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16 集まった想い
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奇跡みたいなできごとがあったあと、私たちはスラムの現状を確かめました。王国からの支援が感じられる場所なんかなくて、その原因は侯爵家であるエルランジェ家にあるようでした。
「あいつらはスラムへの支援と嘯いてあちこちから金を巻き上げてるんだ。実際の使い道は派閥の強化、ようするに賄賂だな。こっちには全く流れてきてないわけだ」
「……酷いもんだな。金の動きを調べればすぐに分かりそうなものだが、財務大臣たちは何をしているんだ」
「エルランジェ家は力を持ち過ぎた。王族でさえ蔑ろにはできない程にな。殿下の婚約者レースだって、巷ではマリエル様に軍配が上がると言われている」
「俺にはリアがいる! 候補として名前が挙がっているのは知っているが、興味はない」
「俺としても金を横領するような連中に、王妃になんてなって欲しくないけどな。放っといたらエルランジェ家の一人勝ちだ。手を打たねえと不味いぞ」
殿下の気持ちは私に向いてくれたと思います。
でも、それだけじゃ駄目なんですね。
「リアはどうすれば殿下と結婚できますか?」
「……すまない。俺にもっと力があれば不安にさせることなんてなかったのに」
「殿下、自分を責めている暇があったらお嬢様の為に動いてください」
「分かっている。それと、聖女の件についてだが……」
殿下が言い辛そうにしてるのが分かります。
「リアが聖女として有名になったら、大人気になってしまいますもんね。でも大丈夫ですよ? リアは殿下一筋なので」
「いや、そういうことじゃなくてな。聖女になったらプレッシャーとかが掛かるだろう。それが心配なんだ」
「ふぇ? 別にプレッシャーとかありませんよ? リアは自分にできることをするだけですから」
「……そうか。そういうお前だからこそ、女神様も力を貸してくれたのかもしれないな」
リアは聖女として相応しいか、教会から審査を受けることになりました。
それとティボーさんは顔役として殿下とのパイプ係になるそうです。
「この街の惨状については必ず回復させる。今まで気づくことができなくてすまなかった」
「お互い様だ。元々あんたらには期待してなかった。頼るってことがそもそも頭になかったからな。だが、上にも頼れる人もいるってことを俺は今日知った。タダでとは言わねえが、あんたのことも頼らせてもらうぜ」
「こちらも信頼してもらえるよう結果を出すつもりだ」
ティボーさんと殿下が握手を交わします。
貧民街のトップと王族が手を取り合うなんて、胸が熱くなる光景ですね。
「……お嬢様を通して、父はこの国をもう一度信じてみる気になったのでしょう」
「そ、そうですかねぇ」
「父は近衛騎士団の団長にまで上り詰めた方なので、きっとお嬢様の力になってくれますよ」
(そ、そんな凄い方だったんですねぇ!)
「あんたからも一言もらえないか?」
「へ? えっと、じゃあ皆で協力して、この街を変えていきましょうね! 悪い奴らはぶっ飛ばしましょう!」
「よし、その意気だ!」
絶対に負けられない戦いですね!
「あいつらはスラムへの支援と嘯いてあちこちから金を巻き上げてるんだ。実際の使い道は派閥の強化、ようするに賄賂だな。こっちには全く流れてきてないわけだ」
「……酷いもんだな。金の動きを調べればすぐに分かりそうなものだが、財務大臣たちは何をしているんだ」
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「俺にはリアがいる! 候補として名前が挙がっているのは知っているが、興味はない」
「俺としても金を横領するような連中に、王妃になんてなって欲しくないけどな。放っといたらエルランジェ家の一人勝ちだ。手を打たねえと不味いぞ」
殿下の気持ちは私に向いてくれたと思います。
でも、それだけじゃ駄目なんですね。
「リアはどうすれば殿下と結婚できますか?」
「……すまない。俺にもっと力があれば不安にさせることなんてなかったのに」
「殿下、自分を責めている暇があったらお嬢様の為に動いてください」
「分かっている。それと、聖女の件についてだが……」
殿下が言い辛そうにしてるのが分かります。
「リアが聖女として有名になったら、大人気になってしまいますもんね。でも大丈夫ですよ? リアは殿下一筋なので」
「いや、そういうことじゃなくてな。聖女になったらプレッシャーとかが掛かるだろう。それが心配なんだ」
「ふぇ? 別にプレッシャーとかありませんよ? リアは自分にできることをするだけですから」
「……そうか。そういうお前だからこそ、女神様も力を貸してくれたのかもしれないな」
リアは聖女として相応しいか、教会から審査を受けることになりました。
それとティボーさんは顔役として殿下とのパイプ係になるそうです。
「この街の惨状については必ず回復させる。今まで気づくことができなくてすまなかった」
「お互い様だ。元々あんたらには期待してなかった。頼るってことがそもそも頭になかったからな。だが、上にも頼れる人もいるってことを俺は今日知った。タダでとは言わねえが、あんたのことも頼らせてもらうぜ」
「こちらも信頼してもらえるよう結果を出すつもりだ」
ティボーさんと殿下が握手を交わします。
貧民街のトップと王族が手を取り合うなんて、胸が熱くなる光景ですね。
「……お嬢様を通して、父はこの国をもう一度信じてみる気になったのでしょう」
「そ、そうですかねぇ」
「父は近衛騎士団の団長にまで上り詰めた方なので、きっとお嬢様の力になってくれますよ」
(そ、そんな凄い方だったんですねぇ!)
「あんたからも一言もらえないか?」
「へ? えっと、じゃあ皆で協力して、この街を変えていきましょうね! 悪い奴らはぶっ飛ばしましょう!」
「よし、その意気だ!」
絶対に負けられない戦いですね!
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