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「オラァッ!!」
おおよそ淑女が発する事のない雄叫びがルーシュの口から発せられた。
15年間男として育ったので勘弁いただきたい。
「30階でグリフォンが出てくるとか中々のダンジョンなんな!でもオグリとも手合わせしてる私に死角なーし!!」
「このような雑魚とオグリを一緒にしないで欲しいのじゃ」
地下に潜るタイプのダンジョンと言っても1階辺りが物凄く広い。
少なくとも飛ぶ魔物が根城にしている階層がある程度には。
そして30階の主はグリフォンであった。
まっこと、ルーシュとルインにとっては見慣れた姿である。
身体強化で己の膂力を限界まで引き上げたルーシュが地を蹴る。
空中のグリフォンにも届くその跳躍力にグリフォンも度肝を抜かれた。
「ルラァッ!!」
空中で剣を振るう。
足場がなくとも剣を自在に操れるほどにルーシュの体幹は鍛えられており、剣技は研ぎ澄まされていた。
刃がグリフォンの翼を切る。
根元ではなく今後支障のないように飛べなくする程度だ。
ルーシュは魔物退治しに来た訳では無いのだ。
グリフォンの命に係ることはしない。
キィィィィィィッ
グリフォンの1体が風の魔術を飛ばす。
ゴウッ
ルインのブレスが風を飲み込んで、そのまま風魔術を使ったグリフォンをも飲み込んだ。
「ルインさん、もちょっと加減出来んのか?」
「オグリに似ている癖に妾に殺気を向けてくるので腹が立つのじゃ」
「成程、でも殺さんといてね……」
「まぁオグリはこ奴等とは比べ物にならぬほど強く美しいがな。のう、主殿」
「うん、まぁそーね」
(あれ、私惚気られてないか?)
使い魔に惚気られる。
主としては如何なものであろうか…。
だが確かに野生のグリフォンに比べるとオグリは格段に美しい、
純白の羽にラベンダーの瞳。
顔立ちももっと柔和で神が天から遣わした存在と言われても納得する。
アンドュアイスの法力の性質が余程良かったのであろう。
法力で育ったからと言って誰もがオグリの様に美しくなる訳では無いのだ。
なので、そんなオグリに求婚されているルインが気分よく惚気たくなるのも分かる。
(いや、私だってアンドュアイス様に求婚されてるし、こ、ここここ婚約者だしな)
アンドゥアイスの事を思って1人で100面相するルーシュをルインが生暖かい目で見ていた。
「主殿、顔が溶けとるのじゃ…」
「はっ、そうだった!戦闘中戦闘中!!」
ルーシュの目に闘気が戻る。
「殺されたくなかったら貯め込んだ宝全部持って来てちょーだいね!死にたくなかったらね!!」
ギラギラとしたルーシュの双眸で睨みつけられた若いグリフォンは失禁している個体すら居た。
高位の魔物に恐怖を与える。
それ程にルーシュは戦闘においては優秀であり、またバトルジャンキーであった。
しかし、強盗殺人の様な真似はしたくないと言っていたが、いま行っているのは殺人はしないが強盗そのものだ。
勝手に他者のテリトリーに入って来て宝を強奪する。
矛盾しているがルーシュ的には負けたモノは無条件降伏するのが闘いと言うモノだと思っているので、これは罪にはならないらしい。
(アンドゥアイス殿に求婚されてから雌らしくなってきたかと思ったが、やはり主殿は戦闘馬鹿なのじゃ)
微妙にオグリに似ているグリフォンの群れにブレスを吹きながら、ルーシュと見事なコンビネーションでグリフォンを地に落としていきながらルインは思った。
ルーシュが女子力でルインに負ける日も近いかもしれない………。
おおよそ淑女が発する事のない雄叫びがルーシュの口から発せられた。
15年間男として育ったので勘弁いただきたい。
「30階でグリフォンが出てくるとか中々のダンジョンなんな!でもオグリとも手合わせしてる私に死角なーし!!」
「このような雑魚とオグリを一緒にしないで欲しいのじゃ」
地下に潜るタイプのダンジョンと言っても1階辺りが物凄く広い。
少なくとも飛ぶ魔物が根城にしている階層がある程度には。
そして30階の主はグリフォンであった。
まっこと、ルーシュとルインにとっては見慣れた姿である。
身体強化で己の膂力を限界まで引き上げたルーシュが地を蹴る。
空中のグリフォンにも届くその跳躍力にグリフォンも度肝を抜かれた。
「ルラァッ!!」
空中で剣を振るう。
足場がなくとも剣を自在に操れるほどにルーシュの体幹は鍛えられており、剣技は研ぎ澄まされていた。
刃がグリフォンの翼を切る。
根元ではなく今後支障のないように飛べなくする程度だ。
ルーシュは魔物退治しに来た訳では無いのだ。
グリフォンの命に係ることはしない。
キィィィィィィッ
グリフォンの1体が風の魔術を飛ばす。
ゴウッ
ルインのブレスが風を飲み込んで、そのまま風魔術を使ったグリフォンをも飲み込んだ。
「ルインさん、もちょっと加減出来んのか?」
「オグリに似ている癖に妾に殺気を向けてくるので腹が立つのじゃ」
「成程、でも殺さんといてね……」
「まぁオグリはこ奴等とは比べ物にならぬほど強く美しいがな。のう、主殿」
「うん、まぁそーね」
(あれ、私惚気られてないか?)
使い魔に惚気られる。
主としては如何なものであろうか…。
だが確かに野生のグリフォンに比べるとオグリは格段に美しい、
純白の羽にラベンダーの瞳。
顔立ちももっと柔和で神が天から遣わした存在と言われても納得する。
アンドュアイスの法力の性質が余程良かったのであろう。
法力で育ったからと言って誰もがオグリの様に美しくなる訳では無いのだ。
なので、そんなオグリに求婚されているルインが気分よく惚気たくなるのも分かる。
(いや、私だってアンドュアイス様に求婚されてるし、こ、ここここ婚約者だしな)
アンドゥアイスの事を思って1人で100面相するルーシュをルインが生暖かい目で見ていた。
「主殿、顔が溶けとるのじゃ…」
「はっ、そうだった!戦闘中戦闘中!!」
ルーシュの目に闘気が戻る。
「殺されたくなかったら貯め込んだ宝全部持って来てちょーだいね!死にたくなかったらね!!」
ギラギラとしたルーシュの双眸で睨みつけられた若いグリフォンは失禁している個体すら居た。
高位の魔物に恐怖を与える。
それ程にルーシュは戦闘においては優秀であり、またバトルジャンキーであった。
しかし、強盗殺人の様な真似はしたくないと言っていたが、いま行っているのは殺人はしないが強盗そのものだ。
勝手に他者のテリトリーに入って来て宝を強奪する。
矛盾しているがルーシュ的には負けたモノは無条件降伏するのが闘いと言うモノだと思っているので、これは罪にはならないらしい。
(アンドゥアイス殿に求婚されてから雌らしくなってきたかと思ったが、やはり主殿は戦闘馬鹿なのじゃ)
微妙にオグリに似ているグリフォンの群れにブレスを吹きながら、ルーシュと見事なコンビネーションでグリフォンを地に落としていきながらルインは思った。
ルーシュが女子力でルインに負ける日も近いかもしれない………。
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