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指摘※お兄様視点
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夜、皆が寝静まった後、俺はロイヤルガードのメイドを部屋に呼んだ。
金髪を肩で切り揃えた、猛禽類のような目付き鋭い護衛の女。
名はアリ―と言ったか。
俺が弟の為に用意した護衛で、彼女はあいつが女体化して以来、忠実に使命を全うしてくれていた。
だが、それ故に油断していたのかもしれない。
いくら護衛とはいえ、同行できない場面もあるということが抜け落ちていたのだ。
例えば、皇帝の寝室。
城内における聖域である皇帝の寝室には、彼の認めた者しか立ち入れない。
例え護衛であったとしても、同行し、主を守ることはできないのだ。
「どうされましたか、レイン様。まさか弟君がいないから私に夜伽をせよということでしょうか。正直、レズなので勘弁願いたいところなのですが」
「分かった。お前を解任しよう」
「冗談です。私もロイヤルガードとはいえ、うら若き乙女。警戒していたことは見逃していただけますと幸いです」
「分かった、分かった。気にしない。それより、あいつの調子はどうだ」
「あいつとは? お父様のことでしょうか」
「いや何でだよ。どうして弟の護衛に親父の近況を聞いてんだよ」
調子が狂う。
腕は確かなんだが頭はポンコツなのかもしれないな。
「コレット様でしたら誰にも会いたくないと言って就寝してますが」
「……そうか。俺が、傷つけたのか。なあ、コレットだが。お前から見て、親父と……」
「まさか、コレット様がお父上と姦淫をしていたか疑ってるんですか?
「そうだ。あいつ、とんでもない額の小遣いを持ってた。あんな金額、親父じゃなきゃ出せないはずだ」
考えたくもない。
俺以外の奴が妖精のように美しいコレットの唇を奪っていたなんて。
弟を穢していいのは兄である俺だけなはずなのに。
「あの、一つ疑問点があるのですが」
「ああ……。何でも言ってみろ」
「レイン様は、コレット様と四六時中、共に居ましたよね。いったいどのタイミングでレイン様を出し抜けたのでしょうか」
「四六時中一緒にいると言っても、少しくらい離れるタイミングが……」
朝、俺のベッドで弟と共に目覚める。その後一緒に朝食を取って、一緒に部屋の中でダラダラ過ごして、昼食を共に取る。そして、午後は共に運動や読書をして、日によっては二人でお茶会などに参加する。そして、夕方になり共に夕食を取り、就寝までの時間を共に過ごす。最後に、明かりを落として身体を重ね、たっぷりとコレットを抱いた後、やはり同じベッドで就寝する。
……コレットが俺を出し抜く暇なんてないよな。
トイレも風呂も部屋の中にあるし、離れるタイミングがなかったことに気づく。
「護衛の私が暇になるくらい、二人でベッタリ過ごしてますよね。どこで浮気をしていたか教えていただけませんか?」
「じゃあ、あの金は……」
「レイン様がコレット様を引き取るに当たって、陛下が慰労金のようなものを渡したのではないですか? 陛下はご兄弟の親密な関係性などご存知ではないので、コレット様の心を慰労する目的で渡したのかもしれません。そのお金でコレット様は二人で暮らす為の屋敷を購入しようとしましたが、一方的に疑われて傷つけられてしまったと……。ああ、可哀想なコレット様。純粋にレイン様を想っていただけなのに、疑われてしまったなんて」
コレットを、傷つけてしまった……。
「何て勘違いをしてしまったんだ」
俺は血の気が引いていくのを感じていた。
金髪を肩で切り揃えた、猛禽類のような目付き鋭い護衛の女。
名はアリ―と言ったか。
俺が弟の為に用意した護衛で、彼女はあいつが女体化して以来、忠実に使命を全うしてくれていた。
だが、それ故に油断していたのかもしれない。
いくら護衛とはいえ、同行できない場面もあるということが抜け落ちていたのだ。
例えば、皇帝の寝室。
城内における聖域である皇帝の寝室には、彼の認めた者しか立ち入れない。
例え護衛であったとしても、同行し、主を守ることはできないのだ。
「どうされましたか、レイン様。まさか弟君がいないから私に夜伽をせよということでしょうか。正直、レズなので勘弁願いたいところなのですが」
「分かった。お前を解任しよう」
「冗談です。私もロイヤルガードとはいえ、うら若き乙女。警戒していたことは見逃していただけますと幸いです」
「分かった、分かった。気にしない。それより、あいつの調子はどうだ」
「あいつとは? お父様のことでしょうか」
「いや何でだよ。どうして弟の護衛に親父の近況を聞いてんだよ」
調子が狂う。
腕は確かなんだが頭はポンコツなのかもしれないな。
「コレット様でしたら誰にも会いたくないと言って就寝してますが」
「……そうか。俺が、傷つけたのか。なあ、コレットだが。お前から見て、親父と……」
「まさか、コレット様がお父上と姦淫をしていたか疑ってるんですか?
「そうだ。あいつ、とんでもない額の小遣いを持ってた。あんな金額、親父じゃなきゃ出せないはずだ」
考えたくもない。
俺以外の奴が妖精のように美しいコレットの唇を奪っていたなんて。
弟を穢していいのは兄である俺だけなはずなのに。
「あの、一つ疑問点があるのですが」
「ああ……。何でも言ってみろ」
「レイン様は、コレット様と四六時中、共に居ましたよね。いったいどのタイミングでレイン様を出し抜けたのでしょうか」
「四六時中一緒にいると言っても、少しくらい離れるタイミングが……」
朝、俺のベッドで弟と共に目覚める。その後一緒に朝食を取って、一緒に部屋の中でダラダラ過ごして、昼食を共に取る。そして、午後は共に運動や読書をして、日によっては二人でお茶会などに参加する。そして、夕方になり共に夕食を取り、就寝までの時間を共に過ごす。最後に、明かりを落として身体を重ね、たっぷりとコレットを抱いた後、やはり同じベッドで就寝する。
……コレットが俺を出し抜く暇なんてないよな。
トイレも風呂も部屋の中にあるし、離れるタイミングがなかったことに気づく。
「護衛の私が暇になるくらい、二人でベッタリ過ごしてますよね。どこで浮気をしていたか教えていただけませんか?」
「じゃあ、あの金は……」
「レイン様がコレット様を引き取るに当たって、陛下が慰労金のようなものを渡したのではないですか? 陛下はご兄弟の親密な関係性などご存知ではないので、コレット様の心を慰労する目的で渡したのかもしれません。そのお金でコレット様は二人で暮らす為の屋敷を購入しようとしましたが、一方的に疑われて傷つけられてしまったと……。ああ、可哀想なコレット様。純粋にレイン様を想っていただけなのに、疑われてしまったなんて」
コレットを、傷つけてしまった……。
「何て勘違いをしてしまったんだ」
俺は血の気が引いていくのを感じていた。
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