聖女として召喚されたのは双子の兄妹でしたー聖女である妹のオマケとされた片割れは国王の小姓となって王都復興を目指しますー

高井繭来

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御使い様は学生になりました

【御使い様は嫌われる?4】

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「ソコのお嬢さん、もしかしてお腹を空かしていますか?」

 お腹を押さえて涎を垂らしながら深海の持っているクロワッサンを凝視するえらく華奢な少女に深海は声をかけた。

「あぅあぅ、ごめんなさい~~~~~!!!」

 顔が赤くなっている。
 お腹の音と涎が恥ずかしかったらしい。

(制服が草臥れているな。洗い替えが無いのか?ソレに細過ぎる体、荒れた肌、艶のないパサパサの髪…栄養失調だな。クロイツ王立医学学院に通っているのに金がないのか?)

「良ければ食べますか?」

「い!良いの―――――っ!!」

「まぁ1個くらい分けますよ」

「あああああああああああああああ有難うございます――――――――――――っ!!!」

 ずざぁぁぁあっ、少女がスライディング土下座をしながら深海に近づいた。
 
 流石に深海も驚き怯んだ。
 が、目をウルウルさせながらウットリとクロワッサンを見られれば渡さない訳にはいかない。
 先に「食べるか?」と聞いたのは深海であるのだから。

「取り合えずその椅子に座って下さい。土下座したままあげるのは施しをしているようで気分が良くないですから。はい、これをどうぞ」

「ありがとうざいます~~~~っ!!!」

 バッと、野生の動物のように深海の手からクロワッサンを奪い、大きく口を開けて少女は食らいついた。

「んんんんんんんんんんっ!!!」

「ど、どうしました?」

「んおいひぃ―――――――――――――――っ!!!!!」

「おいひぃ!おいひぃ!おいひぃ!おいひぃ!おいひぃ!おいひぃ!おいひぃ!おいひぃ!おいひぃ!おいひぃ!おいひぃ!おいひぃ!おいひぃ!おいひぃ!おいひぃ!おいひぃ!」

 一口食べては「美味しい」と涙を流す少女。
 感涙しているらしい。
 「美味しい美味しい」とまるで何処ぞの炎柱のようである。
 いや、何処ぞの炎柱は威厳がしっかりあったが。
 しかも尊い方だった。
 8回もシネマに通った。
 ストーリー全部覚えているのに書き手は毎回滂沱の涙を流した。
 本当に尊いお方だった。
 7月18日の最終章の映画が楽しみで仕方ない。
 きっと又泣くんだろうなぁ~と分かっているが、本紙で追っかけてた組だから内容全部知っているが、それでも絶対泣く!
 何なら何度も通って涙活状態になるだろう。
 あぁ本当に楽しみで仕方がない!!

 閑話休題

「こんな美味しい物食べたの生まれて初めてです――――っ!!」

「それは良かったです。作った甲斐がありました」

「貴方がお作りになったのですか!?」

「まぁ料理もちょっとした趣味ですので」

「貴方!天才です!!こんな美味しい物作れるなんて大陸随一の料理人に間違いありません!!」

「いや、俺は医者になりたいんですが………」

「そんなぁ、勿体無い~~~~~っ………」

 ゴトン、と頭を机に突っ伏す少女。
 かなり大きい音がしたが額は大丈夫であろうか?

「そんなに美味しかったですか?」

「はいっ(`・ω・´)!!!」

 ガバッ、と少女が頭を上げた。
 その真っ直ぐな瞳に、深海は何だか気が抜けてしまった。

「じゃぁ明日も何か作りましょうか?」

「えええええええええええええ良いんですか――――――――――――――――――っ!!!」

「そんなに美味しそうに食べてくれるなら作りがいがありますよ。まぁ3人前も4人前も手間は同じですし」

 眼をキラキラさせていた少女だが、途端に俯いた。

「でも、無理です……」

「好き嫌いがおありで?」

「いえ、食べれるモノは何でも好きです………その、ご飯を貰う見返りがないんです…うち、貧乏なんで」

 王立学院はかなり学費がかかる。
 庶民が入れるところでは無いのだが。
 目の前の少女、みすぼらしい身なり、栄養失調が顕著に現れている見た目。間違いなくこの少女は庶民であろう…しかも貧民と見られる。

「もしかして特待生ですか?」

「はい………」

 少女は項垂れながら深海の問いに返事をしたのだった。

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