顔を焼かれ妹に荒野に捨てられた公爵令嬢、その身を偽り皇太子の護衛として王国へと帰還する

高井繭来

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【47話】

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 ドレスコードは、格式が高い順に「正礼装」、「準礼装」、「略礼装」と3つに分けられます。イブニングドレスは正礼装に分類され、洋装のなかではもっとも格式が高い女性の服装になります。
 
 正礼装といっても、時間帯によって選ぶべきドレスの種類は違います。
 イブニングドレスは夜会服ともよばれ、男性のテールコートとペアで着られることが多く、晩餐会や舞踏会、ソワレなど夜のイベントにふさわしいドレスです。
 ドレスを着る時間帯としては、18時以降がよいでしょう。
 一方、昼間であれば、肌の露出が少なくデザインも抑えめな、アフタヌーンドレスを選ぶのがマナーとして正解です。
 アフタヌーンドレスは、男性のモーニングコートとペアで着られることが多いドレスです。
  一方、夕方から夜のパーティーでは、露出が多めできらびやかなドレスが好まれます。
 17~18時頃にはカクテルドレスを、そして、それ以降の時間帯に着るのがイブニングドレスです。
 ドレスコードが正礼装の際は、時間帯を確認してからドレスの準備を始めます。

 イブニングドレスの特徴は、華やかさです。
 昼間に着るアフタヌーンドレスとは、大きく印象が異なります。
 まず、肌の見せ具合に注目してみましょう。アフタヌーンドレスを着用するときは、露出を抑えてエレガントな雰囲気に仕上げます。
 したがって、首元や背中を見せず、袖も長めのドレスが一般的といえるでしょう。
 一方、イブニングドレスでは、大胆に肌を見せる方が好まれます。
 ベアトップやホルターネックなどで肩を露出させているもの、胸元や背中まで大きく開いたゴージャスなものが多いです。

 裾の長さもイブニングドレスの特徴といえます。裾を引きずるほどの長い丈もあれば、ヒールを履いた状態で床にふれるくらいの長さのもの、足の甲やくるぶしくらいの長さのものまで、さまざまです。

 イブニングドレスには、さまざまな色があります。
 青や紫、赤のような濃い色味から、パステルカラーや白などの淡い色味までバリエーション豊かです。
 人気なのは、濃い色味のドレスでしょう。
 特に、結婚式のゲストに呼ばれている場合は、白、またはそれに近い色味のドレスは避けなければなりません。
 かねてから白は花嫁の色とされ、ゲストが白いドレスを着ることはマナー違反とされているためです。
 ベージュやアイボリーなども、照明の加減によっては白に見えることもあるので、控えたほうがよいでしょう。

 デザインは、シンプルなものが好まれます。キャラクターやロゴなどはもちろんのこと、子どもっぽく見られる個性の強い柄物も避けたほうがよいでしょう。
 無地のドレスをベースに、アクセサリーやヘアスタイルなどで華やかにコーディネートするのがおすすめです。

 今日の私の青は皇太子様の色ですね。

 アクセサリーのマナーは、時間帯によって異なります。
 昼間は控えめで小ぶりなもの、一方、夜はゴージャスなものが求められます。
 大きな宝石類やゴールドなど、きらびやかなアクセサリーで着飾りましょう。
 また、必ずしも本物のアクセサリーを用意しなくても大丈夫です。イミテーションでも良いので、華やかなものを用意しましょう。
 イブニングドレスは肌を大胆に見せるデザインなので、何もアクセサリーをつけないと寂しい印象になってしまいます。
 特に、胸元が大きく空いているので、ネックレスは欠かせません。おすすめなのは、イヤリング(またはピアス)とネックレスをセットにすることです。

 装飾品をパートナーの瞳の色に合わせたりする者ですが、皇太子様は薄みは違えど髪も瞳も青色です。
 空の青と海の碧のような違いがありますが、青のドレスを着ているなら別の色の装飾品をつける方が良いでしょう。
 神様はゴールドの装飾品を用意して下さいました。
 
 薔薇モチーフのガーランドネックレスです。
 美しいガーランドモチーフがふっくらと横に並んで垂れ下がり、その上部には内側にダイヤモンドが埋め込まれた三日月型のモチーフが並びます。
 各ガーランドの間にはリボンが垂れ、そっこから3つの薔薇モチーフが縦にストンと垂れます。
 1つの面積の中に薔薇、リボン、月がバランスよく配された、魅力的な構図です。
 三日月の中のダイヤモンドが各5石ずつ入っています。
 全てローズカットにされていて、この部分は外縁にミルグレインが打たれています。
 銀のように見えますが、いわゆるグレイゴールドと呼ばれる初期の頃のホワイトゴールドです。

 ピアスはアールヌーボー薔薇ゴールドピアスです。
 花弁や葉、すべてが金細工で表現されています。
 薔薇は左右それぞれ2つ、描かれています。
 花びらの重なり合う様子が、ゴールドの造形によって表現されています。
 花びらはなだらかな曲線がつけられた薄い金板を巧みに重ね合わせることで作られています。
 葉の造形美も素晴らしく、葉の表面には細かい模様と葉脈の様にラインが付けられています。
 そして葉は艶消しが施されていて、他の部分よりワントーン明るいグリーンゴールドが用いられています。
 金という基本的には硬い素材で、みずみずしい植物の一瞬を捉えていることに驚かされます。
 葉っぱが花が下で、茎部分が上になっている構造になっていることに気づかれるでしょう。
 通常、葉っぱの上に花がありますが、逆向きになっているのです。
 これはもちろん間違いではありません。
 この向きの方が花が揺れて美しく垂れる様が伝わります。

 イブニングドレスでは手袋をつけるので指輪はつけません。
 私が初めての指輪は皇太子様から貰いたい、なんて夢があるからです。

 身だしなみを整えて、扉を開けて待っていてくれていた皇太子様の方へ向かいます。
 その頬が赤く染まっているのは私に魅了されたと思って良いですか?

 耳まで赤いのが可愛いですね。

 私は赤くなった皇太子様が差し出してくれた手を取り、王族専用の食堂へと向かうのでした。
 ポリフォニーでなく、私で赤くなってくれた事に少し満足した事は私だけの秘密であります。
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