13 / 16
真実
しおりを挟む
目覚めると、ミナは微睡みの中に落ちていたことに気づいた。
「こ、ここは……」
意識が覚醒する。目の前には眠ったままの兄の姿がある。
「ミナ。先に行って事情を聴いてきなさい」
「え、はい……」
頭が霧がかったようにぼうっとする。
フラフラとおぼつかない足取りで歩き、メイドから心配されつつ彼女の部屋へ。
そこに二人が揃っているのを見て、ハッとする。
エレノアは、怒りの表情でミナを見据えていた。
「ミナ、話があるわ。あなたは親友の私に決して許されないことをした。彼を欺き、私達を別れさせようとしたことよ!」
「に、逃げて!!!」
「へ?」
怒りをぶつけようとしてきたエレノアに、ミナは必死に訴える。
「ここにいたらダメ! たぶん、この屋敷はあいつが支配してるから!」
「ちょっと、何なの。また私達を騙そうとしてるの?」
「違う! 違うの! ホントに危険なの! だって、この屋敷には――」
ミナの息が詰まる。
階段を何者かが上がってくる気配がする。
アーサーは空気を察して従魔、クオンを呼び出した。
犬と狼の中間のような外見の従魔を呼び出したアーサーが、ミナの肩に触れる。
「他人の魔力が混ざってる。……暗示か?」
「御明察だ。さすが、我が娘の恋人に選ばれるだけはある」
扉が開き、冷気を纏ったブラッドが部屋に現れる。
「お父様、ミナに何をしたの?」
「私にも分かるように事情を聞いてもらおうと思っていたが、狂言だったようだね。いや、良かったよ。本当に」
エレノアの影から鎖が伸び、アーサーの身体を拘束する。
「……チッ。やれ、クオン!」
アーサーが命じるが、ブラッドの影から伸びた鎖がクオンを拘束し、壁に叩きつける。頭を強く打ちつけた従魔は昏睡し、動かなくなった。
「何が起きてるの!?」
「……最初から仕組まれていたのか」
焦るエレノア、冷や汗を垂らすアーサー。
ブラッドが杖で床を突くと、そこには巨大な魔法陣が浮かび上がる。
「魂を入れ替える魔法。というものを、若い頃に思いついてね。だが、実行する為には魔力が足りなかった。最初は従魔を使いこの世界の住民の魂を糧にしようと考えたが、アーサーに阻まれてしまった。ゆえに、今度はアーサーの魔力に目をつけさせてもらった。エレノア、君のお陰でアーサーが手に入ったよ。ありがとう、さすが私の娘だ」
「どういうこと……?」
「エレノアの身体には生まれつきある呪いを掛けてある。それは、結婚した者の魔力を父である私に全て転送する、というものだ。他にも、強い魔力を持つ者に惚れるよう高度な催眠も掛けておいた。分かるかね。お前の恋は全て、私に利用される為だけに存在していたのだよ」
「こ、ここは……」
意識が覚醒する。目の前には眠ったままの兄の姿がある。
「ミナ。先に行って事情を聴いてきなさい」
「え、はい……」
頭が霧がかったようにぼうっとする。
フラフラとおぼつかない足取りで歩き、メイドから心配されつつ彼女の部屋へ。
そこに二人が揃っているのを見て、ハッとする。
エレノアは、怒りの表情でミナを見据えていた。
「ミナ、話があるわ。あなたは親友の私に決して許されないことをした。彼を欺き、私達を別れさせようとしたことよ!」
「に、逃げて!!!」
「へ?」
怒りをぶつけようとしてきたエレノアに、ミナは必死に訴える。
「ここにいたらダメ! たぶん、この屋敷はあいつが支配してるから!」
「ちょっと、何なの。また私達を騙そうとしてるの?」
「違う! 違うの! ホントに危険なの! だって、この屋敷には――」
ミナの息が詰まる。
階段を何者かが上がってくる気配がする。
アーサーは空気を察して従魔、クオンを呼び出した。
犬と狼の中間のような外見の従魔を呼び出したアーサーが、ミナの肩に触れる。
「他人の魔力が混ざってる。……暗示か?」
「御明察だ。さすが、我が娘の恋人に選ばれるだけはある」
扉が開き、冷気を纏ったブラッドが部屋に現れる。
「お父様、ミナに何をしたの?」
「私にも分かるように事情を聞いてもらおうと思っていたが、狂言だったようだね。いや、良かったよ。本当に」
エレノアの影から鎖が伸び、アーサーの身体を拘束する。
「……チッ。やれ、クオン!」
アーサーが命じるが、ブラッドの影から伸びた鎖がクオンを拘束し、壁に叩きつける。頭を強く打ちつけた従魔は昏睡し、動かなくなった。
「何が起きてるの!?」
「……最初から仕組まれていたのか」
焦るエレノア、冷や汗を垂らすアーサー。
ブラッドが杖で床を突くと、そこには巨大な魔法陣が浮かび上がる。
「魂を入れ替える魔法。というものを、若い頃に思いついてね。だが、実行する為には魔力が足りなかった。最初は従魔を使いこの世界の住民の魂を糧にしようと考えたが、アーサーに阻まれてしまった。ゆえに、今度はアーサーの魔力に目をつけさせてもらった。エレノア、君のお陰でアーサーが手に入ったよ。ありがとう、さすが私の娘だ」
「どういうこと……?」
「エレノアの身体には生まれつきある呪いを掛けてある。それは、結婚した者の魔力を父である私に全て転送する、というものだ。他にも、強い魔力を持つ者に惚れるよう高度な催眠も掛けておいた。分かるかね。お前の恋は全て、私に利用される為だけに存在していたのだよ」
10
あなたにおすすめの小説
「『お前に書く手紙などない』と言った婚約者へ、私は7年間手紙を書き続けた——ただし、届け先は別の人でした」
歩人
ファンタジー
辺境伯令嬢リゼットは、婚約者に7年間手紙を書き続けた。返事は一度もなかった。
「お前に書く手紙などない。顔も覚えていない」——婚約破棄。しかしリゼットは
泣かなかった。手紙の本当の届け先は、最初から別にあったから。前世の情報分析
能力で辺境の異変を読み解き、暗号として織り込んだ7年分の手紙。それを受け取り
続けていたのは第一王子。リゼットは誰にも知られず、王国を守っていた。
婚約破棄の翌朝、王子からの手紙が届く。「7年間、ありがとう。迎えに行く」
「地味ブス」と捨てられた私、文化祭の大型スクリーンで王子様の裏の顔を全校生に配信します
スカッと文庫
恋愛
「お前みたいな地味女、引き立て役にもならないんだよ」
眼鏡にボサボサ頭の特待生・澪(みお)は、全校生徒が見守る中、恋人だった学園の王子・ハルトから冷酷に捨てられた。
隣には、可憐な微笑みを浮かべる転校生・エマ。
エマの自作自演により「いじめの犯人」という濡れ衣まで着せられ、学園中から蔑まれる澪。
しかし、彼女を嘲笑う者たちはまだ知らない。
彼女が眼鏡の奥に、誰もが平伏す「真実の美貌」と、学園さえも支配できる「最強の背景」を隠していることを――。
「……ねぇ、文化祭、最高のステージにしてあげる」
裏切りへのカウントダウンが今、始まる。
スクリーンの裏側を暴き、傲慢な王子と偽りのヒロインを奈落へ突き落とす、痛快・学園下剋上ファンタジー!
おさななじみの次期公爵に「あなたを愛するつもりはない」と言われるままにしたら挙動不審です
ワイちゃん
恋愛
伯爵令嬢セリアは、侯爵に嫁いだ姉にマウントをとられる日々。会えなくなった幼馴染とのあたたかい日々を心に過ごしていた。ある日、婚活のための夜会に参加し、得意のピアノを披露すると、幼馴染と再会し、次の日には公爵の幼馴染に求婚されることに。しかし、幼馴染には「あなたを愛するつもりはない」と言われ、相手の提示するルーティーンをただただこなす日々が始まり……?
側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、陛下は私を離してくれません!
花瀬ゆらぎ
恋愛
「おまえには、国王陛下の側妃になってもらう」
婚約者と親友に裏切られ、傷心の伯爵令嬢イリア。
追い打ちをかけるように父から命じられたのは、若き国王フェイランの側妃になることだった。
しかし、王宮で待っていたのは、「世継ぎを産んだら離縁」という非情な条件。
夫となったフェイランは冷たく、侍女からは蔑まれ、王妃からは「用が済んだら去れ」と突き放される。
けれど、イリアは知ってしまう。 彼が兄の死と誤解に苦しみ、誰よりも孤独の中にいることを──。
「私は、陛下の幸せを願っております。だから……離縁してください」
フェイランを想い、身を引こうとしたイリア。
しかし、無関心だったはずの陛下が、イリアを強く抱きしめて……!?
「離縁する気か? 許さない。私の心を乱しておいて、逃げられると思うな」
凍てついた王の心を溶かしたのは、売られた側妃の純真な愛。
孤独な陛下に執着され、正妃へと昇り詰める逆転ラブロマンス!
※ 以下のタイトルにて、ベリーズカフェでも公開中。
【側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、陛下は私を離してくれません】
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
あなたに嘘を一つ、つきました
小蝶
恋愛
ユカリナは夫ディランと政略結婚して5年がたつ。まだまだ戦乱の世にあるこの国の騎士である夫は、今日も戦地で命をかけて戦っているはずだった。彼が戦地に赴いて3年。まだ戦争は終わっていないが、勝利と言う戦況が見えてきたと噂される頃、夫は帰って来た。隣に可愛らしい女性をつれて。そして私には何も告げぬまま、3日後には結婚式を挙げた。第2夫人となったシェリーを寵愛する夫。だから、私は愛するあなたに嘘を一つ、つきました…
最後の方にしか主人公目線がない迷作となりました。読みづらかったらご指摘ください。今さらどうにもなりませんが、努力します(`・ω・́)ゞ
せめて、淑女らしく~お飾りの妻だと思っていました
藍田ひびき
恋愛
「最初に言っておく。俺の愛を求めるようなことはしないで欲しい」
リュシエンヌは婚約者のオーバン・ルヴェリエ伯爵からそう告げられる。不本意であっても傷物令嬢であるリュシエンヌには、もう後はない。
「お飾りの妻でも構わないわ。淑女らしく務めてみせましょう」
そうしてオーバンへ嫁いだリュシエンヌは正妻としての務めを精力的にこなし、徐々に夫の態度も軟化していく。しかしそこにオーバンと第三王女が恋仲であるという噂を聞かされて……?
※ なろうにも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる