26 / 29
第二章 サイキック
23話 制圧作戦
しおりを挟む
『オールイートの実』
遺伝子組み合わせによって生まれた果実。栄養価は非常に高く、栄養ドリンクの主要成分としても使用されている。特徴として、適切な環境であれば一時間以内に種から熟成させることが出来る。
たった一時間、速いですね……本当に前の世界とは常識が違うようですね。
「もしかしたら、食料をここで育てることが出来るかもしれません」
「そうか、成長するまで餓死しなければ食べられるな」
「いいえ、それが……一時間で採取が出来ると書いてあります」
「本当か!? いや、この世界だったら不思議ではないか……」
「局長室にクラフトツールパックがあって、それがいるそうです」
「ここの荒れ具合からして数年以上は確実に経過していると思うが、種とか劣化してないか?」
「……どうでしょうか?」
言われてみれば確かに、あのマニュアル通り成功するとは限りませんね。当時と状況が違っていますし……
「見た所は種は劣化しているようには……あ、元々を知らないので、判断できないですね……」
「だが、屁理屈言っても仕方ない。逆に無事な可能性もあるな」
「そうですね……どうしましょうか?」
「俺はアールの判断に従う」
「私の判断ですか? こんな15歳の女子高校生に……」
「見た目に反して、下手な大人よりはよほどしっかりしている。それに、俺は特殊能力は無いからな。アールの方が状況判断に適している」
「そうですか……ね? まぁ、分かりました。では、希望がある方に掛けましょう!」
クラフトツールパックというのが気になりますし!
「イエッサー、キャプテン!」
笑みを浮かべる。
「キャプテン……?」
凄く、違和感があります……
「今度からアールの事はキャプテンと呼ぶことにした」
「はぁ……」
よくわかりませんが、まぁ、いいや……
「局長室はどこでしょうか?」
「ここにそれらしい物がある」
壁に貼り付けている紙に顔を向ける。
ここの案内地図の様で、受付けや警備室などの各部屋に名前が書いてる。
「テレポートステーション……」
4階のある部屋の名前にテレポートステーションと書いてある。
「そんなのもあるのか、何でもありだな」
「局長室は一番上なので、ついでに行ってみましょうか」
気になりますし!
「そうだな」
「ワン!!」
嬉しそうに吠える。
エレベーターの方を見ると、扉は変形し、明らかに壊れている。
「流石に壊れているようですね」
「例え、壊れてなかったとしても乗る気は起きないな」
「点検もされてないですし、危険ですね。階段で行きましょうか」
「まて、一気に上まで登らない方がいい」
「そうなんですか?」
「さっきの化け物がまだ他の階にいる可能性がある。一気に登ると挟み撃ちにあう可能性が高い」
「確かにそうですね……この先、強い化け物が居たら逃げられないかもしれないですし、制圧するしかないですね」
「キャプテンが頑固者でなくて安心した」
「……」
やはりキャプテン呼ばわりは違和感があります……
階段で2階に上る。
音をなるべく立てずに、そっと廊下を覗くと、複数の陶器物が見える。
全く微動せず止まっている。私に気が付いていなようだ。
「……」
今でしたら、大丈夫そうですね。
スキャートフォンで陶器物をスキャンする。
『該当データなし バージョンアップして下さい』
と表示される。
「どうだった?」
小声で聞いてくる。
「駄目でした……これもバージョン不足なようです……」
「そうか、何かわかればよかったんだけどな」
「全くです。でしたら仕方ありません。やりましょう!」
「俺は背後を警戒する。キャプテン、前方は任せたぞ!」
拳銃を取り出す。
「はい!」「ワン!!」
廊下に出る。
数体の陶器物が私達に気が付き、浮遊しながら向かってくる。中には両手を広げている遠距離攻撃の陶器物も見えた。
相変わらず動きも姿も不気味だが、倒せる相手と分かったら恐怖は無い。
「スノーは攻めずに私を守ってください! 私は遠距離の土偶を打ち返します!」
効率よく戦わないと、私がエネルギー不足でダウンしてしまうので!
「ワン!!」
体から剣を抜き、私の前から動かない。
壊れたドアから追加の陶器物が現れ、向かってくる数が増える。
両手を広げている陶器物から、黒く燃え上がる球体が放物線を描いて向かってくる。
「!!」
直ぐに、それをサイコキネシスで止める。
そして、なるべく密着している所に撃ち放つ。
小さな爆発音と共に、数体の陶器物が粉々に飛び散る。
無事な陶器物がスノーに襲い掛かるが、遅すぎた。
陶器物が剣を振り下ろす前に、素早い動きで、スノーが剣で薙ぎ払う。
スノーによって巻き込まれなかった陶器物も粉々に散った。
廊下には視認する限り、土偶たちはいない。
「全員、倒しました! クリアです!」
何とかなりました! スノーがいてくれて心強いです!
「ワン!!」
嬉しそうに吠える。
「後ろも問題なかった。増援は来なかったからな」
「ありがとうございます!」
「にしても流石だな……これなら、俺の出る幕がないな」
どこか、寂しげに言う。
「いいえ、フロストさんがいなかったら、ここまでこれなかったですし、それに戦闘経験や知識は非常に有用ですし、今みたいに、後ろを警戒して頂くことで安心して戦うことが出来ています」
「そうか、そういってもらえるとありがたい。差別もしないしな」
「差別なんて、そんな、生産性のないことはしませんよ」
外国人という意識はしましたが、差別する意味が分からないですし、フロストさんはいい人ですし。
「はは、世界中がキャプテンみたいな人だったら生産力があがるだろうな」
笑みを浮かべる。
「そうですね」
私も自然と笑みが浮かぶ。
遺伝子組み合わせによって生まれた果実。栄養価は非常に高く、栄養ドリンクの主要成分としても使用されている。特徴として、適切な環境であれば一時間以内に種から熟成させることが出来る。
たった一時間、速いですね……本当に前の世界とは常識が違うようですね。
「もしかしたら、食料をここで育てることが出来るかもしれません」
「そうか、成長するまで餓死しなければ食べられるな」
「いいえ、それが……一時間で採取が出来ると書いてあります」
「本当か!? いや、この世界だったら不思議ではないか……」
「局長室にクラフトツールパックがあって、それがいるそうです」
「ここの荒れ具合からして数年以上は確実に経過していると思うが、種とか劣化してないか?」
「……どうでしょうか?」
言われてみれば確かに、あのマニュアル通り成功するとは限りませんね。当時と状況が違っていますし……
「見た所は種は劣化しているようには……あ、元々を知らないので、判断できないですね……」
「だが、屁理屈言っても仕方ない。逆に無事な可能性もあるな」
「そうですね……どうしましょうか?」
「俺はアールの判断に従う」
「私の判断ですか? こんな15歳の女子高校生に……」
「見た目に反して、下手な大人よりはよほどしっかりしている。それに、俺は特殊能力は無いからな。アールの方が状況判断に適している」
「そうですか……ね? まぁ、分かりました。では、希望がある方に掛けましょう!」
クラフトツールパックというのが気になりますし!
「イエッサー、キャプテン!」
笑みを浮かべる。
「キャプテン……?」
凄く、違和感があります……
「今度からアールの事はキャプテンと呼ぶことにした」
「はぁ……」
よくわかりませんが、まぁ、いいや……
「局長室はどこでしょうか?」
「ここにそれらしい物がある」
壁に貼り付けている紙に顔を向ける。
ここの案内地図の様で、受付けや警備室などの各部屋に名前が書いてる。
「テレポートステーション……」
4階のある部屋の名前にテレポートステーションと書いてある。
「そんなのもあるのか、何でもありだな」
「局長室は一番上なので、ついでに行ってみましょうか」
気になりますし!
「そうだな」
「ワン!!」
嬉しそうに吠える。
エレベーターの方を見ると、扉は変形し、明らかに壊れている。
「流石に壊れているようですね」
「例え、壊れてなかったとしても乗る気は起きないな」
「点検もされてないですし、危険ですね。階段で行きましょうか」
「まて、一気に上まで登らない方がいい」
「そうなんですか?」
「さっきの化け物がまだ他の階にいる可能性がある。一気に登ると挟み撃ちにあう可能性が高い」
「確かにそうですね……この先、強い化け物が居たら逃げられないかもしれないですし、制圧するしかないですね」
「キャプテンが頑固者でなくて安心した」
「……」
やはりキャプテン呼ばわりは違和感があります……
階段で2階に上る。
音をなるべく立てずに、そっと廊下を覗くと、複数の陶器物が見える。
全く微動せず止まっている。私に気が付いていなようだ。
「……」
今でしたら、大丈夫そうですね。
スキャートフォンで陶器物をスキャンする。
『該当データなし バージョンアップして下さい』
と表示される。
「どうだった?」
小声で聞いてくる。
「駄目でした……これもバージョン不足なようです……」
「そうか、何かわかればよかったんだけどな」
「全くです。でしたら仕方ありません。やりましょう!」
「俺は背後を警戒する。キャプテン、前方は任せたぞ!」
拳銃を取り出す。
「はい!」「ワン!!」
廊下に出る。
数体の陶器物が私達に気が付き、浮遊しながら向かってくる。中には両手を広げている遠距離攻撃の陶器物も見えた。
相変わらず動きも姿も不気味だが、倒せる相手と分かったら恐怖は無い。
「スノーは攻めずに私を守ってください! 私は遠距離の土偶を打ち返します!」
効率よく戦わないと、私がエネルギー不足でダウンしてしまうので!
「ワン!!」
体から剣を抜き、私の前から動かない。
壊れたドアから追加の陶器物が現れ、向かってくる数が増える。
両手を広げている陶器物から、黒く燃え上がる球体が放物線を描いて向かってくる。
「!!」
直ぐに、それをサイコキネシスで止める。
そして、なるべく密着している所に撃ち放つ。
小さな爆発音と共に、数体の陶器物が粉々に飛び散る。
無事な陶器物がスノーに襲い掛かるが、遅すぎた。
陶器物が剣を振り下ろす前に、素早い動きで、スノーが剣で薙ぎ払う。
スノーによって巻き込まれなかった陶器物も粉々に散った。
廊下には視認する限り、土偶たちはいない。
「全員、倒しました! クリアです!」
何とかなりました! スノーがいてくれて心強いです!
「ワン!!」
嬉しそうに吠える。
「後ろも問題なかった。増援は来なかったからな」
「ありがとうございます!」
「にしても流石だな……これなら、俺の出る幕がないな」
どこか、寂しげに言う。
「いいえ、フロストさんがいなかったら、ここまでこれなかったですし、それに戦闘経験や知識は非常に有用ですし、今みたいに、後ろを警戒して頂くことで安心して戦うことが出来ています」
「そうか、そういってもらえるとありがたい。差別もしないしな」
「差別なんて、そんな、生産性のないことはしませんよ」
外国人という意識はしましたが、差別する意味が分からないですし、フロストさんはいい人ですし。
「はは、世界中がキャプテンみたいな人だったら生産力があがるだろうな」
笑みを浮かべる。
「そうですね」
私も自然と笑みが浮かぶ。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
月弥総合病院
御月様(旧名 僕君☽☽︎)
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。
また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。
(小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
与兵衛長屋つれあい帖 お江戸ふたり暮らし
かずえ
歴史・時代
旧題:ふたり暮らし
長屋シリーズ一作目。
第八回歴史・時代小説大賞で優秀短編賞を頂きました。応援してくださった皆様、ありがとうございます。
十歳のみつは、十日前に一人親の母を亡くしたばかり。幸い、母の蓄えがあり、自分の裁縫の腕の良さもあって、何とか今まで通り長屋で暮らしていけそうだ。
頼まれた繕い物を届けた帰り、くすんだ着物で座り込んでいる男の子を拾う。
一人で寂しかったみつは、拾った男の子と二人で暮らし始めた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる