聖女として召喚されたのは双子の兄妹でしたー聖女である妹のオマケとされた片割れは国王の小姓となって王都復興を目指しますー

高井繭来

文字の大きさ
161 / 167
御使い様は学生になりました

【御使い様は嫌われる?6】

しおりを挟む
 その日の深海はえらくご機嫌だった。
 いつも楽し気に料理を作っているが、今日は鼻歌迄聞こえてくる。
 そんな姿を可愛いなぁ、なんてフィルドは思いながら見つめていた。
 そして気付いた。

「フカミちゃん、料理の量何時もより多くない?」

「ええ、今日は4人前ですから」

「4人前!?」

「4人前です」

「何で1人多いの!?」

 フィルドの背中に冷や汗が伝う。
 全くもって嫌な予感がする。
 1人前多い料理。
 機嫌のよい深海。
 そこから導き出されるのは………。

「学園で友達が出来たんですよ。その子の分です」

 ピシャァァァァァァァァァァァァンッ!!!!!!

 フィルドに電撃走る!

「と、友達出来たの………?」

「はい、可愛い子ですよ」

「お弁当作ってあげちゃうくらい仲良しさんなの………?」

「それくらいには仲良しさんですねぇ」

「可愛い子なの………?」

「可愛いですよ。連れて帰りたいくらいです」

 ピシャァァァァァァァァァァァァンッ!!!!!!!!!!!!!!

 フィルドに2度目の電流走る!!

(フカミちゃんに友達!?しかも可愛い!?それに連れて帰りたい!?ええええええそれって凄くお気に入りって事だよね!?フカミちゃんの最上級の誉め言葉は”可愛い”だからスペオキにも程があるんじゃないの!?
浮気?いや、まだ俺ともお付き合いしてないから正確には浮気じゃないけど!!俺第2夫人なんて認めないんだからねっ!!!)

 どうやらフィルドが夫人側の様である。
 それもどうなのかと思うが。

「男の子?」

「女の子です」

「フカミちゃんの事、男と思ってアプローチかけて来たとか?」

 そうであってくれとフィルドは望む。
 それなら女の深海とは恋愛対象にはならないから。
 ならない筈…だから………?

「あぁ、その子は俺の性別知ってますよ。その上で仲良しさんです」

 正確にはギブ&テイクな間柄だが、まぁ仲良しでも間違いはない。

(ええええええええ何で!何でフカミちゃんの性別が女の子だって知ってるの!?見たの?フカミちゃんの胸見たの!?俺もまだ生で見た事ないのに!!!
つーかどう言う状況で性別バレしたの!?脱いだの?フカミちゃんその子の前で脱いじゃったの!?)

 フィルドが頭を抱えて部屋の隅で悶絶している。
 ソレをルナトーは楽しそうな眼差しで見ていた。

(やっぱり恋に当て馬は付き物よね~♡次の新刊は可愛い系の当て馬用意しちゃおうっと♡)

 相変わらず煩悩塗れの巫女である。
 それで良いのかカカンの巫女………。

「はい、昼食4人分完成。ココ置いておくのでお腹空いたら食べて下さいね~、じゃ、俺学園に向かいますんで」

「は~い、いってらっしゃ~い♡」

 ルナトーは手を振り振りして見送り。
 その間ずっとフィルドは壁に頭を打ち付けながら「フカミちゃんの浮気者~浮気者~(ENDLESS)」と呟いていたらしい。

 今日も朝から平和な光景である。
しおりを挟む
感想 213

あなたにおすすめの小説

存在感のない聖女が姿を消した後 [完]

風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは 永く仕えた国を捨てた。 何故って? それは新たに現れた聖女が ヒロインだったから。 ディアターナは いつの日からか新聖女と比べられ 人々の心が離れていった事を悟った。 もう私の役目は終わったわ… 神託を受けたディアターナは 手紙を残して消えた。 残された国は天災に見舞われ てしまった。 しかし聖女は戻る事はなかった。 ディアターナは西帝国にて 初代聖女のコリーアンナに出会い 運命を切り開いて 自分自身の幸せをみつけるのだった。

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

聖女の力を隠して塩対応していたら追放されたので冒険者になろうと思います

登龍乃月
ファンタジー
「フィリア! お前のような卑怯な女はいらん! 即刻国から出てゆくがいい!」 「え? いいんですか?」  聖女候補の一人である私、フィリアは王国の皇太子の嫁候補の一人でもあった。  聖女となった者が皇太子の妻となる。  そんな話が持ち上がり、私が嫁兼聖女候補に入ったと知らされた時は絶望だった。  皇太子はデブだし臭いし歯磨きもしない見てくれ最悪のニキビ顔、性格は傲慢でわがまま厚顔無恥の最悪を極める、そのくせプライド高いナルシスト。  私の一番嫌いなタイプだった。  ある日聖女の力に目覚めてしまった私、しかし皇太子の嫁になるなんて死んでも嫌だったので一生懸命その力を隠し、皇太子から嫌われるよう塩対応を続けていた。  そんなある日、冤罪をかけられた私はなんと国外追放。  やった!   これで最悪な責務から解放された!  隣の国に流れ着いた私はたまたま出会った冒険者バルトにスカウトされ、冒険者として新たな人生のスタートを切る事になった。  そして真の聖女たるフィリアが消えたことにより、彼女が無自覚に張っていた退魔の結界が消え、皇太子や城に様々な災厄が降りかかっていくのであった。 2025/9/29 追記開始しました。毎日更新は難しいですが気長にお待ちください。

召喚失敗!?いや、私聖女みたいなんですけど・・・まぁいっか。

SaToo
ファンタジー
聖女を召喚しておいてお前は聖女じゃないって、それはなくない? その魔道具、私の力量りきれてないよ?まぁ聖女じゃないっていうならそれでもいいけど。 ってなんで地下牢に閉じ込められてるんだろ…。 せっかく異世界に来たんだから、世界中を旅したいよ。 こんなところさっさと抜け出して、旅に出ますか。

「魔道具の燃料でしかない」と言われた聖女が追い出されたので、結界は消えます

七辻ゆゆ
ファンタジー
聖女ミュゼの仕事は魔道具に力を注ぐだけだ。そうして国を覆う大結界が発動している。 「ルーチェは魔道具に力を注げる上、癒やしの力まで持っている、まさに聖女だ。燃料でしかない平民のおまえとは比べようもない」 そう言われて、ミュゼは城を追い出された。 しかし城から出たことのなかったミュゼが外の世界に恐怖した結果、自力で結界を張れるようになっていた。 そしてミュゼが力を注がなくなった大結界は力を失い……

追放された偽物聖女は、辺境の村でひっそり暮らしている

潮海璃月
ファンタジー
辺境の村で人々のために薬を作って暮らすリサは“聖女”と呼ばれている。その噂を聞きつけた騎士団の数人が現れ、あらゆる疾病を治療する万能の力を持つ聖女を連れて行くべく強引な手段に出ようとする中、騎士団長が割って入る──どうせ聖女のようだと称えられているに過ぎないと。ぶっきらぼうながらも親切な騎士団長に惹かれていくリサは、しかし実は数年前に“偽物聖女”と帝都を追われたクラリッサであった。

私はもう必要ないらしいので、国を護る秘術を解くことにした〜気づいた頃には、もう遅いですよ?〜

AK
ファンタジー
ランドロール公爵家は、数百年前に王国を大地震の脅威から護った『要の巫女』の子孫として王国に名を残している。 そして15歳になったリシア・ランドロールも一族の慣しに従って『要の巫女』の座を受け継ぐこととなる。 さらに王太子がリシアを婚約者に選んだことで二人は婚約を結ぶことが決定した。 しかし本物の巫女としての力を持っていたのは初代のみで、それ以降はただ形式上の祈りを捧げる名ばかりの巫女ばかりであった。 それ故に時代とともにランドロール公爵家を敬う者は減っていき、遂に王太子アストラはリシアとの婚約破棄を宣言すると共にランドロール家の爵位を剥奪する事を決定してしまう。 だが彼らは知らなかった。リシアこそが初代『要の巫女』の生まれ変わりであり、これから王国で発生する大地震を予兆し鎮めていたと言う事実を。 そして「もう私は必要ないんですよね?」と、そっと術を解き、リシアは国を後にする決意をするのだった。 ※小説家になろう・カクヨムにも同タイトルで投稿しています。

【完結】赤ちゃんが生まれたら殺されるようです

白崎りか
恋愛
もうすぐ赤ちゃんが生まれる。 ドレスの上から、ふくらんだお腹をなでる。 「はやく出ておいで。私の赤ちゃん」 ある日、アリシアは見てしまう。 夫が、ベッドの上で、メイドと口づけをしているのを! 「どうして、メイドのお腹にも、赤ちゃんがいるの?!」 「赤ちゃんが生まれたら、私は殺されるの?」 夫とメイドは、アリシアの殺害を計画していた。 自分たちの子供を跡継ぎにして、辺境伯家を乗っ取ろうとしているのだ。 ドラゴンの力で、前世の記憶を取り戻したアリシアは、自由を手に入れるために裁判で戦う。 ※1話と2話は短編版と内容は同じですが、設定を少し変えています。

処理中です...