83 / 109
本編で語られなかったイチャラブ事情
78
しおりを挟む
「ガフティラベル帝国皇太子アンドュアイスだ」
「前聖女サイヒ様からの通達は受けています。どうぞお通り下さい」
門番の頬が赤い。
皇太子然としているアンドュアイスは男齎し込む美丈夫だ。
隣で手を繋いでいるルーシュもドキドキが止まらない。
門番さん気持ちわかるよ。
こんなイケメンに話しかけられたら赤面もしますわな。
しかも声も無茶苦茶美声のテノールだし腰にクル。
ここで腰を抜かすと心友に馬鹿にされるので根性で耐える。
「ルーシュー問題なく城の中に入れたね~」
「ん”ん”」
いきなり可愛い雰囲気にモードチェンジは止めて欲しい。
心臓が止まりかけたではないか。
享年16歳になるとこであった。
「やっぱりサイヒは凄いね~」
「まぁ一応前、カカンの聖女ですからね。そのカカンも前聖女が全能神になったなんて思いもしてないでしょうけど」
「え、カカンの人知らないの?」
「お姉様のマーガレット様と伴侶のローズ王太子は知っていますよ。結婚式も来てましたし」
「サイヒのお父さんとお母さんは?」
「あんまり仲良くないみたいですね。と言うか互いに興味が無いと言う感じです」
「何で………?」
アンドュアイスがしょんぼりとする。
イマジナリーな犬耳尻尾はたらんと垂れている。
あぁこの人の悲しそうな顔をみるのは辛いな、そうルーシュは思う。
こんな感情知らない。
誰かが泣いたらこんなに胸が締め付けられるなんて。
だから無意識にルーシュの身体が動いた。
グイ、とアンドュアイスの頭を胸に抱え込んだ。
「え、ルーシュ?」
「あ、すみません…でも、泣くのかと思って、無意識に体が動きました」
離さないといけないと分かっているのに体が勝手に動く。
何故頭を放さないどころか片手でその金糸を撫でる私の手!?
(髪、さらさらだなぁ…アンドュ様嫌がらない、こういう時は自分の胸が無くいてホントに良かったて思うな。アンドゥ様女の胸嫌いだからなぁ)
(ルーシュの心臓の音、落ち着くなぁ…小さいけど柔らかい胸も気持ちイイ、ずっとこうしていたいなぁ…女の人にこんなに引っ付きたいと思うなんて初めてだな………)
「サイヒには」
「ん?」
「サイヒにはルーク様が居ます。アンドュ様も私も居ます。サイヒは寂しくないですよ」
「そうだね、で、何時までこの格好でいて良いの?周りに見られても大丈夫?」
「だだだだだだだだだだ駄目です!アンドュ様の沽券にかかわります!!」
すぐさまルーシュはアンドュアイスの頭を放す。
「僕はまだあの体制でも良かったのに」
「なななななななな何言って!?」
「ルーシュの胸は気持ちいね~♡」
「ん”に”ゃ”―――――――っafss;oi uap:oi」」@ l@「」
「あ、ルーシュー!?………逃げちゃった………」
ルーシュは奇声を上げてふかふかの絨毯の上を走って行った。
ブーツがローヒールで良かった。
ハイヒールなら足を挫いていたであろう。
「取り合えず、ルーシュ探さないと」
こうしてアンドュアイスのカカン王宮冒険が始まるのであった。
「前聖女サイヒ様からの通達は受けています。どうぞお通り下さい」
門番の頬が赤い。
皇太子然としているアンドュアイスは男齎し込む美丈夫だ。
隣で手を繋いでいるルーシュもドキドキが止まらない。
門番さん気持ちわかるよ。
こんなイケメンに話しかけられたら赤面もしますわな。
しかも声も無茶苦茶美声のテノールだし腰にクル。
ここで腰を抜かすと心友に馬鹿にされるので根性で耐える。
「ルーシュー問題なく城の中に入れたね~」
「ん”ん”」
いきなり可愛い雰囲気にモードチェンジは止めて欲しい。
心臓が止まりかけたではないか。
享年16歳になるとこであった。
「やっぱりサイヒは凄いね~」
「まぁ一応前、カカンの聖女ですからね。そのカカンも前聖女が全能神になったなんて思いもしてないでしょうけど」
「え、カカンの人知らないの?」
「お姉様のマーガレット様と伴侶のローズ王太子は知っていますよ。結婚式も来てましたし」
「サイヒのお父さんとお母さんは?」
「あんまり仲良くないみたいですね。と言うか互いに興味が無いと言う感じです」
「何で………?」
アンドュアイスがしょんぼりとする。
イマジナリーな犬耳尻尾はたらんと垂れている。
あぁこの人の悲しそうな顔をみるのは辛いな、そうルーシュは思う。
こんな感情知らない。
誰かが泣いたらこんなに胸が締め付けられるなんて。
だから無意識にルーシュの身体が動いた。
グイ、とアンドュアイスの頭を胸に抱え込んだ。
「え、ルーシュ?」
「あ、すみません…でも、泣くのかと思って、無意識に体が動きました」
離さないといけないと分かっているのに体が勝手に動く。
何故頭を放さないどころか片手でその金糸を撫でる私の手!?
(髪、さらさらだなぁ…アンドュ様嫌がらない、こういう時は自分の胸が無くいてホントに良かったて思うな。アンドゥ様女の胸嫌いだからなぁ)
(ルーシュの心臓の音、落ち着くなぁ…小さいけど柔らかい胸も気持ちイイ、ずっとこうしていたいなぁ…女の人にこんなに引っ付きたいと思うなんて初めてだな………)
「サイヒには」
「ん?」
「サイヒにはルーク様が居ます。アンドュ様も私も居ます。サイヒは寂しくないですよ」
「そうだね、で、何時までこの格好でいて良いの?周りに見られても大丈夫?」
「だだだだだだだだだだ駄目です!アンドュ様の沽券にかかわります!!」
すぐさまルーシュはアンドュアイスの頭を放す。
「僕はまだあの体制でも良かったのに」
「なななななななな何言って!?」
「ルーシュの胸は気持ちいね~♡」
「ん”に”ゃ”―――――――っafss;oi uap:oi」」@ l@「」
「あ、ルーシュー!?………逃げちゃった………」
ルーシュは奇声を上げてふかふかの絨毯の上を走って行った。
ブーツがローヒールで良かった。
ハイヒールなら足を挫いていたであろう。
「取り合えず、ルーシュ探さないと」
こうしてアンドュアイスのカカン王宮冒険が始まるのであった。
0
あなたにおすすめの小説
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~
北条新九郎
ファンタジー
三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。
父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。
ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。
彼の職業は………………ただの門番である。
そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。
ブックマーク・評価、宜しくお願いします。
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
【完結】転生したら悪役継母でした
入魚ひえん@発売中◆巻き戻り冤罪令嬢◆
恋愛
聖女を優先する夫に避けられていたアルージュ。
その夜、夫が初めて寝室にやってきて命じたのは「聖女の隠し子を匿え」という理不尽なものだった。
しかも隠し子は、夫と同じ髪の色。
絶望するアルージュはよろめいて鏡にぶつかり、前世に読んだウェブ小説の悪妻に転生していることを思い出す。
記憶を取り戻すと、七年間も苦しんだ夫への愛は綺麗さっぱり消えた。
夫に奪われていたもの、不正の事実を着々と精算していく。
◆愛されない悪妻が前世を思い出して転身したら、可愛い継子や最強の旦那様ができて、転生前の知識でスイーツやグルメ、家電を再現していく、異世界転生ファンタジー!◆
*旧題:転生したら悪妻でした
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる