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14 女王の器
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「まさか、信じられません。国に忠誠を誓っていた彼が、邪神の手先だったなんて……」
女王の動揺は俺が想像していたよりも大きかった。
完全に青褪め、俺達を前にして取り繕うことさえ出来ていない。
「間違いなさそうだな。シロ……じゃねえ。グラムもそいつは魔人だって言ってるし。つーか、もっと早く教えてくれりゃ俺がぶっ殺してやったのによ」
謁見の間に招集された俺達は、女王に判断を仰いだ。
停止していたドーグはアイスの封印処置によって力を奪われた状態だ。
既に時間停止は解いているが、抵抗する意思は感じられない。
「元帥、あなたは本当に魔人なのですか?」
「陛下、これは勇者達による陰謀なのです。私から力を奪い、玉座を狙おうという魂胆です。もし私が魔人であったなら、あなたは既に亡き者となっていたでしょう。そのチャンスなど幾らでもあったのですから」
「見苦しいぜ。聖剣グラムが魔人だって言ってんだよ。なんでオッサンを狙ったのかは知らねえけど、お前が俺達の敵だってことはハッキリしてるだろ」
「私はハジメ殿に謝罪をしようとして訪問しただけです。それを、いきなり攻撃されて魔人に仕立てられました。異世界の方々、どうか邪な考えを捨て、女王陛下に忠義を尽くしてください」
演技をやめるつもりはないようだな。
「アイス、何かいい手はないか」
「隷属の首輪を使うのがいいでしょう。この国でも奴隷を扱っていると聞きます」
「しかし、元帥を奴隷とするなど……」
女王は反対の立場らしい。臣下を一時的にでも奴隷にするなど許さないという考えなんだろう。
「陛下、国の為を思えば、元帥も納得してくださるでしょう。今までも疑わしき者にはこの隷属の首輪が役立ってきました」
「準備がいいですね。最初からあなたもドーグを奴隷とするつもりだったのですか」
「私の役割は宰相として必要な助言を陛下に伝えることです。ドーグ元帥、あなたも責任ある立場として、納得してくださいますね?」
「最早言い逃れはできんか……」
ドーグが笑いだした。これは、刑事ドラマで犯人が自供するシーンに雰囲気が似てるな。とか思っていたら、奴は本当に自供した。
「私はエルゴガーデン様によって生み出された魔人だ。騙していてすまなかったな」
「そんな……本当に魔人だったなんて」
俺はドーグに近づいていき、顔面に蹴りを入れてやった。
「ぐはっ……」
「何をするのですか!?」
女王が騒ぐが知ったことか。
こいつがフレアにしたことを考えれば全く足りないくらいだ。
宰相から奪った首輪をつけてやる。
「ドーグ、なぜこの国に潜入していたか話せ」
「話すわけがなかろう……ぐっ」
「隷属の首輪は命令に背く者の首を絞めるようにできています。さっさと従った方が身の為ですよ」
宰相が忠告する。
「わ、分かっている」
ドーグが従順になる。やはり死ぬのは恐ろしかったか。
「私の役目は勇者の抹殺だった。エルゴガーデン様は全知全能の神。未来さえ見通すことができる神なのだ。勇者がこの国に召喚されることは既に分かっていた。だから、この私が送り込まれてきたのだ」
「てめえ、俺を狙ってたのか!」
「どうして狙いを俺に変えたんだ」
「それは、貴様が精霊王を従えた不確定要素だったからだ。本来、エルゴガーデン様の未来視にお前の存在はなかった。おぞましい……勇者など比較にならんほどの魔力を備えたバケモノめ……。貴様さえいなければ……うっ……」
ドーグが吐血する。
「お、おい! 何が起こってるんだ! 誰か説明しろよ!」
「邪神エルゴガーデンは自身の命令に逆らう者を決して許さない非情な神なのです。彼は役目を果たせなかったことで粛清されたのでしょう」
「ドーグ……! 死なないでください!」
(こいつマジか……)
この期に及んで裏切者の元帥に縋ろうとする女王の姿に呆れてしまう。
宰相も同じ意見だったようで、女王の肩に手を置いてドーグから引き離そうとしている。
「愚かな王族だ。我々の勝利は確……実……」
ドーグが事切れた。
「そんな……ああ……ドーグ。私の忠実な騎士が……」
「女王陛下はお疲れのようです。皆様、続きは明朝としましょう」
宰相の呼びかけで解散する。
この国の未来のなさに、俺は失笑をこらえるしかなかった。
女王の動揺は俺が想像していたよりも大きかった。
完全に青褪め、俺達を前にして取り繕うことさえ出来ていない。
「間違いなさそうだな。シロ……じゃねえ。グラムもそいつは魔人だって言ってるし。つーか、もっと早く教えてくれりゃ俺がぶっ殺してやったのによ」
謁見の間に招集された俺達は、女王に判断を仰いだ。
停止していたドーグはアイスの封印処置によって力を奪われた状態だ。
既に時間停止は解いているが、抵抗する意思は感じられない。
「元帥、あなたは本当に魔人なのですか?」
「陛下、これは勇者達による陰謀なのです。私から力を奪い、玉座を狙おうという魂胆です。もし私が魔人であったなら、あなたは既に亡き者となっていたでしょう。そのチャンスなど幾らでもあったのですから」
「見苦しいぜ。聖剣グラムが魔人だって言ってんだよ。なんでオッサンを狙ったのかは知らねえけど、お前が俺達の敵だってことはハッキリしてるだろ」
「私はハジメ殿に謝罪をしようとして訪問しただけです。それを、いきなり攻撃されて魔人に仕立てられました。異世界の方々、どうか邪な考えを捨て、女王陛下に忠義を尽くしてください」
演技をやめるつもりはないようだな。
「アイス、何かいい手はないか」
「隷属の首輪を使うのがいいでしょう。この国でも奴隷を扱っていると聞きます」
「しかし、元帥を奴隷とするなど……」
女王は反対の立場らしい。臣下を一時的にでも奴隷にするなど許さないという考えなんだろう。
「陛下、国の為を思えば、元帥も納得してくださるでしょう。今までも疑わしき者にはこの隷属の首輪が役立ってきました」
「準備がいいですね。最初からあなたもドーグを奴隷とするつもりだったのですか」
「私の役割は宰相として必要な助言を陛下に伝えることです。ドーグ元帥、あなたも責任ある立場として、納得してくださいますね?」
「最早言い逃れはできんか……」
ドーグが笑いだした。これは、刑事ドラマで犯人が自供するシーンに雰囲気が似てるな。とか思っていたら、奴は本当に自供した。
「私はエルゴガーデン様によって生み出された魔人だ。騙していてすまなかったな」
「そんな……本当に魔人だったなんて」
俺はドーグに近づいていき、顔面に蹴りを入れてやった。
「ぐはっ……」
「何をするのですか!?」
女王が騒ぐが知ったことか。
こいつがフレアにしたことを考えれば全く足りないくらいだ。
宰相から奪った首輪をつけてやる。
「ドーグ、なぜこの国に潜入していたか話せ」
「話すわけがなかろう……ぐっ」
「隷属の首輪は命令に背く者の首を絞めるようにできています。さっさと従った方が身の為ですよ」
宰相が忠告する。
「わ、分かっている」
ドーグが従順になる。やはり死ぬのは恐ろしかったか。
「私の役目は勇者の抹殺だった。エルゴガーデン様は全知全能の神。未来さえ見通すことができる神なのだ。勇者がこの国に召喚されることは既に分かっていた。だから、この私が送り込まれてきたのだ」
「てめえ、俺を狙ってたのか!」
「どうして狙いを俺に変えたんだ」
「それは、貴様が精霊王を従えた不確定要素だったからだ。本来、エルゴガーデン様の未来視にお前の存在はなかった。おぞましい……勇者など比較にならんほどの魔力を備えたバケモノめ……。貴様さえいなければ……うっ……」
ドーグが吐血する。
「お、おい! 何が起こってるんだ! 誰か説明しろよ!」
「邪神エルゴガーデンは自身の命令に逆らう者を決して許さない非情な神なのです。彼は役目を果たせなかったことで粛清されたのでしょう」
「ドーグ……! 死なないでください!」
(こいつマジか……)
この期に及んで裏切者の元帥に縋ろうとする女王の姿に呆れてしまう。
宰相も同じ意見だったようで、女王の肩に手を置いてドーグから引き離そうとしている。
「愚かな王族だ。我々の勝利は確……実……」
ドーグが事切れた。
「そんな……ああ……ドーグ。私の忠実な騎士が……」
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宰相の呼びかけで解散する。
この国の未来のなさに、俺は失笑をこらえるしかなかった。
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