44 / 109
42
しおりを挟む
「40階到ー着!」
リュックタイプのマジックバックには魔物から強奪した金銀財宝がしこたま詰め込まれている。
やはりこの行為は強盗では無いだろうか?
ルインは思った。
「40回が最下層じゃないってことはこのダンジョン相当深いな」
「腕が鳴るのじゃ」
「の、前にランチタイムね」
「戦闘狂の上に食いしん坊。主殿、後2年で王妃教育間に合うのかえ?」
「う”っ頑張る」
眼が泳いでいる。
相当に自信がないらしい。
アンドュアイスはルーシュにはのびのびして欲しいので王妃としての仕事で束縛はしたくないのだが、何せ帝国に嫁ぐのだ。
大陸1の大帝国の王妃だ。
嫁に出す方の立場からしたら恥をかかす訳にはいけないのでルーシュの特訓にも精が出ると言うモノだ。
性別を抜きにすればちゃんと公爵家に育っただけあってマナーは意外と完璧だったりする。
だが騎士をしていた為に政にはさっぱりなのだ。
分からない所が分からない。
勉強でも良くある奴だ。
簡単に言うとルーシュは既に詰んでいる。
本当に後2年でどうにかなるのだろうか…。
「ま、まぁ取り合えず飯食べようよルインさん」
「メニューは?」
「シスターハナベーグル」
「フレイムアーチャはアホしか居ないのじゃ」
「私だって買いたくないよ?でもコレが1番携帯食に向いている上に栄養満点で美味しい訳よ!ダンジョンに潜るんだから、この際プライドは捨てて来た訳ね!」
ルインの言葉にルーシュが必死に弁解する。
だが確かに美味しそうなベーグルだ。
まずはビアリーベーグル。
甘めのかぼちゃ餡入りで生地はサクッと軽め。
ビアリーは茹でずに焼いたベーグルなので食感が通常のベーグルとはだいぶ違う。
モキュモキュモキュ
食べる手が止まらない。
次にいちじくクルミベーグル。
バリッと皮がクリスピーなのが特徴。
イチジクとクルミの香ばしさが最高。
そしてシナモンレーズンベーグル。
ツヤッ、ピカッなこのお肌、むっちりした生地、で10代のお肌のような若々しさがある。
酵母の生地で粉の甘みも素晴らしい。
「確かに美味いのじゃ」
「うん、どんどんレパートリー増えるし美味しくなるんだよね…シスターハナシリーズ………。あ、でもサイヒが今は全能神だから教会で作るのは間違いではない、のか?」
「難しい所なのじゃ…まさかあの時は神になるなぞ妾も想像して無かったのじゃ……」
「そしてルインさんに悲報、食べた後は水分補給もしっかりと!シスターハナドリンクねん」
「遂に飲み物にまで!?」
「でもコレ飲みやすいのよ。成分が汗と一緒らしくて甘み合ってほんのり酸っぱみあってグイグイ飲める上に疲れがとれる」
「ん~アルコールで無いのは残念じゃが、コレは確かに疲れた体に優しいのじゃ」
所謂スポーツドリンクである。
現在フレイムアーチャの王宮の騎士や兵士たちも愛飲している。
運動の後はしっかり水分取らないと脱水症状になる。
このドリンクを飲み始めたら倒れる兵も減った。
まさに教会様様。
シスターハナ様様なのだ。
神のご加護って素晴らしい。
「さて、夕食には戻りたいから飛ばしますかルインさん!」
「了解なのじゃ!」
元気満点でダンジョンの最下層69階までを踏破し、この日ルーシュは見事ダンジョンの記録を塗り破った。
たんまり質の良い魔鉱石も取れて、後は誰にどう魔鉱石の加工を頼むかと言う問題だけが残された。
リュックタイプのマジックバックには魔物から強奪した金銀財宝がしこたま詰め込まれている。
やはりこの行為は強盗では無いだろうか?
ルインは思った。
「40回が最下層じゃないってことはこのダンジョン相当深いな」
「腕が鳴るのじゃ」
「の、前にランチタイムね」
「戦闘狂の上に食いしん坊。主殿、後2年で王妃教育間に合うのかえ?」
「う”っ頑張る」
眼が泳いでいる。
相当に自信がないらしい。
アンドュアイスはルーシュにはのびのびして欲しいので王妃としての仕事で束縛はしたくないのだが、何せ帝国に嫁ぐのだ。
大陸1の大帝国の王妃だ。
嫁に出す方の立場からしたら恥をかかす訳にはいけないのでルーシュの特訓にも精が出ると言うモノだ。
性別を抜きにすればちゃんと公爵家に育っただけあってマナーは意外と完璧だったりする。
だが騎士をしていた為に政にはさっぱりなのだ。
分からない所が分からない。
勉強でも良くある奴だ。
簡単に言うとルーシュは既に詰んでいる。
本当に後2年でどうにかなるのだろうか…。
「ま、まぁ取り合えず飯食べようよルインさん」
「メニューは?」
「シスターハナベーグル」
「フレイムアーチャはアホしか居ないのじゃ」
「私だって買いたくないよ?でもコレが1番携帯食に向いている上に栄養満点で美味しい訳よ!ダンジョンに潜るんだから、この際プライドは捨てて来た訳ね!」
ルインの言葉にルーシュが必死に弁解する。
だが確かに美味しそうなベーグルだ。
まずはビアリーベーグル。
甘めのかぼちゃ餡入りで生地はサクッと軽め。
ビアリーは茹でずに焼いたベーグルなので食感が通常のベーグルとはだいぶ違う。
モキュモキュモキュ
食べる手が止まらない。
次にいちじくクルミベーグル。
バリッと皮がクリスピーなのが特徴。
イチジクとクルミの香ばしさが最高。
そしてシナモンレーズンベーグル。
ツヤッ、ピカッなこのお肌、むっちりした生地、で10代のお肌のような若々しさがある。
酵母の生地で粉の甘みも素晴らしい。
「確かに美味いのじゃ」
「うん、どんどんレパートリー増えるし美味しくなるんだよね…シスターハナシリーズ………。あ、でもサイヒが今は全能神だから教会で作るのは間違いではない、のか?」
「難しい所なのじゃ…まさかあの時は神になるなぞ妾も想像して無かったのじゃ……」
「そしてルインさんに悲報、食べた後は水分補給もしっかりと!シスターハナドリンクねん」
「遂に飲み物にまで!?」
「でもコレ飲みやすいのよ。成分が汗と一緒らしくて甘み合ってほんのり酸っぱみあってグイグイ飲める上に疲れがとれる」
「ん~アルコールで無いのは残念じゃが、コレは確かに疲れた体に優しいのじゃ」
所謂スポーツドリンクである。
現在フレイムアーチャの王宮の騎士や兵士たちも愛飲している。
運動の後はしっかり水分取らないと脱水症状になる。
このドリンクを飲み始めたら倒れる兵も減った。
まさに教会様様。
シスターハナ様様なのだ。
神のご加護って素晴らしい。
「さて、夕食には戻りたいから飛ばしますかルインさん!」
「了解なのじゃ!」
元気満点でダンジョンの最下層69階までを踏破し、この日ルーシュは見事ダンジョンの記録を塗り破った。
たんまり質の良い魔鉱石も取れて、後は誰にどう魔鉱石の加工を頼むかと言う問題だけが残された。
2
あなたにおすすめの小説
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~
北条新九郎
ファンタジー
三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。
父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。
ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。
彼の職業は………………ただの門番である。
そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。
ブックマーク・評価、宜しくお願いします。
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
【完結】転生したら悪役継母でした
入魚ひえん@発売中◆巻き戻り冤罪令嬢◆
恋愛
聖女を優先する夫に避けられていたアルージュ。
その夜、夫が初めて寝室にやってきて命じたのは「聖女の隠し子を匿え」という理不尽なものだった。
しかも隠し子は、夫と同じ髪の色。
絶望するアルージュはよろめいて鏡にぶつかり、前世に読んだウェブ小説の悪妻に転生していることを思い出す。
記憶を取り戻すと、七年間も苦しんだ夫への愛は綺麗さっぱり消えた。
夫に奪われていたもの、不正の事実を着々と精算していく。
◆愛されない悪妻が前世を思い出して転身したら、可愛い継子や最強の旦那様ができて、転生前の知識でスイーツやグルメ、家電を再現していく、異世界転生ファンタジー!◆
*旧題:転生したら悪妻でした
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる