17 / 118
17 少し針のむしろ
しおりを挟む
俺はセラを連れてサルマンドのギルドを訪ねた。
面談は明日の予定だったが、こちらの事情でずらしてもらう。
『兄が倒れたと聞いた時、心のどこかで安堵していたの。もう兄を止めなくていいんだって。あなたのような気持ちのいい人が倒してくれて良かったのかもしれない』
残酷な兄のせいでセラはいらない苦労をしてきた。
このまま裁かれるなど、そんなことは虚しすぎる。
サルマンドのギルドマスターは生真面目な男だった。
眼鏡を掛けたインテリタイプで、ダイババだけではなくセラのことも衛兵に突き出せとうるさかった。
だが、俺にも言い分はある。
俺はセラと話し合い、彼女を奴隷にした。
状況的にはネリスと契約した時に似ているが、今回は本当にセラを守る為に契約した形だ。ラムネアの法では、冒険者が依頼をこなすなかで得たものは冒険者に所有する権利が認められている。俺はダイババのアジトを落とした時に、セラを得たのだと言い張った。
まあ、具体的にはこんな形だな。
「……依頼をこなす際に所有した物は、冒険者に所有権が認められる。これは国王が保証したことだ。それをギルドマスターのお前が覆すのか?」
「犯罪者を保護することは許されない。そんなことを許せば冒険者全体へのヘイトが溜まる。貴様の身勝手で冒険者を危険に晒すな!」
「お前は俺の権利を保障しろ。そうでないならギルドマスターを降りろ。俺が代わりに皆の権利を守ってやる」
俺がそこまで言い切ると、ギルドマスターは鋭く睨んできた。
そして、すぐさま王都に文を出した。
「王都に彼女を連れていき、そこでギルドマスターと話せ。私が正しいか貴様が正しいか、王都で決める。くれぐれも女を逃がすなよ。そんなことになれば貴様だけじゃない。私まで裁かれるからな」
「王都へは明日の早朝、出立する。夕刻には到着するだろう。それと、一つ頼まれてくれ。水の精霊のいるオアシスへ酒を供えるようにして欲しい」
「何? なぜそんなことをする必要がある」
「何でもいいから手配しろ。水の精霊がいなくなればこの辺りは不毛の砂漠に戻るぞ」
「無茶苦茶な奴め……。さっさと王都へ行け! この疫病神が!」
出るのは明日だと言ってるだろう。
俺はセラを連れて宿へ戻った。
彼女を連れた俺が戻ると、当然のことだがカナミとネリスは激怒した。
「どういうことですか!? 犯罪者を部屋に連れ込むなど、寝首をかけと言うようなものです!」
「お前、あたし達に話さずそれはないだろ! 説明しろよ!」
「タクマを責めないでちょうだい。彼は私を保護してくれたのよ」
セラが俺の腕を抱いて密着する。
こいつ、身持ちが固い癖に挑発するような真似を……。
カナミが力づくで俺を引っ張り、ネリスが威嚇した。
「心配しなくても魔法を使った奴隷契約は結んである。危険はない。それと、彼女は実の兄に強制されてアジトに軟禁されていたんだ。セラに罪はない」
「兄さん、本当にやりたい放題ですね。敵まで懐に近づけるのは本当にいけないと思います」
「じゃあ見殺しにしろって言うのか。実の兄が大悪党で、それを止める為に盗賊にならざるを得なかった彼女を、見殺しにしろと?」
「そうは言うけど、アジトでタクマのことを殺そうとしただろ。清廉潔白な女には見えないけどな」
「男は全部敵だと思ってたのよ。でも、タクマは違った。心を入れ替えると誓うわ」
セラはそう言うが、まあ当然のことながらカナミとネリスが信じる様子はない。
今日は部屋を移して泊まるつもりだが、揉めそうだな。
「何度でも言います。兄さんが引き取ることはないです」
「他に誰もいないから俺が引き取ったんだ。俺は彼女が更生できると信じたい」
「いや、信じるのは勝手だけどさ。こいつらが殺した家族の前でも同じことが言えるのか? せっかくダイババを倒して英雄になれたのに、その可能性を不意にしてまで保護しなきゃいけないのか?」
ああ、その点なら問題はない。
「私は正当防衛以外で堅気に手を出したことはないわ。唯一の例外はアジトへの侵入者だけど、今のところはタクマだけね」
「そういうことだ。彼女は堅気には手を出してない。お前達、俺を悪人扱いする前に話を聞いてくれ。彼女は人身売買にも関わってはいない。そうだろ?」
「それはそうだけど、犯罪を止めるのに力不足だったことは否定できないわ。一応、助けられる範囲で逃がしたりはしてきたけど……」
「ほら、セラがいたことで助かった命だって沢山あるんだ。それでも彼女を見殺しにしろと? おい、何とか言えよ!」
俺は心が羽毛のように軽くなった。
やっぱり俺が思った通り、セラはそんなに悪くない娘だったな!
約束を破って俺とセックスしてくれなかったけど。
セラは本当にいい娘だ。
思わず頭を撫でると、セラが恥ずかしそうにした。
瞬間、カナミが切れた。
「兄さんは私の兄さんですよねぇ!?」
「お、落ち着けよ」
切れすぎてカナミの声が裏返ってた。
ネリスも引いてるぞ……。
「兄さん、本気でウザイです。私が助けなかったら殺されていたかもしれないのに」
「あー、タクマ、あまり犯罪者の言うことを真に受けるなよ。あたしもセラのことは信用できないわ」
二人の言い分も正しいのは分かってる。
でも……な。もう守るって約束したんだ。
「……タクマ。無理そうだったら私のことは諦めてくれてもいいわ」
「それでも、やれるだけはやるさ」
王都のギルドではセラの弁護をしないといけないが、出てきた情報は比較的俺に優位に働きそうなものだった。
とはいえ、まだどう転ぶかは分からない。
王子とも接触したいな。
俺には自分や仲間の身を守るコネクションがまだない。
王子とその後見人であるアルジャン公爵。
二人を味方につけることが出来れば、セラを巡る攻防でも優位に動けそうだ。
しかし現状、俺は王子の依頼を達成して盗賊王アリババを捕縛、彼らの言う奴隷制度の撤廃に貢献したものの、敵の身内を一人保護して奴隷にしてしまっている。
拍手喝采で迎え入れられるところで爆弾を抱きこんでしまった俺を、王子達はどう扱うか……。
切り捨てる? それとも取り込もうとする?
全ては今後の行動次第だ。
しかしその前に、怒らせてしまったカナミとネリスのフォローに回ろうと思う。
俺ってどうしてすぐに人を怒らせてしまうんだろうな。
面談は明日の予定だったが、こちらの事情でずらしてもらう。
『兄が倒れたと聞いた時、心のどこかで安堵していたの。もう兄を止めなくていいんだって。あなたのような気持ちのいい人が倒してくれて良かったのかもしれない』
残酷な兄のせいでセラはいらない苦労をしてきた。
このまま裁かれるなど、そんなことは虚しすぎる。
サルマンドのギルドマスターは生真面目な男だった。
眼鏡を掛けたインテリタイプで、ダイババだけではなくセラのことも衛兵に突き出せとうるさかった。
だが、俺にも言い分はある。
俺はセラと話し合い、彼女を奴隷にした。
状況的にはネリスと契約した時に似ているが、今回は本当にセラを守る為に契約した形だ。ラムネアの法では、冒険者が依頼をこなすなかで得たものは冒険者に所有する権利が認められている。俺はダイババのアジトを落とした時に、セラを得たのだと言い張った。
まあ、具体的にはこんな形だな。
「……依頼をこなす際に所有した物は、冒険者に所有権が認められる。これは国王が保証したことだ。それをギルドマスターのお前が覆すのか?」
「犯罪者を保護することは許されない。そんなことを許せば冒険者全体へのヘイトが溜まる。貴様の身勝手で冒険者を危険に晒すな!」
「お前は俺の権利を保障しろ。そうでないならギルドマスターを降りろ。俺が代わりに皆の権利を守ってやる」
俺がそこまで言い切ると、ギルドマスターは鋭く睨んできた。
そして、すぐさま王都に文を出した。
「王都に彼女を連れていき、そこでギルドマスターと話せ。私が正しいか貴様が正しいか、王都で決める。くれぐれも女を逃がすなよ。そんなことになれば貴様だけじゃない。私まで裁かれるからな」
「王都へは明日の早朝、出立する。夕刻には到着するだろう。それと、一つ頼まれてくれ。水の精霊のいるオアシスへ酒を供えるようにして欲しい」
「何? なぜそんなことをする必要がある」
「何でもいいから手配しろ。水の精霊がいなくなればこの辺りは不毛の砂漠に戻るぞ」
「無茶苦茶な奴め……。さっさと王都へ行け! この疫病神が!」
出るのは明日だと言ってるだろう。
俺はセラを連れて宿へ戻った。
彼女を連れた俺が戻ると、当然のことだがカナミとネリスは激怒した。
「どういうことですか!? 犯罪者を部屋に連れ込むなど、寝首をかけと言うようなものです!」
「お前、あたし達に話さずそれはないだろ! 説明しろよ!」
「タクマを責めないでちょうだい。彼は私を保護してくれたのよ」
セラが俺の腕を抱いて密着する。
こいつ、身持ちが固い癖に挑発するような真似を……。
カナミが力づくで俺を引っ張り、ネリスが威嚇した。
「心配しなくても魔法を使った奴隷契約は結んである。危険はない。それと、彼女は実の兄に強制されてアジトに軟禁されていたんだ。セラに罪はない」
「兄さん、本当にやりたい放題ですね。敵まで懐に近づけるのは本当にいけないと思います」
「じゃあ見殺しにしろって言うのか。実の兄が大悪党で、それを止める為に盗賊にならざるを得なかった彼女を、見殺しにしろと?」
「そうは言うけど、アジトでタクマのことを殺そうとしただろ。清廉潔白な女には見えないけどな」
「男は全部敵だと思ってたのよ。でも、タクマは違った。心を入れ替えると誓うわ」
セラはそう言うが、まあ当然のことながらカナミとネリスが信じる様子はない。
今日は部屋を移して泊まるつもりだが、揉めそうだな。
「何度でも言います。兄さんが引き取ることはないです」
「他に誰もいないから俺が引き取ったんだ。俺は彼女が更生できると信じたい」
「いや、信じるのは勝手だけどさ。こいつらが殺した家族の前でも同じことが言えるのか? せっかくダイババを倒して英雄になれたのに、その可能性を不意にしてまで保護しなきゃいけないのか?」
ああ、その点なら問題はない。
「私は正当防衛以外で堅気に手を出したことはないわ。唯一の例外はアジトへの侵入者だけど、今のところはタクマだけね」
「そういうことだ。彼女は堅気には手を出してない。お前達、俺を悪人扱いする前に話を聞いてくれ。彼女は人身売買にも関わってはいない。そうだろ?」
「それはそうだけど、犯罪を止めるのに力不足だったことは否定できないわ。一応、助けられる範囲で逃がしたりはしてきたけど……」
「ほら、セラがいたことで助かった命だって沢山あるんだ。それでも彼女を見殺しにしろと? おい、何とか言えよ!」
俺は心が羽毛のように軽くなった。
やっぱり俺が思った通り、セラはそんなに悪くない娘だったな!
約束を破って俺とセックスしてくれなかったけど。
セラは本当にいい娘だ。
思わず頭を撫でると、セラが恥ずかしそうにした。
瞬間、カナミが切れた。
「兄さんは私の兄さんですよねぇ!?」
「お、落ち着けよ」
切れすぎてカナミの声が裏返ってた。
ネリスも引いてるぞ……。
「兄さん、本気でウザイです。私が助けなかったら殺されていたかもしれないのに」
「あー、タクマ、あまり犯罪者の言うことを真に受けるなよ。あたしもセラのことは信用できないわ」
二人の言い分も正しいのは分かってる。
でも……な。もう守るって約束したんだ。
「……タクマ。無理そうだったら私のことは諦めてくれてもいいわ」
「それでも、やれるだけはやるさ」
王都のギルドではセラの弁護をしないといけないが、出てきた情報は比較的俺に優位に働きそうなものだった。
とはいえ、まだどう転ぶかは分からない。
王子とも接触したいな。
俺には自分や仲間の身を守るコネクションがまだない。
王子とその後見人であるアルジャン公爵。
二人を味方につけることが出来れば、セラを巡る攻防でも優位に動けそうだ。
しかし現状、俺は王子の依頼を達成して盗賊王アリババを捕縛、彼らの言う奴隷制度の撤廃に貢献したものの、敵の身内を一人保護して奴隷にしてしまっている。
拍手喝采で迎え入れられるところで爆弾を抱きこんでしまった俺を、王子達はどう扱うか……。
切り捨てる? それとも取り込もうとする?
全ては今後の行動次第だ。
しかしその前に、怒らせてしまったカナミとネリスのフォローに回ろうと思う。
俺ってどうしてすぐに人を怒らせてしまうんだろうな。
3
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに
千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」
「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」
許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。
許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。
上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。
言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。
絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、
「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」
何故か求婚されることに。
困りながらも巻き込まれる騒動を通じて
ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。
こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる