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そして全能神は愉快犯となった
【98話】
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「銀髪に青銀の瞳が”カマラ”、黒髪にエメラルドの瞳が”ドラジュ”」
銀髪の子をサイヒが抱き、黒髪の子をルークが抱いていた。
「この子たちの名前か?」
「うむ、前から決めていた」
「私にも相談が欲しかったぞサイヒ」
拗ねたルークが唇を尖らせる。
チュッ
「なっ!?」
「そんな可愛い顔をする方が悪い」
「サイヒの誑し……」
頬をバラ色に染めるルーク。
反応が相変わらす乙女だ。
「お前は赤子の前で何をやってるんだ」
ゴン
クオンの拳骨がサイヒの頭上に下ろされた。
「痛いではないかクオン」
「これ位で痛いがる奴は1人で出産などしない」
「気持ちの問題だ」
既にクオンがサイヒに拳骨を落とすのは皆見慣れている。
口では勝てないから手を出す様になった。
この言い方では悪く聞こえるが、サイヒの行動にちゃんと注意出来るのがクオンだけなので仕方ない。
拳骨も手加減に手加減が為されている。
一応女に手を上げる以上、傷をつける訳にはいかない。
実際にはクオンが本気で殴り掛かってもサイヒはノーダメージである。
体の造りがそこいらの人間とは違うのだ。
全能神の能力も受けついているので、”痛みを快感に変える”などと言う必要性があるのかないのかな神術迄使える。
サイヒは使用したことは無いが。
前全能神は使っていたみたいだ。
何故この能力を使う必要があったのか?
流石にサイヒにも謎である。
まぁそんな訳でサイヒのブレーキとしてクオンはサイヒに唯一強く出れる。
サイヒも認めているので誰の文句も無い。
ルークやマロンでさえ文句を言わないのだ。
他に誰が文句を言えると言うのか……?
「で、何という意味なのだ?」
コテリ、とルークが首を傾げる。
可愛いな、と思ったサイヒがルークに触れようとして…。
クオンが睨みを聞かせているのに気付いて手を引っ込めた。
「カマラは蓮の花のことだ。泥の中でも咲く強い花で、神話時代の”仏”が座る花でもある。ドラジュは”幸せの種”と言う意味だ。これも神話時代に結婚式に新郎新婦が外賓者に配っていた幸せを祈る菓子の名だ」
「カマラにドラジュ…私は好きだ、サイヒが付けた名は」
「私も良いと思いまわ」
「まぁ、お前が考えたにしてはまとも名だな」
「クオン、お前は私を何だと思っているのだ?」
「愉快犯だ」
「心友が全能神に冷たい」
「叱って貰っているうちが花だと思え」
「厳しいな私の心友は…この子たちは気が短く育たんようクオンを反面教師にして育てるとしよう」
「母親の奔放さを見習わないようしっかり躾よう」
「お兄様みたいに素敵な男らしい子に育って欲しいですわ」
「私はルークの様に可憐に育って欲しいな」
「サイヒに似たら、大きくなった時大勢の人を誑かしそうで怖い…父親としてソレはツライ」
「初耳だぞルーク、そんな事を思っていたのか?私が心に決めているのはお前ひとりだぞルーク?」
「……知っているけどサイヒはモテるから嫉妬してしまう」
「コレは困った。では体に分からせて…」
ゴスッ
再びクオンの拳骨がサイヒの脳天に落ちた。
「こ・ど・も・の・ま・え・だ!!!」
「暫くは我慢しよう…」
「私も我慢する…それにこの子たちが可愛いから、それだけで幸せだ」
「私も幸せだぞルーク」
「「ふぁぁあん」」
子供たちが同時に小さな鳴き声を上げた。
「臭いがせんからオムツでは無いな。さっきまで寝てたし、ふむ、乳か。ルーク、ドラジュもコチラに渡してくれ」
「母乳か?では私とクオンは出ておこう」
「終わったらマロンに呼ばせるよ。おいで、ドラジュ」
「ではルーク様とクオン様は部屋から出て下さいましね」
マロンがルークとクオンを寝室から退室を促した。
ルークは後ろ髪引かれる思いなようだが。
「ちゃんとサイヒが母親が出来るか心配でしたが…以外に母性本能があるようですね」
「当然だ。サイヒは会った時から聖母の様に優しかったぞ?」
”それはルーク様だけです”とはクオンは言えなかった。
ちゃんと上司の夢を壊さない、出来た側近なのである。
子供が小さいうちはサイヒも子供にかかりきりになるだろう。
これで王宮を抜け出すことも無くなるはずだ。
クオンは胸を撫で下ろした。
その後、サイヒが赤ん坊を連れて王都に遊びに行くと言う、今まで以上にクオンの胃にダメージが来る行為をする事を、この時のクオンはまだ知らなかった。
銀髪の子をサイヒが抱き、黒髪の子をルークが抱いていた。
「この子たちの名前か?」
「うむ、前から決めていた」
「私にも相談が欲しかったぞサイヒ」
拗ねたルークが唇を尖らせる。
チュッ
「なっ!?」
「そんな可愛い顔をする方が悪い」
「サイヒの誑し……」
頬をバラ色に染めるルーク。
反応が相変わらす乙女だ。
「お前は赤子の前で何をやってるんだ」
ゴン
クオンの拳骨がサイヒの頭上に下ろされた。
「痛いではないかクオン」
「これ位で痛いがる奴は1人で出産などしない」
「気持ちの問題だ」
既にクオンがサイヒに拳骨を落とすのは皆見慣れている。
口では勝てないから手を出す様になった。
この言い方では悪く聞こえるが、サイヒの行動にちゃんと注意出来るのがクオンだけなので仕方ない。
拳骨も手加減に手加減が為されている。
一応女に手を上げる以上、傷をつける訳にはいかない。
実際にはクオンが本気で殴り掛かってもサイヒはノーダメージである。
体の造りがそこいらの人間とは違うのだ。
全能神の能力も受けついているので、”痛みを快感に変える”などと言う必要性があるのかないのかな神術迄使える。
サイヒは使用したことは無いが。
前全能神は使っていたみたいだ。
何故この能力を使う必要があったのか?
流石にサイヒにも謎である。
まぁそんな訳でサイヒのブレーキとしてクオンはサイヒに唯一強く出れる。
サイヒも認めているので誰の文句も無い。
ルークやマロンでさえ文句を言わないのだ。
他に誰が文句を言えると言うのか……?
「で、何という意味なのだ?」
コテリ、とルークが首を傾げる。
可愛いな、と思ったサイヒがルークに触れようとして…。
クオンが睨みを聞かせているのに気付いて手を引っ込めた。
「カマラは蓮の花のことだ。泥の中でも咲く強い花で、神話時代の”仏”が座る花でもある。ドラジュは”幸せの種”と言う意味だ。これも神話時代に結婚式に新郎新婦が外賓者に配っていた幸せを祈る菓子の名だ」
「カマラにドラジュ…私は好きだ、サイヒが付けた名は」
「私も良いと思いまわ」
「まぁ、お前が考えたにしてはまとも名だな」
「クオン、お前は私を何だと思っているのだ?」
「愉快犯だ」
「心友が全能神に冷たい」
「叱って貰っているうちが花だと思え」
「厳しいな私の心友は…この子たちは気が短く育たんようクオンを反面教師にして育てるとしよう」
「母親の奔放さを見習わないようしっかり躾よう」
「お兄様みたいに素敵な男らしい子に育って欲しいですわ」
「私はルークの様に可憐に育って欲しいな」
「サイヒに似たら、大きくなった時大勢の人を誑かしそうで怖い…父親としてソレはツライ」
「初耳だぞルーク、そんな事を思っていたのか?私が心に決めているのはお前ひとりだぞルーク?」
「……知っているけどサイヒはモテるから嫉妬してしまう」
「コレは困った。では体に分からせて…」
ゴスッ
再びクオンの拳骨がサイヒの脳天に落ちた。
「こ・ど・も・の・ま・え・だ!!!」
「暫くは我慢しよう…」
「私も我慢する…それにこの子たちが可愛いから、それだけで幸せだ」
「私も幸せだぞルーク」
「「ふぁぁあん」」
子供たちが同時に小さな鳴き声を上げた。
「臭いがせんからオムツでは無いな。さっきまで寝てたし、ふむ、乳か。ルーク、ドラジュもコチラに渡してくれ」
「母乳か?では私とクオンは出ておこう」
「終わったらマロンに呼ばせるよ。おいで、ドラジュ」
「ではルーク様とクオン様は部屋から出て下さいましね」
マロンがルークとクオンを寝室から退室を促した。
ルークは後ろ髪引かれる思いなようだが。
「ちゃんとサイヒが母親が出来るか心配でしたが…以外に母性本能があるようですね」
「当然だ。サイヒは会った時から聖母の様に優しかったぞ?」
”それはルーク様だけです”とはクオンは言えなかった。
ちゃんと上司の夢を壊さない、出来た側近なのである。
子供が小さいうちはサイヒも子供にかかりきりになるだろう。
これで王宮を抜け出すことも無くなるはずだ。
クオンは胸を撫で下ろした。
その後、サイヒが赤ん坊を連れて王都に遊びに行くと言う、今まで以上にクオンの胃にダメージが来る行為をする事を、この時のクオンはまだ知らなかった。
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