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――ふと、気がつくと部屋に夕陽が差し込んでいた。
俺は、どのくらい寝ていたんだ?
隣を見ると「スースー」とアクアスが寝息を立てている。
今日は夜にダイババの所に向かうから、寝ておかないといけないな。
身を起こそうか迷ってると、久しぶりに神の声が聞こえてきて驚いた。
『もしもーし、聞こえとるかー? あー、返事はせんでええわ。全部見えとるからのう。しかしあんちゃん、別嬪さんばっか捕まえて羨ましいわー。今度会ったらナンパのテクニックとか教えて欲しいわ』
神様か……。いったい何の用だ?
『用っちゅうのはアレやねん。わい、お前に謝らんといかんのや。すまん! あんちゃんにインストールした『変異体』なんやけど、致命的なミスがあってな!? 完全にわいの確認ミスや……』
何があったんだ。というか、念じるだけで声が届いてるのか。
『まー神やからな。思念会話くらいできるわ。それで、そのスキルの問題点なんやけどな? なんか裏で勝手に更新されまくって、性格とか身体とかを攻撃的にしていくらしいねん。ほんで、わし的にはそんな危険なスキル入れときたくないから回収したい思っとるんやけど、どうやろ? 削除してしまってええか?』
俺としては多少リスクはあっても使いたいんだがな。
死の危険と比べたら安いもんだ。
『ホンマにええんか? あんちゃん、最終的には女達を殺すことになるで』
思わず飛び起きる。
俺が……? そんなわけないだろ。
『いや、そうやん。自覚ないんか?』
思い当たる節などない。
俺は今まで通り何も変わらないはずだ。
ガランの教えを受け継いで、弱い女子供は守るように……。
いや、本当にそうだったか?
俺の疑問を、神様は鋭くえぐった。
『母子家庭で生まれ育ったあんちゃんは今まで女には絶対的に手あげんかったやん。せやけど、最近のあんちゃんおかしいで? リリカちゃんに死の宣誓書で口封じしようとしたり、これからアクアス使ってやろうとしてることもそうや……。ホンマはこのまま暴走させといた方があんちゃんが破壊神になれる可能性があんねんけど、わいはあんちゃんにも幸せになって欲しいねん。せやから代わりのスキルは俺が用意したる。変異体は一回デリートしてくれへんか?』
…………。
『ええんやな?』
ああ、頼む。
『よっしゃ、ほな消しとくわ。『毒無効』と『変貌』は残るけど、そっちは問題ないから使ってええわ。今回の英断であんちゃんのことが好きになったわ。お袋さんがくるんはまだ先やけど、いつかあんちゃんの天国に入れてやれたらええな? ほな、わいは代わりのチートスキルを三つくらいこさえたるから、またな!』
ベッドに脱力する。
命綱を突然切られた気分だ。
あまりに忍びなかった為か、もう一度念話が届いた。
『……すまへんかったな。親父はあんちゃんを怪物に変えてでも破壊神にしてわいを昇格させようとしたんやろうけど、こんなやり方間違ってるからな。それと、英断したご褒美に一つだけ言っとくわ。あんちゃんが囲った女達は天国に連れていけるから気張りや! ほなまたな!』
身体から『何か』が失われた感覚と共に、俺は活力が蘇るのを感じた。
――女達も天国に連れていける!
俺はダイババへの計画を修正する為、隣で眠るアクアスの頬を撫でてから身を起こした。
俺は、どのくらい寝ていたんだ?
隣を見ると「スースー」とアクアスが寝息を立てている。
今日は夜にダイババの所に向かうから、寝ておかないといけないな。
身を起こそうか迷ってると、久しぶりに神の声が聞こえてきて驚いた。
『もしもーし、聞こえとるかー? あー、返事はせんでええわ。全部見えとるからのう。しかしあんちゃん、別嬪さんばっか捕まえて羨ましいわー。今度会ったらナンパのテクニックとか教えて欲しいわ』
神様か……。いったい何の用だ?
『用っちゅうのはアレやねん。わい、お前に謝らんといかんのや。すまん! あんちゃんにインストールした『変異体』なんやけど、致命的なミスがあってな!? 完全にわいの確認ミスや……』
何があったんだ。というか、念じるだけで声が届いてるのか。
『まー神やからな。思念会話くらいできるわ。それで、そのスキルの問題点なんやけどな? なんか裏で勝手に更新されまくって、性格とか身体とかを攻撃的にしていくらしいねん。ほんで、わし的にはそんな危険なスキル入れときたくないから回収したい思っとるんやけど、どうやろ? 削除してしまってええか?』
俺としては多少リスクはあっても使いたいんだがな。
死の危険と比べたら安いもんだ。
『ホンマにええんか? あんちゃん、最終的には女達を殺すことになるで』
思わず飛び起きる。
俺が……? そんなわけないだろ。
『いや、そうやん。自覚ないんか?』
思い当たる節などない。
俺は今まで通り何も変わらないはずだ。
ガランの教えを受け継いで、弱い女子供は守るように……。
いや、本当にそうだったか?
俺の疑問を、神様は鋭くえぐった。
『母子家庭で生まれ育ったあんちゃんは今まで女には絶対的に手あげんかったやん。せやけど、最近のあんちゃんおかしいで? リリカちゃんに死の宣誓書で口封じしようとしたり、これからアクアス使ってやろうとしてることもそうや……。ホンマはこのまま暴走させといた方があんちゃんが破壊神になれる可能性があんねんけど、わいはあんちゃんにも幸せになって欲しいねん。せやから代わりのスキルは俺が用意したる。変異体は一回デリートしてくれへんか?』
…………。
『ええんやな?』
ああ、頼む。
『よっしゃ、ほな消しとくわ。『毒無効』と『変貌』は残るけど、そっちは問題ないから使ってええわ。今回の英断であんちゃんのことが好きになったわ。お袋さんがくるんはまだ先やけど、いつかあんちゃんの天国に入れてやれたらええな? ほな、わいは代わりのチートスキルを三つくらいこさえたるから、またな!』
ベッドに脱力する。
命綱を突然切られた気分だ。
あまりに忍びなかった為か、もう一度念話が届いた。
『……すまへんかったな。親父はあんちゃんを怪物に変えてでも破壊神にしてわいを昇格させようとしたんやろうけど、こんなやり方間違ってるからな。それと、英断したご褒美に一つだけ言っとくわ。あんちゃんが囲った女達は天国に連れていけるから気張りや! ほなまたな!』
身体から『何か』が失われた感覚と共に、俺は活力が蘇るのを感じた。
――女達も天国に連れていける!
俺はダイババへの計画を修正する為、隣で眠るアクアスの頬を撫でてから身を起こした。
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