150 / 244
燈火-touka-1
しおりを挟む
橙色の陽が沈んで空が夕闇に覆われそうになる頃、俺達は二人で都内から離れた場所に来ていた。
山脈が連なる盆地にあるそこは、夜は涼しい風が吹き、さっきまで皮膚に汗ばんでいた熱を冷ましてくれる。
「もう少しで始まるね。」
隣に居る樹矢に話しかけ、首から下げるストラップに繋がるカメラを手に持ってシャッターを切る。
「見たこと無いからどんなのか楽しみ。」
俺が樹矢を誘って来たいと言った此処は、夏になると夜に燈火会が開催される。
以前に撮影で訪れたことがあって、その幻想的で日本らしい空間と時間に魅了されてその思いが忘れられないでいた。
「樹矢、蝋燭買いに行こう。」
「蝋燭?」
「そう、蝋燭に火をつけて祈りを込めるの。」
手を取って歩き出す。
周りに人がいないと言えど、世間様に顔を晒している為、樹矢は眼鏡を掛けて浴衣を着ていた。
紺色にストライプの線が入った浴衣に、正絹の白をベースにした帯を巻く樹矢は、さすがモデル。着こなしている。
前髪をかき上げてセットして片耳に見えるキラキラと角度を変えて光るピアスが、より男性らしさが増してかっこいい。
俺はというと、樹矢の帯の色に合わせた白い浴衣に紺の帯。二人で色をリンクさせて選んだ浴衣だ。
山脈が連なる盆地にあるそこは、夜は涼しい風が吹き、さっきまで皮膚に汗ばんでいた熱を冷ましてくれる。
「もう少しで始まるね。」
隣に居る樹矢に話しかけ、首から下げるストラップに繋がるカメラを手に持ってシャッターを切る。
「見たこと無いからどんなのか楽しみ。」
俺が樹矢を誘って来たいと言った此処は、夏になると夜に燈火会が開催される。
以前に撮影で訪れたことがあって、その幻想的で日本らしい空間と時間に魅了されてその思いが忘れられないでいた。
「樹矢、蝋燭買いに行こう。」
「蝋燭?」
「そう、蝋燭に火をつけて祈りを込めるの。」
手を取って歩き出す。
周りに人がいないと言えど、世間様に顔を晒している為、樹矢は眼鏡を掛けて浴衣を着ていた。
紺色にストライプの線が入った浴衣に、正絹の白をベースにした帯を巻く樹矢は、さすがモデル。着こなしている。
前髪をかき上げてセットして片耳に見えるキラキラと角度を変えて光るピアスが、より男性らしさが増してかっこいい。
俺はというと、樹矢の帯の色に合わせた白い浴衣に紺の帯。二人で色をリンクさせて選んだ浴衣だ。
0
あなたにおすすめの小説
鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる