スキルポイント100万の鬼畜チート転生者、村ごとハーレムで苦も無く魔王ムーブをかます

みかん畑

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対峙

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 亜人達が収容されているのは、王都の大きな研究所の地下だった。
 千里眼と転移の応用で戦闘を避けて進んでいく。

 さて、無事に牢屋まで辿り着いたはいいが、さすがに見張りがついていた。

「こんな夜中まで立哨か。アリソン並みに真面目だな」
「お前は……魔王エリク……ですか?」
「キョウヤとか言ったか。勇者がこんなところで何してるんだ?」
「お前さえいなければ……!」

 聖剣を抜いて斬りかかってきたキョウヤの腹に蹴りを叩きこむ。

「か……はっ……」
「少し覗かせてもらうぞ……。ん?」

 通路を挟む形で12の牢があるが、一つ目の牢にいたのは人間のメイドだった。

「その娘は……僕の人質です。僕が逃げないように……裏切らないように……収容されているんですよ」
「話が全く理解できない。どうして救出して一緒に逃げないんだ? 勇者の力があればそれくらいできるだろ」
「王国を捨ててどこに逃げろと? 野垂れ死んで餓死するだけですよ」
「悪さをしないなら俺の領地で受け入れてもいいが」
「魔王なんか信じられませんよ! ララ殿下を暴行した貴様を憎む王国人は多い! 僕もその一人です!」

 キョウヤを無視して他の牢屋を確認する。
 こちらには亜人の娘達が裸で収容されていた。

「殺して……」
「もう嫌」

 ――酷い有様だ。

「彼女達をここの兵士達は好きにしてたのか?」
「……そうですよ。でも兵士達だけじゃない。民衆にも開放されるんです。不満の矛先を王家から逸らす為に、広場に彼女達を繋いで一般公開するんです。誰でも好きに犯せる公衆便所扱いですよ。地獄でしょう?」
「キョウヤ、どうして助けない」
「だから、逃げる場所なんかないんですよ」
「ないなら作ればいい。貧相な土地でも改良して農作物が育つようにして商売が回るよう手伝ってやればいい。それだけの力が俺達にはあるはずだ。どうしてそれをしない。ただ黙って見てるだけなら勇者じゃなくてもできるだろ」
「あんたはそう言うけど……!」

 キョウヤに胸倉を掴まれる。

「失敗したらどうするんですか……! 僕はただの学生で、できることだって限られてるのに……。責任だって取れないですよ」
「無理なら責任なんか取る必要はない。相手にどうしたいか聞いて選ばせればいい。選んだ先で失敗してもそれはお前だけじゃなくて当人の責任だ」

 俺は転移用のゲートを開いた。
 そして、震脚という技で大地を揺らし、牢屋の扉を破壊した。

「亜人達よ、聞け! お前達は今この瞬間から解放される! もう自由だ! このままここにいたければそうしろ! 他の亜人と合流して暮らしたいなら俺の領地に転移しろ! 衣食住とまっとうな仕事の斡旋は約束する!」

 声を張り上げると、我先にと亜人が逃げ出してきた。

「はは……。あなたは簡単にこなすんですね。王女を襲った悪魔の癖に……。僕だって、彼女達の食糧の確保だけは頑張ったんですよ」

 亜人達はキョウヤに対して礼など言わない。

「魔王様、救いにきてくださると思ってました」
「ありがとうございます!」
「あなたは私達の光です」

 ゲートを通る前に清浄と治癒の魔法は使う。
 牢はほぼ空になったが、2か所だけ人が残っていた。
 リュシーの牢と、亜人の少女が入った牢だ。

「お前はなぜ逃げない」

 脚でも怪我してるのか? と思ったが違った。

「その娘は……今朝がた妹を失くしたんです」

 猫のような耳が生えた少女が、もう一人の少女を抱いたまま蹲ってる。

「お前が立ち上がらなきゃ、その娘もずっとここにいることになる。それでもいいのか?」

 フルフルと首を横に振る。

「2人の名前を教えてくれ」
「ネイヤ……。この娘はネネ」
「妹か?」
「私が……もっとパンをあげなかったから、死んじゃった」

 ネイヤが泣きじゃくっている。

「キョウヤ……」
「し、仕方なかったんだ! 反抗的な亜人には食事を与えるなと言われた! そいつらは人間への奉仕を嫌がったから、1週間メシ抜きに……」
「外道が。俺も自分がクズだという自覚はあるが、お前は自分を正当化する最低のクズだ」

 ネイヤとネネを抱きしめる。

「ネイヤ、ネネを連れて俺の村にくるんだ。アリアっていう優しい人が仕事を教えてくれる。俺の世話係を2人でしてくれ」
「ネネは……っ」
「おね……ちゃ……」
「ネネ……! ああ、生きてた! ネネが生きてた!」
「良かったな」

 ストレージから暖めたスープを出して与える。

「ありがとうございます! この人が新しいご主人様だよ? エリク様っていうの!」
「エリク……しゃま?」
「ゆっくり休養をしてからだ。何も心配するな。全部俺が助ける」
「この人が本物の勇者様だよ! みんな助けてくれるもの!」
「何? じゃあ僕が偽物だって言いたいのかよ!」

 俺は2人を庇った。

「少なくとも彼女にとって本物は俺だって話だ。ネイヤ、ゲートを渡ってアリアを頼るんだ。いいな?」
「はいっ」

 俺は姉妹をゲートで村に送った。
 そして、転移扉を閉じる。

「落ちるところまで落ちたな。あんな子供にまで娼婦の真似事をさせようとしてたのか」
「お説教はやめてくださいよ。ララ殿下だって今頃泣いているはずだ」
「あいつなら頼んでもないの俺が建国した時の国名を考えてるぞ。被りがないか調べる為にずっと書庫に篭もってる」
「口では何とでも言えるんですよ!」

 さて、俺の仕事は終わったわけだが。
 残ったのは、キョウヤとリュシー。そして俺の3人だ。
 牢から出てきたリュシーという少女は、俺に向かって深々と頭を下げた。

「主に代わって皆様を助けていただきありがとうございます。私には爆破の術式が刻まれているので、ここで処分を――」
「それならもう解除した。問題ない」
「そうですか。では私もあなたの村で働かせてください」
「リュシー! 君は、僕と一緒にいないと駄目ですよ!」
「あなたは私の期待を裏切りました。エリク様、失礼します」

 言って、彼女は俺に口づけをした。

「私の忠誠、信じていただけますか?」
「アリアというメイトと共にさっきの娘達を見てやってくれ。それと、俺は自分の意思で女を増やす気はない。従者としての立場は弁えてくれると助かる」
「承知しました。ただ、必要とあればいつでも抱いていただいて結構です」

 再度ゲートを開くと、キョウヤが魔弾を撃って妨害した。

「キョウヤ様、これ以上私を惨めな気分にさせないでください。爆破の呪いがあったとはいえ、あなたのようなクズに抱かれていたことを思い出す度に吐き気がしそうです」
「リュシー、口の利き方に気をつけてください。僕だって勇者なんだ。こいつを越えられる!!!」

 噂のコアシステムをキョウヤが発動させた。

「ゴッド・ヒール」
「何を……ひぃ……!」

 キョウヤの胸元が盛り上がり、亜人の少女が分離される。
 眠っていた彼女を手元に転移させ、頭を撫でた。

「コアシステムを元の亜人に戻しただと……? そんな……そんなのズルいじゃないか。どうして同じ勇者なのにこんなに性能が違うんだよ! 頼んだわけじゃないだろ! 僕はこんな世界に来たくなかった! 誰か答えろよ! ざけんなっ!」
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