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そして全能神は愉快犯となった
【閑話 クオン&マロンSide2】
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朝は妻を起こさないようにそっ、とベッドを抜け出す。
ふかふかのベッドは隣に眠る者へ振動を与えない。
なので起こさず抜け出すのは容易い事なのである。
(おはようございますマロンさん)
優しい目でクオンはまだ睡眠中のマロンに心の中で挨拶をする。
声を出して起こしてしまわないようにだ。
そしてそ、と額に唇を落とす。
(あどけない寝顔、これを護るためなら俺は何でも出来るな)
クオンの頬が緩む。
そうしてると冷たいとは言わないが鋭利な印象が一切抜ける。
肉体年齢は23歳で止まっているのだ。
人間でも23歳はまだまだ若い。
中身は40歳を超えていても、どうしても若く見える分あどけなさを感じる。
それを知っているのでクオンは仕事中は出来るだけ真剣な表情を崩さない。
クオンの柔らかい顔を知っているのは自分の家族だけで良い。
この件においてはは珍しい事にクオンは主のルークよりも家族を優先させている。
主に柔らかい表情を向けたことなど無い。
己は主の剣で盾。
柔らかさなど必要ない。
(では行ってきますね)
そしてクオンはマロンを起こさないように静かに寝室から出て行った。
その後マロンがベッドの中でジタバタ悶えている事は知らない。
マロンはクオンが起きた段階で起きているのだ。
生活リズムまで仲良しな夫婦である。
でも寝たふりをする。
そうするとクオンが何時もより可愛い行動をしてくれるのだ。
例えば額にキスとか。
あんなに凛々しいのに、頬を緩めてマロンの額にキスをするクオン。
可愛いにも程がある。
「もう、クオンさん反則ですわ!可愛すぎます!」
頬を赤らめてマロンは呟く。
その呟きがクオンに聞こえてなくて良かった。
本当に良かった。
マロンに可愛いと思われていることをクオンが知ったら武者修行の旅にでも出ていくかもしれない。
そうすると天界全体の危機である。
全能神のストッパーになれるのはクオンだけなのである。
魔王?
アレは駄目だ、一緒に全能神とアクセルを踏んでしまう。
クオンが居なければ天界はカオスになる。
そのせいでクオンはやたらと役職が多い。
宰相・文官長・騎士団長・魔王の側近。
もはや役職のデパートである。
おっと「全能神のおもり」を忘れてはいけない。
何とも苦労が絶えない男である。
ゆえに朝の自分と家族だけの時間は宝物だ。
鍛錬を終えるといつの間にか起きていたマロンが湯と食事の用意をしてくれている。
クオンの胃を考えた優しいメニューである。
一々考えるのは面倒くさいだろうに、マロンは毎回違うメニューを出す。
1カ月の間で朝食のメニューが被る日は無い。
愛されている、そう思う瞬間である。
朝のメニューに思いをはせながらも、宮殿の外に出たクオンは剣を振るう。
己の愛剣だ。
日々の鍛錬から己の剣を振っておかないと変な癖がつきかねない。
いざと言う時、腰にさしてある愛剣は最高のパートナーでないといけない。
それが天界のナンバー2である魔王ルークを護る側近の役目だ。
剣の腕はもう主であるルークを越えている。
総体的には膨大な魔力を持っているルークのほうが強いかも知れないが、闘気を操り繰り出すクオンの剣技はルークの剣の才を越えている。
それでも鍛錬は欠かさない。
天界の王配の剣で盾。
その役目は主の伴侶の全能神ーサイヒにだって譲れるものでは無いのだ。
上に来ている上着を脱いで上半身をさらけ出し剣を振るう。
そうすると美しく付いた筋肉の動きまで見て分かる。
一目でわかる、機能的に作られた筋肉だという事が。
それは一種の美でもある。
実はクオンの鍛錬を盗み見している女も多かったりする。
気配でクオンは気付いているが、関わらない方が得策だと無視を決め込んでいる。
でもマロンが窓から見ているのには気付いていない、以外に鈍い所もある。
マロンに言わせるとソレが可愛いのだろうが。
美しく伸縮する筋肉に汗がキラキラと飛び散る。
ソコに汚さなどない。
その汗は日の光を浴びてクオンをより輝かせる。
もう女の使用人たちには刺激的すぎる眼福である。
クオンはモテるのだ。
本人だけがその事を知らない。
誰も教えないのだかから仕方ない。
鈍いクオンに余計な情報を与えるべきで無い、と皆が判断しているのだ。
クオンは不器用すぎるので、好意を寄せられても悩みの1つとなってしまうから。
仕事で誰よりもお疲れなクオンに誰もが余計な苦労を与えたくないのである。
天界の王宮で愛されまくっているクオンである。
勿論本人は知らない。
そして鍛錬が終わると庭の花を1輪だけ手折る。
その際、花にまで謝罪と礼を言う。
花を手折るクオン。
何とも絵になる。
隠しブロマイドが高レートで売買されていることをクオンだけが知らない。
そして部屋に戻ってきたクオンは、湯と食事の用意をしてくれているマロンに、そ、と1輪の花を手向けるのだ。
その朝咲いた、1番美しい花を。
花を受け取った時のマロンの幸せそうな笑顔を見るために。
全能神の庭園の花を手折る権利など今のところクオンにしかない。
そしてその花を纏う権利もマロンにしかない。
マロンはその花を髪に挿して、1日を過ごす。
夫婦そろって全能神にまで愛されているのだ。
それもクオンだけが気付いてないのだが、マロンに言わせるとそこがクオンの可愛い所の1つと言う事になるのだろう。
ふかふかのベッドは隣に眠る者へ振動を与えない。
なので起こさず抜け出すのは容易い事なのである。
(おはようございますマロンさん)
優しい目でクオンはまだ睡眠中のマロンに心の中で挨拶をする。
声を出して起こしてしまわないようにだ。
そしてそ、と額に唇を落とす。
(あどけない寝顔、これを護るためなら俺は何でも出来るな)
クオンの頬が緩む。
そうしてると冷たいとは言わないが鋭利な印象が一切抜ける。
肉体年齢は23歳で止まっているのだ。
人間でも23歳はまだまだ若い。
中身は40歳を超えていても、どうしても若く見える分あどけなさを感じる。
それを知っているのでクオンは仕事中は出来るだけ真剣な表情を崩さない。
クオンの柔らかい顔を知っているのは自分の家族だけで良い。
この件においてはは珍しい事にクオンは主のルークよりも家族を優先させている。
主に柔らかい表情を向けたことなど無い。
己は主の剣で盾。
柔らかさなど必要ない。
(では行ってきますね)
そしてクオンはマロンを起こさないように静かに寝室から出て行った。
その後マロンがベッドの中でジタバタ悶えている事は知らない。
マロンはクオンが起きた段階で起きているのだ。
生活リズムまで仲良しな夫婦である。
でも寝たふりをする。
そうするとクオンが何時もより可愛い行動をしてくれるのだ。
例えば額にキスとか。
あんなに凛々しいのに、頬を緩めてマロンの額にキスをするクオン。
可愛いにも程がある。
「もう、クオンさん反則ですわ!可愛すぎます!」
頬を赤らめてマロンは呟く。
その呟きがクオンに聞こえてなくて良かった。
本当に良かった。
マロンに可愛いと思われていることをクオンが知ったら武者修行の旅にでも出ていくかもしれない。
そうすると天界全体の危機である。
全能神のストッパーになれるのはクオンだけなのである。
魔王?
アレは駄目だ、一緒に全能神とアクセルを踏んでしまう。
クオンが居なければ天界はカオスになる。
そのせいでクオンはやたらと役職が多い。
宰相・文官長・騎士団長・魔王の側近。
もはや役職のデパートである。
おっと「全能神のおもり」を忘れてはいけない。
何とも苦労が絶えない男である。
ゆえに朝の自分と家族だけの時間は宝物だ。
鍛錬を終えるといつの間にか起きていたマロンが湯と食事の用意をしてくれている。
クオンの胃を考えた優しいメニューである。
一々考えるのは面倒くさいだろうに、マロンは毎回違うメニューを出す。
1カ月の間で朝食のメニューが被る日は無い。
愛されている、そう思う瞬間である。
朝のメニューに思いをはせながらも、宮殿の外に出たクオンは剣を振るう。
己の愛剣だ。
日々の鍛錬から己の剣を振っておかないと変な癖がつきかねない。
いざと言う時、腰にさしてある愛剣は最高のパートナーでないといけない。
それが天界のナンバー2である魔王ルークを護る側近の役目だ。
剣の腕はもう主であるルークを越えている。
総体的には膨大な魔力を持っているルークのほうが強いかも知れないが、闘気を操り繰り出すクオンの剣技はルークの剣の才を越えている。
それでも鍛錬は欠かさない。
天界の王配の剣で盾。
その役目は主の伴侶の全能神ーサイヒにだって譲れるものでは無いのだ。
上に来ている上着を脱いで上半身をさらけ出し剣を振るう。
そうすると美しく付いた筋肉の動きまで見て分かる。
一目でわかる、機能的に作られた筋肉だという事が。
それは一種の美でもある。
実はクオンの鍛錬を盗み見している女も多かったりする。
気配でクオンは気付いているが、関わらない方が得策だと無視を決め込んでいる。
でもマロンが窓から見ているのには気付いていない、以外に鈍い所もある。
マロンに言わせるとソレが可愛いのだろうが。
美しく伸縮する筋肉に汗がキラキラと飛び散る。
ソコに汚さなどない。
その汗は日の光を浴びてクオンをより輝かせる。
もう女の使用人たちには刺激的すぎる眼福である。
クオンはモテるのだ。
本人だけがその事を知らない。
誰も教えないのだかから仕方ない。
鈍いクオンに余計な情報を与えるべきで無い、と皆が判断しているのだ。
クオンは不器用すぎるので、好意を寄せられても悩みの1つとなってしまうから。
仕事で誰よりもお疲れなクオンに誰もが余計な苦労を与えたくないのである。
天界の王宮で愛されまくっているクオンである。
勿論本人は知らない。
そして鍛錬が終わると庭の花を1輪だけ手折る。
その際、花にまで謝罪と礼を言う。
花を手折るクオン。
何とも絵になる。
隠しブロマイドが高レートで売買されていることをクオンだけが知らない。
そして部屋に戻ってきたクオンは、湯と食事の用意をしてくれているマロンに、そ、と1輪の花を手向けるのだ。
その朝咲いた、1番美しい花を。
花を受け取った時のマロンの幸せそうな笑顔を見るために。
全能神の庭園の花を手折る権利など今のところクオンにしかない。
そしてその花を纏う権利もマロンにしかない。
マロンはその花を髪に挿して、1日を過ごす。
夫婦そろって全能神にまで愛されているのだ。
それもクオンだけが気付いてないのだが、マロンに言わせるとそこがクオンの可愛い所の1つと言う事になるのだろう。
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