聖女の力を姉に譲渡し国を出て行った元聖女は実は賢者でした~隣国の後宮で自重せずに生きていこうと思います~

高井繭来

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2章

【234話】

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「ミヤハル、気配は探れるか?」

「う~ん、ちょっと広いけど頑張るわ」

 鈴蘭の無茶振りにミヤハルはそう答えた。
 それを引いた顔で皆は見ている。

 駐屯所についた。
 広さはかなりある。
 生き物と言うものは小さな虫ですら生気を纏っている。
 そして鈴蘭はミヤハルにこの広い駐屯所一体の生き物の気配を探れと言ったのである。

 無茶にも程がある。
 魔術師の【ソナー】なら大体の人の気配などは分かる。
 だが調べれて数十メートルだ。
 キロに渡る規模を調べるなど無理である。

 それを鈴蘭はミヤハルにしろと言ったのだ。
 言う方も言う方だが、受け入れる方も受け入れる方だ。

 普通は無理である。
 
 鈴蘭の無茶振りは何時もの事だ。
 ただしミヤハルに限る。
 出来ると思っているからさせるのだ。
 そしてミヤハルはそれに答えて来た。
 今回も成功させるだろう。

 そしてミヤハルはもうすでに普通ではないのだ。

 だから皆引いた顔をしたのだ。
 どこまでこの少女は駆け上がるつもりなのだと。

「小さい生き物がそれなりにおるなぁ、小動物やわ。猫さんとかが逃げて来たんやろうなぁ。それと子供の気配が1つだけある」

「ふむ、1人でここで生き延びた子供か。興味があるな」

 ニヤリと鈴蘭が笑う。
 やけに迫力があるのはなんだろう。
 美形は怒ると怖いが企み笑顔も怖い物なのである。

(予感はコレだったか)

 鈴蘭はいきなり駐屯所に行く計画を立てた。
 その内行く気であったが、今はまだ騎獣に乗れる者は少ない。
 調べる範囲も広い。
 もう少しメンバーが集まったら駐屯所に来るつもりだった。
 だがいきなり予定は変わる。
 
 鈴蘭には予感がしていた。
 ここに来れば何かがひっくり返る、謎予感。

 そして鈴蘭は今は能力を封じているが本来なら神である。
 それはもう予感ではなく予知に近い物なのである。
 だから鈴蘭は駐屯所行を決行した。

「さてさて、どんな子供が出て来るであろうなぁ」

「嬉しそうだな鈴蘭」

「当然だろう、マオ。この世界で1人で生き残る子供だぞ?普通の訳が無い」

「鈴蘭が嬉しそうで何よりだ」

 マオがにっこりと笑う。
 可愛い笑顔に皆ほっこりしそうになるが、いや違うだろう!と思った。
 鈴蘭は確かに嬉しそうだが企み笑顔。
 碌な事を考えていないに違いない。
 そしてこんな笑顔をする時の鈴蘭はメンバーに無茶振りをすることが大いにある。

(((((((どうか平和的に活動が終了しますように………)))))))

 マオとミヤハル以外のメンバーの心が1つになった瞬間であった。
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