巻き込まれ転移者の異世界ライフ。○○人の女を囲って幸せに生きる ~ざまぁで終わらせるわけないだろ~

みかん畑

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12 四度目の挑戦

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「お疲れ様でした。サイハラ様」

 白いドレスを着た女性が能面で佇んでいる。
 そういえば前回死んだ時に、ありのままでいいよ的な話をしたんだったな。
 だが、そんなことはどうでもいい。

「また転生をされますよね?」
「そのつもりですよ。すぐにお願いします」
「すごく怒ってましたから、きっとそうするだろうなと思いました」
「そうですか。というか、見てたんですね」

 言葉に険が混じる。八つ当たりだと分かっているのに、感情を抑えるのが難しかった。

「すみません。俺、イラついてしまって」
「いえ、サイハラ様は優しいですね」

 女神でも間違えることはあるんだな。
 俺に優しさなんかない。
 あるのは魔人に対する怒りだけだ。

「ちなみに、次の人生はやり直し地点を動かすこともできますよ」
「初めからじゃなくていいんですか?」
「人生には分岐点があります。どこでもいいというわけではありませんが、分岐からやり直すこともできます」
「なるほど。だったら、あそこからやり直せますか?」

 今回の俺は手短に女神との話を済ませて、すぐさま四度目の人生に突入した。

 やり直す時間は決まっている。

「魔法が崩れましたね。相手が男であれば、このように裸体を見せて油断を誘う魔人もいます」

 そう、アイスとの修行の最中からだ。

 アイスが俺に裸体を見せて魔法を特訓している時、俺は劣情に駆られて彼女を襲ってしまった。
 しかし、一度失敗を経験している俺は、冷静に魔法を再構築することができた。

「いついかなる時でも冷静さを失わなければ戦える……ということだな」
「見事なアクアランスです」

 アイスが嬉しそうに微笑んだ。

(セーフ……)

 今回は暴走せずに済んだ。それも、アイスを失った喪失感を経験していたからだ。
 再びドレスを着たアイスに対して、親愛の情が募る。
 しかし、それは俺の心になかに留めておくべき感情だ。

 今は相談することもあるからな。

「……アイス、実は今回、俺は四度目のやり直しになるんだ」
「へ?」

 アイスが戸惑っている。
 まあ、いきなりこんなことを言われても困るよな。
 俺は順を追って説明した。

 転生先にこの世界を選んだはいいが、失敗続きで四度目のやり直しになったこと。
 前回の転生では、元帥の襲撃で命を落としたこと。

 アイスとの契約破棄については話さなかったが、アイスしか知りえないことを俺が知っていたことで、彼女は納得してくれた。

「……なるほど。ありえない話ではありませんね。実は、私も元帥の正体には気づいていました。恐らくユウスケ様が手にした魔剣も、その正体には気づいていたでしょう。それでも本当のことを伝えなかったのは、あの魔人がやり手だと感じたからです。今の段階で戦っても、正直勝ち目は薄いと……。それで、相手はどんな魔法を使いましたか?」
「空間を転移する魔法と、命中したものを貫通する魔法、それから当たったものを破裂させる魔法を使ってた。俺が先にやられたせいで……」

 精霊は地上で魔法を使うのに、人間との契約が必要だ。俺が死にかけたことでフレアは急速に魔力を失い、そのまま負けたんだ。あの時、俺がすぐさま自分の身を守って態勢を整えていたら、状況は違ってたかもしれない。

「なるほど。空間転移がオリジナルで、他は昔から魔人が使う魔法ですね。結界を撃ち抜く『貫通』と触れたものを『破壊』する攻撃魔法。どちらも厄介な魔法ですね」
「……勝てると思うか?」

 思わず聞いてしまった。

「戦うのは私ではありませんよ」
「でも、最初に俺が動けなくなったせいでやられたんだ。正直、同じ攻め方できたら動ける自信がない……」
「負ける可能性もありますが、負けたらまたやり直せばいいだけです」
「……死ぬのってすごく痛いんだよ。身体だけじゃなくて、心まで痛むんだ」
「そうでしょうね。でも、マスターが選んだのはそういう道です。アイシス様は神託で仰っていました。今からこの世界を救ってくれる勇者を送ると。女神様はマスターに期待しています。もちろん、私だって同じです」

 期待値が高すぎるんだよ。

 それでも、ここで戦わないと前に進めないと思った。

「一緒に対策を練ってくれないか」
「実は一つ策があります。ただ、その方法を取ると一つ困ることが……」
「何かリスクでもあるのか?」
「はい。卑怯すぎて勝ち誇ることが難しくなると思います」
「その案でいこう」
「まだ何も言ってませんが……」

 アイスは呆れているが、彼女ならこの状況を打開できると思う。
 俺はアイスを信じて彼女の作戦に乗っかることにした。
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