男として育てられた公爵家の令嬢は聖女の侍女として第2の人生を歩み始めましたー友人経由で何故か帝国の王子にアプローチされておりますー

高井繭来

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本編で語られなかったイチャラブ事情

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「アンドュ様ご機嫌ですね」

 思わず聞いてしまう位にアンドュアイスはご機嫌だった。
 機嫌の良さそうな表情は、静かにしていれば美しすぎて凍り付きそうな程冷たさを孕んだ顔立ちを柔らかく見せる。
 通り過ぎる度、老若男女が腰を砕けさせている。
 仕方ない。
 アンドュアイスは黙っていれば色気の塊なのである。
 喋っても皇太子モードなら色気の塊。
 ワンコモードは可愛さの塊だ。

 人誑しにも程がある。

 それに普通(?)に付き合えているルーシュの方がおかしいのである。
 まぁ色気の塊の権化ともいえる存在が心友ですし?
 いまさらちょっとの色気では動じない。

 どちらかと言うと色気の塊より可愛いの塊のアンドュアイスに弱い気がする。
 心友は可愛さは無いからそのせいだろう。
 綺麗には何とか耐えれても、可愛いにルーシュはとことん弱い。
 ちなみにアンドュアイス限定。

 女の子が良く可愛いと言うようなものに興味はない。

 物心つく前から剣を持っていたのだ。
 縫いぐるみもフリルもリボンもルーシュは子供の頃から興味が無かった。
 今でも可愛いものにそんなに興味は惹かれない。
 しいて言うなれば動物の可愛さは純粋に可愛いと思う。
 心友の猫愛は愛情をきたしていると思うが、動物を可愛いと思うのは理解できる。

 だが、この隣の生き物は何なんだ。
 可愛い過ぎる。
 ニコニコし過ぎじゃないか?
 ほら通りすがった女の子が壁ドンをしているぞ。
 腰の曲がった婆さんの背筋が伸びたぞ。
 厳つい親父が頬を染めたぞ。
 可愛すぎるのも罪である。

 動物なら理性が勝つ。
 だがアンドュアイスの可愛さはルーシュのストライクど真ん中なのだ。
 可愛いにも程がある。

「あのね、何時もは横に並んで歩くだけだけど、今日はルーシュと手を繋いで歩けるから嬉しいんだぁ~♡」

「ん”ん”っ!!!」

 ニッコーと太陽の如き笑顔。
 眩しすぎて直視できない。
 可愛すぎるか!
 辺りが騒めいている。
 どうやら倒れるものまで出始めたらしい。

 顔から煙を出しただけで堪えたルーシュを皆褒めてあげて欲しい。

 それにしてもアンドュアイスの可愛さがルーシュと交際を始めてから留まる事を知らない進化を遂げているので、全能神様何とかして下さい、ルーシュは心の底から世界一偉い心友に願ったのであった。
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