13 / 69
13 アイスの助言
しおりを挟む
「魔法を扱う感覚を覚えた今のマスターであれば、スキルを今までよりも使いこなせると思うんです」
「時間停止のスキルか」
「はい。強力であると同時に、魔力の消費が激しすぎて使えなかったということですよね」
二度目の転生の時に、時間停止のスキルを使って立ち回ろうとした結果、魔力を使い果たして動けなくなったのだ。
「スキルの効果範囲が広すぎたのが失敗の原因だと思うんです。例えば、範囲を部屋の中だけに限定してみることで消費魔力を抑えられないでしょうか?」
「そうか。範囲を限定する方法なら使いやすくなるかもしれない」
早速試してみることにする。
「……止まれ」
念じた瞬間、部屋の中だけが停止した。
当然、アイスも停止した状態だ。
俺はアイスの後ろに回ってから、停止状態を解除した。
「すごいですマスター! 今、時を止めたのですね?」
「アイスの発想のお陰だよ。部屋の中を停止させるだけなら全然魔力を使わないらしい」
「マスター、停止範囲を城全体まで広げられますか?」
「ああ、余裕だと思う」
停止させる範囲を城内に広げてみた。しかし、部屋を止めている時と大差ない印象だ。
「こちらから仕掛けてもいいかもな」
「倒すだけなら問題ないですが、事後処理を考えると待ち構えて生け捕りにした方が正解かと……。正当防衛だったという証拠は作っておいた方がいいと思います」
確かに、この部屋で迎え撃った方が証拠は残しやすいだろうな。
「マスター、一つ新しい魔法を覚えてみませんか?」
「新しい攻撃魔法か?」
「いえ、敵を感知する為の魔法です。アイスサークルという感知用の魔法があります。ドーム状に不可視の結界を張って、侵入者がいたらすぐに感知できるようになる魔法です。この結界は張っていることがすぐにバレてしまう類の魔法ですが、牽制にもなります」
「相手の奇襲にすぐ気づけるのか。それは便利そうだな」
「はい、とても便利な魔法です。マスターは魔法のセンスがありますし、すぐに扱えるようになると思いますよ」
センスがあるかは分からないが、経験値は着実に増えてると思う。
アイスの期待に応える為にも、覚えてみるか。
俺はアイスを通じて魔法の登録を行い、さっそく練習に入った。
「驚きました。たった二度の発動で完全に修得するなんて……。さすがは女神の使徒ですね」
「この結界は常時張らせてもらうか」
「その方がいいでしょうね。元帥は恐らく奇襲で来るでしょうし――」
「貴様らの時間はここで終わりだ」
――奇襲のタイミングが変わった!?
空間を割いて現れた男の指が輝いたが、事前に感知できていたことで、冷静に対処することができた。
俺はすぐさま時間停止のスキルを発動し、ドーグを停止させる。
凍りついた表情のドーグを観察しながら、拳を叩き込んだ。
「よくもフレアを……」
殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。死んでも構わないと思いながら殴り続ける。
「はぁ……はぁ……」
時間停止の範囲を部屋からドーグ本人に切り替える。
細かい出力の調整まで出来るようになってきた。
だいぶ器用になってきた自覚がある。
「ハジメ様……その手は……っ」
「ああ、苛立ちが抑えきれなかった」
「無理をなさらないでください! すぐに治癒します!」
アイスを驚かせてしまったな。
しかし、フレアの仇だと思えばまだ殴り足りない程だ。
「時間停止は完全に操れてますね」
「アイスの発想のお陰だよ。こんな使い方、考えもしなかった」
「いえ、アイスサークルがあったことを加味しても、完璧な対応でした」
「ドーグは警戒心が強い魔人だったからな。既に警戒していた俺がさらに術を習得したとなれば、焦って動き出す可能性はあると思ってたんだ」
「さすがの読みです」
そう言いつつ、アイスにも動じた様子はない。
彼女ももしかしたら読んでいたのかもしれない。
ドーグが網に掛かることを。
「……なあ、アイスなら俺がいなくてもこいつを倒せたか?」
「それは意味のない仮定ですよ。マスターがこの地上にいない場合、精霊は力を行使できませんから」
「それでも聞かせて欲しいんだ。アイスと同等の精霊がここにいたとして、俺が奇襲で倒れなかったなら、反撃で倒すことはできたと思うか?」
「そうですね。私の友人でも勝てたと思いますよ。奇襲しか能のない小物でしたし」
俺が倒れなければ、フレアは勝っていたということだ。
アイスから聞けてスッキリした。
あとはこいつの処罰だ。
女王に突き出して裁いてもらわないとな。
「時間停止のスキルか」
「はい。強力であると同時に、魔力の消費が激しすぎて使えなかったということですよね」
二度目の転生の時に、時間停止のスキルを使って立ち回ろうとした結果、魔力を使い果たして動けなくなったのだ。
「スキルの効果範囲が広すぎたのが失敗の原因だと思うんです。例えば、範囲を部屋の中だけに限定してみることで消費魔力を抑えられないでしょうか?」
「そうか。範囲を限定する方法なら使いやすくなるかもしれない」
早速試してみることにする。
「……止まれ」
念じた瞬間、部屋の中だけが停止した。
当然、アイスも停止した状態だ。
俺はアイスの後ろに回ってから、停止状態を解除した。
「すごいですマスター! 今、時を止めたのですね?」
「アイスの発想のお陰だよ。部屋の中を停止させるだけなら全然魔力を使わないらしい」
「マスター、停止範囲を城全体まで広げられますか?」
「ああ、余裕だと思う」
停止させる範囲を城内に広げてみた。しかし、部屋を止めている時と大差ない印象だ。
「こちらから仕掛けてもいいかもな」
「倒すだけなら問題ないですが、事後処理を考えると待ち構えて生け捕りにした方が正解かと……。正当防衛だったという証拠は作っておいた方がいいと思います」
確かに、この部屋で迎え撃った方が証拠は残しやすいだろうな。
「マスター、一つ新しい魔法を覚えてみませんか?」
「新しい攻撃魔法か?」
「いえ、敵を感知する為の魔法です。アイスサークルという感知用の魔法があります。ドーム状に不可視の結界を張って、侵入者がいたらすぐに感知できるようになる魔法です。この結界は張っていることがすぐにバレてしまう類の魔法ですが、牽制にもなります」
「相手の奇襲にすぐ気づけるのか。それは便利そうだな」
「はい、とても便利な魔法です。マスターは魔法のセンスがありますし、すぐに扱えるようになると思いますよ」
センスがあるかは分からないが、経験値は着実に増えてると思う。
アイスの期待に応える為にも、覚えてみるか。
俺はアイスを通じて魔法の登録を行い、さっそく練習に入った。
「驚きました。たった二度の発動で完全に修得するなんて……。さすがは女神の使徒ですね」
「この結界は常時張らせてもらうか」
「その方がいいでしょうね。元帥は恐らく奇襲で来るでしょうし――」
「貴様らの時間はここで終わりだ」
――奇襲のタイミングが変わった!?
空間を割いて現れた男の指が輝いたが、事前に感知できていたことで、冷静に対処することができた。
俺はすぐさま時間停止のスキルを発動し、ドーグを停止させる。
凍りついた表情のドーグを観察しながら、拳を叩き込んだ。
「よくもフレアを……」
殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。殴る。死んでも構わないと思いながら殴り続ける。
「はぁ……はぁ……」
時間停止の範囲を部屋からドーグ本人に切り替える。
細かい出力の調整まで出来るようになってきた。
だいぶ器用になってきた自覚がある。
「ハジメ様……その手は……っ」
「ああ、苛立ちが抑えきれなかった」
「無理をなさらないでください! すぐに治癒します!」
アイスを驚かせてしまったな。
しかし、フレアの仇だと思えばまだ殴り足りない程だ。
「時間停止は完全に操れてますね」
「アイスの発想のお陰だよ。こんな使い方、考えもしなかった」
「いえ、アイスサークルがあったことを加味しても、完璧な対応でした」
「ドーグは警戒心が強い魔人だったからな。既に警戒していた俺がさらに術を習得したとなれば、焦って動き出す可能性はあると思ってたんだ」
「さすがの読みです」
そう言いつつ、アイスにも動じた様子はない。
彼女ももしかしたら読んでいたのかもしれない。
ドーグが網に掛かることを。
「……なあ、アイスなら俺がいなくてもこいつを倒せたか?」
「それは意味のない仮定ですよ。マスターがこの地上にいない場合、精霊は力を行使できませんから」
「それでも聞かせて欲しいんだ。アイスと同等の精霊がここにいたとして、俺が奇襲で倒れなかったなら、反撃で倒すことはできたと思うか?」
「そうですね。私の友人でも勝てたと思いますよ。奇襲しか能のない小物でしたし」
俺が倒れなければ、フレアは勝っていたということだ。
アイスから聞けてスッキリした。
あとはこいつの処罰だ。
女王に突き出して裁いてもらわないとな。
1
あなたにおすすめの小説
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります
内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品]
冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた!
物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。
職人ギルドから追放された美少女ソフィア。
逃亡中の魔法使いノエル。
騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。
彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。
カクヨムにて完結済み。
( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )
ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。
タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。
しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。
ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。
激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~
石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。
ありがとうございます
主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。
転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。
ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。
『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。
ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする
「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。
痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~
ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。
食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。
最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。
それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。
※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。
カクヨムで先行投稿中!
レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。
玉ねぎサーモン
ファンタジー
絶望スキル× 害悪スキル=限界突破のユニークスキル…!?
成長できない主人公と存在するだけで周りを傷つける美少女が出会ったら、激レアユニークスキルに!
故郷を魔王に滅ぼされたむっつりスケベな主人公。
この世界ではおよそ1000人に1人がスキルを覚醒する。
持てるスキルは人によって決まっており、1つから最大5つまで。
主人公のロックは世界最高5つのスキルを持てるため将来を期待されたが、覚醒したのはハズレスキルばかり。レベルアップ時のステータス上昇値が半減する「成長抑制」を覚えたかと思えば、その次には経験値が一切入らなくなる「無駄骨」…。
期待を裏切ったため育ての親に殺されかける。
その後最高レア度のユニークスキル「スキルスナッチ」スキルを覚醒。
仲間と出会いさらに強力なユニークスキルを手に入れて世界最強へ…!?
美少女たちと冒険する主人公は、仇をとり、故郷を取り戻すことができるのか。
この作品はカクヨム・小説家になろう・Youtubeにも掲載しています。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる