳の色ですわね?」
「偶々だろう。全然似ていないではないか」
その会話はローズとマーガレットの耳にも届く。
皇帝は今は”リリー・オブ・ザ・ヴァリー”を”聖女マーガレットの妹”とは広める気はないらしい。
もうすでにサイヒの奪い合いは始まっているのだ。
寸分たりとも気を抜けない。
最後に皇帝と皇妃が入場する。
覇気に満ちた皇帝と淑やかな皇妃は”美女と野獣”と呼ばれて久しい。
皇帝の容姿が野獣の様だからではなく、その戦う姿が野獣の様だから付いた嬉しくない2つ名だ。
皇帝の容姿はルークの父親なだけあって、ワイルド系だがそれなりに美形であることはここに記しておこう。
そしてこの日も、やはり皇太子であるルクティエスは晩餐会に参加をしないようだった。
:::
それぞれがアルコールを体内に入れ気分を良くし出した晩餐会の中盤。
扉が開き2つの影が入場をする。
その瞬間に時が止まった。
銀色の髪にエメラルドの瞳を持った美しい青年が1人の淑女をエスコートしている。
青年は白を基調とした正装に身を包んでおり、痩せ型だがそのスタイルは整っていた。
今日は現れないであろうと誰もが思っていた皇太子の姿がそこにはあった。
正装に身を包んだルークは優美な動きでエスコートの手を引く。
その手に引かれて現れたのは漆黒の長い髪と青銀の切れ長の瞳を持つ中性的な美貌の少女だった。
身に着けているのは華美でないが一目で質の良さが分かるエメラルド色のドレス。
ネックレス。
イヤリング。
ハープアップした髪に付けられている髪留め。
その全てに使われている装飾品はルークの髪と同じ色の輝きを放つプラチナを台座にした、エメラルドを嵌め込んだものだった。
ドレスと装飾品の色合いから少女が誰の所有物であるか一目でわかる。
そしてパートナーの、美貌でその名を轟かすルークにも負けない美しさ。
シンプルでいて品の良いドレスを着こなす女性らしい曲線を描く肢体。
会場の視線は2人に釘付けになった。
誰もが寄り添う2人を見て、2つで1つの完成型の様であると感じた。
神話時代を専門とする学者ならこう例えただろう。
”比翼の鳥”または”連理の枝”である、と。
静まり返った会場の中央へ2人が歩く。
誰も声を発しない。
ただ音楽だけが止まることなく流れている。
中央には皇帝の姿がある。
その前まで進み、2人は優美な礼をした。
「ルーク、そちらのお嬢さんは何方だ?」
「私の半身です」
ギラギラと光る肉食獣のような目に臆することなく、ルークは笑顔で答えた。
ソコには何時もの蕩けたような笑顔を浮かべる何時ものルークの姿は無い。
「其方、名は?」
「レイランと申します。ファミリーネームもミドルネームも無い、ただのレイランで御座います陛下」
ふわりと花が綻ぶ様にサイヒが笑顔を浮かべた。
ほぅ、と男も女もその笑顔の美しさに溜息をもらす。
サイヒも皇帝の眼光に怯えることはない。
寧ろ奥まで探りを入れるかのようにその目を覗き込む。
その視線の強さに逆に皇帝が戦いた。
まるで心の隅まで丸裸にされて観察されているような息苦しさを感じたのだ。
(何者だこの娘!?)
皇帝が気に入っているのはリリー・オブ・ザ・ヴァリーである。
もっともソレは偽名だが。
圧倒的な武力と法力を持つ、かの男装の少女を皇帝は気に入っていた。
だが目の前の少女は気配はまるで違うものの、男装の少女にも負けない存在感を放っていた。
ちなみに気配が違うのはサイヒが大会に出ている時は【認識阻害・微弱】をかけていたからだ。
本来の姿と変装の姿で同一人物と分からない程度には気配が変わる威力のモノだ。
そのため皇帝には目の前の少女がリリー・オブ・ザ・ヴァリーとは結び付かなかった。
【認識阻害】のかかっていないサイヒの存在感は”武王”を前にしても霞まない。
それどころか”武王”と呼ばれる皇帝を圧倒するほどであった。
:::
「まぁお兄様お美しいですわ!スタイルもとても良かったのですね♡」
「サイヒが女装……」
「女装じゃなくてちゃんと女性の体ですわ、コーン様♫」
「サイヒが女体化……」
「普段が男装で元よりお兄様は女性ですわ、コーン様♬」
「失礼……」
クオンが顔を背けてハンカチを口に当てた。
ガフッ!
ゴフッ!
ゲホッ!!
白いハンカチが赤く染まる。
ソレをスマートな仕種でクオンは胸元へ仕舞った。
「コーン様、胃痛止めのポーションは飲まれますか?」
「お願いしますマロン妃……」
バーカウンターではマロンの執事のモンラーンが、バーテンの格好でシェイカーを振っていた。
その中身をグラスに流し込む。
美しい黄・橙・赤の3層になったカクテルが運ばれてきた。
「どうぞコーン様」
「あぁ、かたじけない」
クオンは胃痛止めポーションをメインに作られたカクテルを胃に流し込みながら、今は胃の痛みが引いていくのを待つ事しか出来なかった。
3人3様、己の魅力を引き出すパートナーを連れていた。
カスタットは聖騎士団長、マカロはアンドュアイス。
この2組は初めての公の場でのエスコートの時からカップリングは変わらない。
ルークが誰かをエスコートをした事は無いので、今年、初めての晩餐会となる第3皇太子妃のマロンのパートナーは誰が勤め上げるかは話題となっていた。
マロンは庶民の出だ。
爵位も決して高くない。
だが実家が一国に並ぶほどの財力を有し、世界各国に商店を連ねるスクワラル商会は世界中の情報網を持つ。
ガフティラベル帝国としては何としても手に入れたい存在であった。
そして昨年、14歳となったスクワラル男爵家の第4子であるマロンの後宮入りが決定した。
マロンはカスタットやマカロのような派手さはない。
だがあどけさなさを残す可憐な容貌も、華奢ながら出ているところは出ている体つきも十分に魅力的である。
今年こそは皇太子がエスコートをするのではないかと囁かれていたのだ。
だがマロンの手を引くのはオレンジの髪に青緑の瞳の長身の青年。
その体は騎士と並んでも見劣りしないほど鍛えられてきるのが正装の上からでも分かる。
普段は怜悧な表情をしているその瞳は、今はマロンを優しく見つめる。
「おい、第3皇太子妃のエスコートは皇太子様の側近の方じゃないか?」
「でも武道大会の優勝者が皇太子妃のエスコートの権を褒美に貰ったはずだぞ?」
「優勝者はコーンポタージュとか言う奴じゃなかったか?」
「違う、違う。コーン・ポンタージュだ」
「そう言えばコンポタは仮面を着けていたが近衛兵殿と丁度体格も同じくらいだな」
「じゃぁポンタージュ様が皇太子様の側近の方でしたの!?」
「そ、それではリリポタポタリリルクポタポタルクではありませんか!」^o^)┐チラッ
「な…なんだ、その呪文は……?」
「いえ、お気にならないで下さいまし」^)┐))))カサカサ
マロンとクオンが注目を集めた後に、賓客であるカカン国の王太子のローズとその婚約者であり聖女であるマーガレットが登場する。
「はぁ、こちらも美麗なカップルですな」
「カカン国の王太子殿は剣にも政治にも優れておられるそうですぞ?見てみなさいな、あの凛々しいお姿」
「聖女様もお可愛らしい方。そう言えば大会の準優勝のリリーと同じ髪と瞳の色ですわね?」
「偶々だろう。全然似ていないではないか」
その会話はローズとマーガレットの耳にも届く。
皇帝は今は”リリー・オブ・ザ・ヴァリー”を”聖女マーガレットの妹”とは広める気はないらしい。
もうすでにサイヒの奪い合いは始まっているのだ。
寸分たりとも気を抜けない。
最後に皇帝と皇妃が入場する。
覇気に満ちた皇帝と淑やかな皇妃は”美女と野獣”と呼ばれて久しい。
皇帝の容姿が野獣の様だからではなく、その戦う姿が野獣の様だから付いた嬉しくない2つ名だ。
皇帝の容姿はルークの父親なだけあって、ワイルド系だがそれなりに美形であることはここに記しておこう。
そしてこの日も、やはり皇太子であるルクティエスは晩餐会に参加をしないようだった。
:::
それぞれがアルコールを体内に入れ気分を良くし出した晩餐会の中盤。
扉が開き2つの影が入場をする。
その瞬間に時が止まった。
銀色の髪にエメラルドの瞳を持った美しい青年が1人の淑女をエスコートしている。
青年は白を基調とした正装に身を包んでおり、痩せ型だがそのスタイルは整っていた。
今日は現れないであろうと誰もが思っていた皇太子の姿がそこにはあった。
正装に身を包んだルークは優美な動きでエスコートの手を引く。
その手に引かれて現れたのは漆黒の長い髪と青銀の切れ長の瞳を持つ中性的な美貌の少女だった。
身に着けているのは華美でないが一目で質の良さが分かるエメラルド色のドレス。
ネックレス。
イヤリング。
ハープアップした髪に付けられている髪留め。
その全てに使われている装飾品はルークの髪と同じ色の輝きを放つプラチナを台座にした、エメラルドを嵌め込んだものだった。
ドレスと装飾品の色合いから少女が誰の所有物であるか一目でわかる。
そしてパートナーの、美貌でその名を轟かすルークにも負けない美しさ。
シンプルでいて品の良いドレスを着こなす女性らしい曲線を描く肢体。
会場の視線は2人に釘付けになった。
誰もが寄り添う2人を見て、2つで1つの完成型の様であると感じた。
神話時代を専門とする学者ならこう例えただろう。
”比翼の鳥”または”連理の枝”である、と。
静まり返った会場の中央へ2人が歩く。
誰も声を発しない。
ただ音楽だけが止まることなく流れている。
中央には皇帝の姿がある。
その前まで進み、2人は優美な礼をした。
「ルーク、そちらのお嬢さんは何方だ?」
「私の半身です」
ギラギラと光る肉食獣のような目に臆することなく、ルークは笑顔で答えた。
ソコには何時もの蕩けたような笑顔を浮かべる何時ものルークの姿は無い。
「其方、名は?」
「レイランと申します。ファミリーネームもミドルネームも無い、ただのレイランで御座います陛下」
ふわりと花が綻ぶ様にサイヒが笑顔を浮かべた。
ほぅ、と男も女もその笑顔の美しさに溜息をもらす。
サイヒも皇帝の眼光に怯えることはない。
寧ろ奥まで探りを入れるかのようにその目を覗き込む。
その視線の強さに逆に皇帝が戦いた。
まるで心の隅まで丸裸にされて観察されているような息苦しさを感じたのだ。
(何者だこの娘!?)
皇帝が気に入っているのはリリー・オブ・ザ・ヴァリーである。
もっともソレは偽名だが。
圧倒的な武力と法力を持つ、かの男装の少女を皇帝は気に入っていた。
だが目の前の少女は気配はまるで違うものの、男装の少女にも負けない存在感を放っていた。
ちなみに気配が違うのはサイヒが大会に出ている時は【認識阻害・微弱】をかけていたからだ。
本来の姿と変装の姿で同一人物と分からない程度には気配が変わる威力のモノだ。
そのため皇帝には目の前の少女がリリー・オブ・ザ・ヴァリーとは結び付かなかった。
【認識阻害】のかかっていないサイヒの存在感は”武王”を前にしても霞まない。
それどころか”武王”と呼ばれる皇帝を圧倒するほどであった。
:::
「まぁお兄様お美しいですわ!スタイルもとても良かったのですね♡」
「サイヒが女装……」
「女装じゃなくてちゃんと女性の体ですわ、コーン様♫」
「サイヒが女体化……」
「普段が男装で元よりお兄様は女性ですわ、コーン様♬」
「失礼……」
クオンが顔を背けてハンカチを口に当てた。
ガフッ!
ゴフッ!
ゲホッ!!
白いハンカチが赤く染まる。
ソレをスマートな仕種でクオンは胸元へ仕舞った。
「コーン様、胃痛止めのポーションは飲まれますか?」
「お願いしますマロン妃……」
バーカウンターではマロンの執事のモンラーンが、バーテンの格好でシェイカーを振っていた。
その中身をグラスに流し込む。
美しい黄・橙・赤の3層になったカクテルが運ばれてきた。
「どうぞコーン様」
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