気がついたら乙女ゲームだった!チートって何ですか?美味しいですか?

おばば様

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間話

ハロウィン後半

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「ちょっと!なんで私の所に来るのよー」

そういって口をとんがらせているのはミラ、水の精霊王でとても自由な人だ。とヒドゥリーは美しいカボチャの飾り付けを見て、優雅にお茶を飲むとトランプの行方を見守る。
ミラの隣に座っているのはミクロン、通称みっちゃんと呼ばれている。ミクロンの横はルピー、この2人は互いに何かシンパシーを感じたらしい、この2人は出会ってから小さな声でお喋りしたり笑いあったりしている、傍から見ればおままごとみたいで微笑ましい、ククは膝の上に居てみっちゃんからクッキーを貰い食べている。

「ル…ルピーって不思議な感じする。お…美味しいよこれ食べる?」

「たべましゅ。ミクちゃんもこれたべましゅ?」

「た…たべる。お…美味しい」

可愛らしいやり取りを見ていると、姉様は急にモジモジして私の口元にお菓子を持ってきた。昔はこうして食べさせて貰っていた。
昔を思い出したのかな?姉様に小さなクッキーを食べさせてもらうと、私もお返しにクッキーを姉様の口元に持っていった。それを恥ずかしそうに食べる姉様、クッキーは小さいのにいつまでもモグモグと口を動かしている。少し不安になった頃紅茶を飲み食べ終わったらしい、背中に背負っていたうさぎは姉様の腕の中にある、それをギュッと抱きしめた。

「トゥカーナが食べさせてくれるクッキー、とても美味しいわね。」

「お姉様、こちらもどうぞ」

「ちょっとー!なんでこっちを取らないのよ!こっち取りなさいよー!」

「まぁ!トゥカーナ優しいのね」

姉様にお菓子を食べさせていると時々ミラの叫び声が聞こえる。そうそう取らないのもあるあるだ。私もババの位置がなぜ分かるのか不思議でならない、

「ちょっとー!私精霊王なんですけどー!」

「さて何の願いを叶えてもらおうかな?」

ワルドが意地悪そうに笑うと、ミラは涙目で叫んだ。

「もー!なんでもう勝つ気なのよー!」

「ミラ様は楽しい人だから表情が分かりやすい、だからカモにされるのです。」

あ…アウラ様から本音がポロリと出た。

「ミラ様に頼みたい事があります。城に1つ井戸が欲しい、」

「地下に水源がなきゃ無理よぅー!それにお願いは常識の範囲内じゃないのー!」

ワルドは白々しく「あれ?こんな所に新作のお菓子が」と白い箱を出し中を見せる。中身はチョコレートのふわふわした焼き菓子、ミラもククも口の端から何とは言わないが出てる。
ミラとククはそれを聞き逃さなかった。ククはむしろ食いつき気味でワルドを見るが、ミラはちょこちょこと指を動かし手を伸ばし箱に触ろうとしているが、ワルドは箱に伸ばした手を軽く跳ね除けた。ミラは跳ね除けられた手を引っ込め、不自然に彼方を見て下手な口笛を鳴らす。

「ねえ新作欲しいー、ねぇ頂戴よぅ!」

「ミラ様ククも手伝うから!お菓子欲しい!」

ククはミラとワルドの間を行ったり来たりして、最終的にワルドの前で止まり手もみをしている。あのククが必死だ。いや、お菓子を貰うために必死だ。

「ワルドにいさま、ルピーのおねがいきいてくれるのでしゅか?」

「こ…これルピーのお願いなの?ク…ククお願い」

ククはルピーの前に来ると手を差し出した。ルピーは訳が分からず首を傾げる。

「調べてあげる、でも報酬はお菓子よ」

「トリトリでしゅか?」

「トリトリって何よ」

「それいうとおかしもらえるでしゅ。どーぞ」

「しんじられないミラ様からお菓子を貰う時は、お腹に絵を書いて踊ったりしてた。」

ククは両手を上げクネクネと踊る。その姿は腹踊りだ。それってこっちの世界にもあるんだ。とトゥカーナは想像して出来るだろうか?とお腹を押える。

「おなかだしゅとひえましゅ。おなかだいじでしゅ」

ルピーは真っ当な事を言うとククにお菓子を1つ手渡した。まぁそうだよね小さいのにしっかりしてるわ、とトゥカーナはお腹から手を離した。後ろから猫娘の視線が痛い気がするがきっと気のせいだ。
ミラは違うの!と喚いているが、ワルド達がミラを見る視線はとても冷たい、
ククはルピーの次は私のところに来て恐る恐る手を差し出した。

「トゥカーナトリトリ、」

「はいどーぞ。でもそれを言えるのは今日だけです。今日は特別な日ですからね。お菓子ばかりだと大きくなりません。これは私が作ったカボチャのスープですこちらもどーぞ。」

私はロッテに持ってきてもらった小さなカップに、カボチャのスープを入れる。手を付けていないティースプーンで、濃厚なミルクを入れると黄色と白が美しいスープになった。
ククはクッキーを貰うと空間ポッケに入れ、私から小さなカップに入ったスープを受け取り一気に飲んだ。

「甘くて美味しい!これお菓子じゃないの?」

「これは飾り付けされたカボチャの中身なので作りました。もったいないですからね。もう少しするとこの領地の畑にお芋が沢山実ります。そちらも甘いですよ。」

「クク様、こちらにも来てください」

ククはお芋の時にまた来たいと言っていた。お好きな時にどーぞ、と返事をしヒドゥリーとケーティの所に行きトリトリ!と言ってはお菓子を貰い食べている。

「負たー!ククが言っていたトリトリ!って何よぅー」

「勝った!ではミラ様こちらをどーぞ」

結局最終的にワルドが勝ったらしい、ワルドは白い箱をスっとミラの前に出した。

「ミラ様今日は特別な日らしいですので、こちらをどーぞ。あの件も宜しくお願いします。井戸が出来ましたら追加で渡しましょう。」

「本当に?お主も悪のよぅー」

悪代官と越後屋みたいになっている2人に、苦笑いしていると目の前に影が2つさす。ゴゴゴ…と聞こえてきそうな2人に私は視線を逸らした。

「いいだろう!カーナにお願いを聞いて貰うのは僕だ。」

えっ?私は慌てて立ち上がるとアウラに抱き寄せられる。私は恥ずかし過ぎて胸に顔を埋めていると、

「トゥカーナのお願いはこの私ですわ!」

次は姉様の方に引き寄せられる。姉様本当にそろそろ不敬罪がヤバイよヤバイよ。
頭の中で緑色のヘルメットを被った人が泣き叫んでいる。私も泣き叫びたい、ヤバイよヤバイよ!

「アウラ様もお姉様もどうしてこんな事に?」

「ババ抜きしましょう。」

「あぁ。望む所だ。」

なぜ2人で盛り上がっているのだろう?私に拒否権プリーズ!

「あの…私」

「トゥカーナババ抜き「カーナももちろん参加するよね?」わね?」

「はいもちろんです…。」

嫌だと言えなかった。変な所で意気投合する2人、私は何を掛けたのか聞きたいが、2人共ギラギラした視線だけを私にくれるだけ、逃げ出していいだろうか?

ロッテがスっと私のトランプをくれた。一番上を捲るとあの変な猫が足を組みこちらをじっと見て、訴えている「勝てばいい」と、猫娘から貰ったトランプを机の上に出しカードを配る。

「アウラ様は私が勝ったら仲良くして下さいね。」

「カーナのお願いならなんでも聞く、」

「お姉様はもう少し異性に優しくなって下さい。」

「私はトゥカーナには優しいわ、けどそれが条件なら優しくするわ、可愛い妹を虐めなければね。」

「ひぃ!」

ワルドが顔を青くして席を立ち上がった。姉様あの人も王族なのですが何をしたのですか?

「さぁ始めましょう。」



あれよあれよとカードが無くなっていく、カードを広げた時には猫は居なくてホッとしていたら、来なくても良いのに猫はアウラ様の所からやって来た。
猫にデコピンをしてシャッフルをして、姉様にカードを差し出したが、やはり猫はここが好きらしい、そのまま居続け現在に至る。

「後3枚だね。カーナ」

「そうですねアウラ様。でもアウラ様とお姉様は残り2枚、お姉様のカードが揃えば私の負けです。」

「アウラ様、トゥカーナが困ってますわ、助けてあげるのが婚約者としての役割だと思います。」

「ボレアリス嬢、君はカーナに甘々なんだ。今が甘やかすチャンスだと僕は思うよ。」

「同情なら要らないです。お姉様早く選んでください」

高速でシャッフルを終えたカードを姉様の前に出す。姉様はカードを何度か吟味してから、ハートのエースを取っていった。次はアウラ様のカードを私が取るため姉様の勝ちと同時にアウラ様の勝ちも確定する。
やっぱり負けたと落ち込む私の手元からスっとジョーカーの猫が消え、アウラ様はカードをシャッフルして2枚のカードを私に差し出す。

「カーナ選んで僕か僕か、」

その言葉を聞いて私はポカンと口を開けた。それはどっちもアウラ様じゃないの?と、

「どういう意味ですか?アウラ様」

「さあ選んで」

アウラはカードを2枚こちらに差し出す。前にお父様が言っていた事を思い出す。汗や鼻や視線等、アウラ様が完璧過ぎて、カードがどっちにあるか分からない、

「ではこっちで」

「本当に?」

アウラ様ファイナル〇ンサー?的な事を言わないで欲しい、そんな事を言われたら迷う、

「では、こちらを」

「本当にこっちでいいのかな?カーナ」

「大丈夫です。多分…」

私は目をギュッと閉じて恐る恐るカードを引いた。
そこにあったのはやはり猫、私は猫に愛されている。実際に侍女も猫娘だし、老後は猫を抱いて過ごしたいとも思っている。

「もう!仕方がありませんわね。私はトゥカーナに甘いのです。」

「僕もカーナと喧嘩したら勝てる自信はないよ、ミュー」

私が持っていたカードは消えてなくなり、姉様の手元にババと最後の1枚が、アウラ様に最後の1枚のスペードのキングを手に持っている。

「トゥカーナはババ抜きで負けて、勝負に勝ったのね」

「まぁ!ミュー、誰がうまいこと言えといいましたの?負けは」

姉様が鋭いツッコを入れると、ルピーとミクロンが手を繋ぎ歩いてこちらに来て、アウラと姉様の顔を見上げる。

「けんかはダメでしゅよ、おとうさまとかあさまがいつもいってましゅ。」

「喧嘩ダメ、絶対」

「ごめんなさい」

幼女2人?に怒られてババ抜きは終わった。私はルピーとミクロンに新しいお菓子を渡し、トコトコと自分の席に歩いて行く2人を見守った。
その後は姉様とアウラ様に願われお菓子を食べさせられている。聞けばこれを掛けババ抜きをしていたらしい、姉様は帰って来た兄様に呼ばれ家の中に入って行った。
私達はあの溺れた噴水の前で少し暗くなった夜空を見上げている。月が少し低い位置で私達を見ている。

「言って下さればしましたよ。もう1つ食べますか?」

「カーナが食べさせてくれる物なら、毒でも食べられそうだよ、」

「もう!変な事言わないで下さい、そんな事しません。」

「カーナにプレゼントがあるんだ。ミュー頼む」

黒い眼帯をしたミューは、手紙をスっと送るとピンク色した魔法陣が現れ、そこから夜空に花火が沢山上がる。花火の色は赤や黄色やピンク等、前世で見た形とは違うのは星型もあってとても綺麗だ。
綺麗な花火だけど、ピンク色ってだけで誰なのかすぐに分かった。素直じゃないシャムちゃんがプレゼントしてくれた花火だ。

「きれいでしゅね」

ルピーとミクロンが隣に来て夜空を見上げ笑うと、魔法陣は反応する様に光り輝き夜空の花を沢山打ち上げる。

ワルドとヒドゥリーはケーティを挟み立ち尽くしているが、ケーティは遠慮して一歩後ろに下がってしまった為、靴を片方無くした少女とリアル王子様だ。誰かが見たら喜びそうだ。と屋根を見ればライラがニヤニヤしながらあの2人を見ている。スっと視線を逸らしアウラ様を見る。

「アウラ様綺麗ですね。また次も同じ光景を見たいです。」

「僕はカーナとじゃないと、綺麗な光景も色褪せてしまう、絶対に一生一緒にいて欲しい、」

大げさだな。そう思っても嬉しい気持ちは溢れてくる。アウラ様がさり気なく私の顎を掴んだ。綺麗な顔が段々と近づいてくる。

「まぁ!アウラ様何をなさってますの?」

「ボレアリス嬢、今いい雰囲気なんだ、邪魔しないで欲しい、」

「まぁまぁまぁまぁ!トゥカーナって大胆ね!」

私は忘れていた事がある。何をしたのか親や身内にすぐにバレてしまう事た。

「カーナ行こう!」

アウラ様は私を横抱きにして走り出した。家の中からゾンビや猫娘やらモンスターが溢れて追いかけてくる。こうして追いかけられていると、少し怖いと同時に楽しくなってくる。

「逃げ切って下さいね。アウラ様」

「あぁもちろんだ。」

この後ライラにすぐに捕まったが、楽しいハロウィンはここで終わり、次の日お父様の嘆きと共に頬ずりの刑に処された事を報告します…チーン。
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