そらいろのSS

そらいろ

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追って、追いかけて

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 貴方の温もりをふわりと感じる。一気に優しさで包まれて流したいなんて思っていない少し温かい涙が頬を伝う。
 一粒が手の甲にポタリと落ち、ハッと気づいた。
 貴方からの温もりなんて幻想で、自分の描く理想でしかない。

 思い返す時間は、先の未来に二度と待っていない。もう、二度と。
 思い出の中に生きたくない。そう泣き喚いて暴れても貴方は思い出にしかいない。手を傷つけても、血を流しても思い出の中に貴方はいる。

 目を閉じて、眠ってしまえば会えるんだ。
 幸せで優しい時間が流れる。
 宝物のフタを開けて、大切で忘れられない時に戻ろう。


「ごめんね」

 最期の言葉で、僕はまた目覚めた。

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