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2章
【198話】
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「まさかルークが己から部屋を出て行ったしまうとわな………」
「本当にルーク様が自分で出て行ったのか!?」
サイヒの言葉にクオンが返す。
胃の当たりを押さえているが、今は胃痛などに苦しんでいる時ではない。
己の大事な主が消えたのだ。
親離れの方がまだ良かった。
サイヒの話を聞く分に、どうやらルークは何者かに操られている可能性がある。
それもサイヒに気付かれない程巧みにルークに接触したものが裏に居ると言う事実。
血を吐いている場合では無いのだ。
「クオンさん、落ち着いて下さい。お兄様を責めても仕方ありません!それよりこの事を何処まで話して、何処まで隠すかが今決める事ではありませんか!?」
そうルークは全能神の伴侶だ。
ルークの優しい気質も相まって、『魔王』と言う立場でありながら全能神の伴侶として天界のモノには受け入れられているのだ。
それが天界に反乱を起こす不安の種になったとなると、物事が解決しても『魔王ルーク』の存在を天界はもう受け入れる事はないかも知れない。
それくらいデリケートで、かつ天界だけであらず地上にも関わる大問題なでもあるのだ。
「誰に、話すんだ?」
「何処から洩れるか分からない。子供たちにも一旦隠す」
「ドラジュ様やカマラ様にも隠すのか?」
「あの子たちがかかわらずに事が済めばそれに越したことが無い。まぁ時間がかかるとなれば話さずにはおられないであろうがな。私が全能神としての仕事を出来ないくらいの規模になると、仕事を変わって貰わねばならんから話さない訳にはいかないだろうな。
だが、今は自分の父親が世界に不穏をもたらす存在になっているなどとは知らせたくない。
私が数日出て、一気に片付けば話はソレで終わりだ………だがそう簡単にも行かんだろうが………」
「お前は相手の存在が何か勘づいているのか?」
「ほぼ本能に近いがな。まずはユラさんに話を聞かないと何とも言えん」
「ユラ様?」
「そう、相手は想像以上の大物である可能性が高い。私の勘が当たるなら、ユラさんが情報を持っているはずだ。相手はおそらく古代種が生きていた頃から存在する相手だろうからな」
クオンもマロンも声が出せなかった。
話の規模の大きさにではない。
ルークがとんでもないものに接触されたことへの不安からでもない。
サイヒが。
何時だってどんなことでも冷静で、時にふざけて何でも解決していたサイヒが。
初めて怒りの感情を露わに出していたからだ。
それ程に、ソレの存在はサイヒの怒りを買ったのだ。
サイヒの握り締めた拳から赤い血がポタポタと床に落ちる。
ソレをクオンとマロンは何も言う事が出来ずに見て居る事しか出来なかったのであった。
「本当にルーク様が自分で出て行ったのか!?」
サイヒの言葉にクオンが返す。
胃の当たりを押さえているが、今は胃痛などに苦しんでいる時ではない。
己の大事な主が消えたのだ。
親離れの方がまだ良かった。
サイヒの話を聞く分に、どうやらルークは何者かに操られている可能性がある。
それもサイヒに気付かれない程巧みにルークに接触したものが裏に居ると言う事実。
血を吐いている場合では無いのだ。
「クオンさん、落ち着いて下さい。お兄様を責めても仕方ありません!それよりこの事を何処まで話して、何処まで隠すかが今決める事ではありませんか!?」
そうルークは全能神の伴侶だ。
ルークの優しい気質も相まって、『魔王』と言う立場でありながら全能神の伴侶として天界のモノには受け入れられているのだ。
それが天界に反乱を起こす不安の種になったとなると、物事が解決しても『魔王ルーク』の存在を天界はもう受け入れる事はないかも知れない。
それくらいデリケートで、かつ天界だけであらず地上にも関わる大問題なでもあるのだ。
「誰に、話すんだ?」
「何処から洩れるか分からない。子供たちにも一旦隠す」
「ドラジュ様やカマラ様にも隠すのか?」
「あの子たちがかかわらずに事が済めばそれに越したことが無い。まぁ時間がかかるとなれば話さずにはおられないであろうがな。私が全能神としての仕事を出来ないくらいの規模になると、仕事を変わって貰わねばならんから話さない訳にはいかないだろうな。
だが、今は自分の父親が世界に不穏をもたらす存在になっているなどとは知らせたくない。
私が数日出て、一気に片付けば話はソレで終わりだ………だがそう簡単にも行かんだろうが………」
「お前は相手の存在が何か勘づいているのか?」
「ほぼ本能に近いがな。まずはユラさんに話を聞かないと何とも言えん」
「ユラ様?」
「そう、相手は想像以上の大物である可能性が高い。私の勘が当たるなら、ユラさんが情報を持っているはずだ。相手はおそらく古代種が生きていた頃から存在する相手だろうからな」
クオンもマロンも声が出せなかった。
話の規模の大きさにではない。
ルークがとんでもないものに接触されたことへの不安からでもない。
サイヒが。
何時だってどんなことでも冷静で、時にふざけて何でも解決していたサイヒが。
初めて怒りの感情を露わに出していたからだ。
それ程に、ソレの存在はサイヒの怒りを買ったのだ。
サイヒの握り締めた拳から赤い血がポタポタと床に落ちる。
ソレをクオンとマロンは何も言う事が出来ずに見て居る事しか出来なかったのであった。
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