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6 冤罪事件ですぅ!
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お昼休み、殿下の為に用意して来たバスケットを持って彼の席に向かうと、すでに先客がいました。
(あの方は……クライアントさん!)
「クラリス、何の用かな」
(……クラリスさんでした!)
「朝はお忙しそうだったので遠慮したのですが、殿下が研究しているマナ理論についてのレポートを書いてきたんです。ランチでも取りながら見ていただけないかと思いまして」
「なるほど。君の書いてきた論文なら是非読ませてもらいたいところだ」
「じゃあ……!」
「しかし、昼は先客があるんだ。もしよければこれは預からせてもらえないかな。王宮でじっくりと読ませてもらいたい」
「分かり……ました」
断られたクラリスさんがそそくさと私の横を通りすぎていこうとします。
「キャ!」
(ふぇ?)
クラリスさんが何かに躓いたのか、何もないところで転んでしまいました!
え? えーっと、大丈夫ですか?
手を貸そうとしたら、怒ったクラリスさんに睨まれてしまいました。
「いきなり突き飛ばすなんて酷いです! そんなに婚約者に近づこうとする私が邪魔でしたか!?」
クラスメイトたちが集まってきて、私たちを遠巻きに見ています。
「おい、今の見てたか?」
「ああ、何もないところでクラリスさんが……」
「いきなり突き飛ばすとか最低ね」
(ど、どうしろと……!?)
焦っている私を見かねたのか、殿下が無言で近づいてきました。
「何かあったのか?」
「それが……」
「聞いて下さいヴァレール様……! 私が彼女の前を通りすぎようとしたら、足を出して転ぶように仕向けたんです!」
「何? 足を……?」
殿下が鋭く私の足を睨みました。
う、疑われてますか!?
助けてくださいエミリー!
泣き叫びたい心境でしたが、彼女はきっと屋敷にいます!
殿下は考え込んでいましたが、さすが頭の回転が速いです。
事件を検証し始めました。
「再現してみようか。彼女はどうやって足を出したのかな?」
「はい。ここから、こうです……」
私も事件の中心人物のはずですが、驚きすぎて何も言えてません。
どうしろと……!
「なるほど。クラリス、一つ分かったことがある」
「はい、何でしょうか!」
「それはきっと君の勘違いだ」
「え……?」
クラリスさんが目を丸々と見開いています。
なんだか、信じられないものを……幽霊でも見たってくらいの驚きようです。
「実は、今朝がた彼女は足を怪我していてね。少し借りるよ」
「へ?」
殿下が私の足を掴んでいきなり引っ張ります。
あたたたた……! 股が……!
初めてエッチしたのでまだ股がズキズキしていたんです!
「痛いですよぉ!」
怒りのあまり殿下の頭をポカリと叩いてしまいました。
クラスメイトたちは「不敬だ……!」と驚いてます!
ど、どうしましょう。罪状が増えましたか?
「すまない。だが、これで証明されたと思う。ほら、痛みのせいでリアは泣いている。これが演技に見えるか?」
「見えませんが……私は確かに……」
「クラリス、実のところ俺は婚約者に声を掛けようと思って彼女を観察していたんだ。リアは足を出したりしていなかった。君が何もないところで勝手に転び、リアを犯人に仕立て上げようとしたんだ」
「リア様を犯人にしようだなんて考えてません!」
「だったら納得するべきだ。君は被害者であろうとするあまり、無実の彼女に対して加害者になっている。特待生であり、頭脳明晰な君なら俺の言っていることが分かるはずだ」
殿下の言葉はスパスパ切れるナイフみたいでした。
あっという間に優等生のクラリスさんを言いくるめてしまって、凄すぎます。
「……申し訳ありません。確かに脚が出たような気がしたのですが、私の勘違いだったかもしれません」
「確証もないのに決めつけるなど君らしくもない。それと、謝罪の相手を間違っているのではないか?」
「くっ……」
クラリスさんが射殺しそうな目で私を睨んでます。
こ、怖すぎですよ……!
「この度はぁぁぁ……申し訳ぇぇぇ……ありませんんんん」
「気にしてませんから……!」
怖かったー。私は殿下の腕にくっついて引っ張ります。
こんな空気が悪いところには一秒だっていたくありません。
「どうした?」
「サンドイッチ作ったので……」
「そうか。お前が俺の為に作ってくれるとはな」
ええと、実際はシェフが作った具をシェフが焼いたパンで挟んだだけなのですが。
サンドしたのは私なので、私が作ったと言っても過言ではないはずです。
「許さない。私の世界なのに」
教室を去り際、クラリスさんのただならぬ気配が怖かったです。
私の世界……って何のことなんでしょう。
分かりませんでしたけど、不吉な感じがしました。
お腹が空いたのでサンドイッチを食べてから考えましょう……。
(あの方は……クライアントさん!)
「クラリス、何の用かな」
(……クラリスさんでした!)
「朝はお忙しそうだったので遠慮したのですが、殿下が研究しているマナ理論についてのレポートを書いてきたんです。ランチでも取りながら見ていただけないかと思いまして」
「なるほど。君の書いてきた論文なら是非読ませてもらいたいところだ」
「じゃあ……!」
「しかし、昼は先客があるんだ。もしよければこれは預からせてもらえないかな。王宮でじっくりと読ませてもらいたい」
「分かり……ました」
断られたクラリスさんがそそくさと私の横を通りすぎていこうとします。
「キャ!」
(ふぇ?)
クラリスさんが何かに躓いたのか、何もないところで転んでしまいました!
え? えーっと、大丈夫ですか?
手を貸そうとしたら、怒ったクラリスさんに睨まれてしまいました。
「いきなり突き飛ばすなんて酷いです! そんなに婚約者に近づこうとする私が邪魔でしたか!?」
クラスメイトたちが集まってきて、私たちを遠巻きに見ています。
「おい、今の見てたか?」
「ああ、何もないところでクラリスさんが……」
「いきなり突き飛ばすとか最低ね」
(ど、どうしろと……!?)
焦っている私を見かねたのか、殿下が無言で近づいてきました。
「何かあったのか?」
「それが……」
「聞いて下さいヴァレール様……! 私が彼女の前を通りすぎようとしたら、足を出して転ぶように仕向けたんです!」
「何? 足を……?」
殿下が鋭く私の足を睨みました。
う、疑われてますか!?
助けてくださいエミリー!
泣き叫びたい心境でしたが、彼女はきっと屋敷にいます!
殿下は考え込んでいましたが、さすが頭の回転が速いです。
事件を検証し始めました。
「再現してみようか。彼女はどうやって足を出したのかな?」
「はい。ここから、こうです……」
私も事件の中心人物のはずですが、驚きすぎて何も言えてません。
どうしろと……!
「なるほど。クラリス、一つ分かったことがある」
「はい、何でしょうか!」
「それはきっと君の勘違いだ」
「え……?」
クラリスさんが目を丸々と見開いています。
なんだか、信じられないものを……幽霊でも見たってくらいの驚きようです。
「実は、今朝がた彼女は足を怪我していてね。少し借りるよ」
「へ?」
殿下が私の足を掴んでいきなり引っ張ります。
あたたたた……! 股が……!
初めてエッチしたのでまだ股がズキズキしていたんです!
「痛いですよぉ!」
怒りのあまり殿下の頭をポカリと叩いてしまいました。
クラスメイトたちは「不敬だ……!」と驚いてます!
ど、どうしましょう。罪状が増えましたか?
「すまない。だが、これで証明されたと思う。ほら、痛みのせいでリアは泣いている。これが演技に見えるか?」
「見えませんが……私は確かに……」
「クラリス、実のところ俺は婚約者に声を掛けようと思って彼女を観察していたんだ。リアは足を出したりしていなかった。君が何もないところで勝手に転び、リアを犯人に仕立て上げようとしたんだ」
「リア様を犯人にしようだなんて考えてません!」
「だったら納得するべきだ。君は被害者であろうとするあまり、無実の彼女に対して加害者になっている。特待生であり、頭脳明晰な君なら俺の言っていることが分かるはずだ」
殿下の言葉はスパスパ切れるナイフみたいでした。
あっという間に優等生のクラリスさんを言いくるめてしまって、凄すぎます。
「……申し訳ありません。確かに脚が出たような気がしたのですが、私の勘違いだったかもしれません」
「確証もないのに決めつけるなど君らしくもない。それと、謝罪の相手を間違っているのではないか?」
「くっ……」
クラリスさんが射殺しそうな目で私を睨んでます。
こ、怖すぎですよ……!
「この度はぁぁぁ……申し訳ぇぇぇ……ありませんんんん」
「気にしてませんから……!」
怖かったー。私は殿下の腕にくっついて引っ張ります。
こんな空気が悪いところには一秒だっていたくありません。
「どうした?」
「サンドイッチ作ったので……」
「そうか。お前が俺の為に作ってくれるとはな」
ええと、実際はシェフが作った具をシェフが焼いたパンで挟んだだけなのですが。
サンドしたのは私なので、私が作ったと言っても過言ではないはずです。
「許さない。私の世界なのに」
教室を去り際、クラリスさんのただならぬ気配が怖かったです。
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