兄に嫌われてる弟ですが誤解が解けたら十数年分溺愛されました(完)

みかん畑

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仲直り※お兄様視点

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「危ないことはしちゃ駄目!」
「……分かってるよ」
「分かってないからあんなところでジャンプしてたんじゃん!」

 激怒させてしまった。
 俺はコレットに腕を引かれて部屋に入り、ベッドに向かい合って正座させられた。

 幸い、部屋から出ていけとは言われなかったけれど、冷静になってみれば怖ろしいことをしていたなとゾッとする。あんな足元もぼやけた場所で命綱もつけずに跳躍なんて、命を捨てるようなものだ。

 興奮していたとはいえ、先走った真似をしてしまった後悔が募る。
 何より、コレットを泣かせてしまったのがショックだった。

「もう今日は遅いから休むけど、変なことしないか見張るから、一緒に寝てね」
「その前に、詫びたいことがある」
「ん?」
「お前の持ってた小遣いのこと、俺が早とちりしてたと思う。本当にすまなかった。疑って悪かった」

 深々と頭を下げる。
 しばらく返事がなかったが、やがて大きなため息と共にコレットの空気が緩んだ。

「護衛のアリーが、誤解を解いてくれたんでしょ?」
「どうしてそれを……。ああ、彼女が話してたのか」

 護衛のアリー。俺には何も言わなかったが、こっそり援護射撃をしてくれてたのだろう。俺とコレットの間に入って誤解を解いてくれた彼女には、感謝しかない。

「……本当にすまなかったと思ってる。どう考えてもコレットに他の男と会う時間なんてなかったのに、俺はコレットが他の男に触れられてたらって考えただけで、頭が一杯になってた。抑えが効かなかったんだ」
「それだけ僕の為に嫉妬してくれてたんだね」

 コレットが俺の腕を引いて、胸に顔を埋めさせてくれた。
 そのまま髪を撫でられる。

「大丈夫だよ。お兄様以外とはエッチしないって約束するから」
「本当か?」
「ビッチって言われたのショックだったもん」
「……すまなかった」
「ふふ、こうやって安心したところで最悪な寝取られが来て絶望するお兄様を妄想したりはするけど、ちゃんと我慢するから安心してね?」

 どこに安心できる要素が……?

 まあ、そう簡単に性癖は直らないか。
 俺が傍に居て守っていくしかない。

 久しぶりに感じた気のする弟の身体は暖かくて、俺の荒んだ心を癒してくれた。
 さて……。

「ん? お兄様、何で僕を持ち上げてるの?」
「夢の中で他の男に抱かれやがって……。今日という今日は絶対に許さないからな」
「ええええ!? 何で僕が責任を取らなきゃいけないの!?」
「うるさい」

 俺の上に跨らせてキスをする。
 やられたらやり返す。倍返しだ!

「もうー、僕が尽くすのはお兄様だけなんだよ? でも嫉妬してくれるの嬉しいからオッケーです! 見て見て、お兄様が大好きな弟ポーズ!」

 胸の前で手を組んでチョコンと小首を傾げるコレット。
 あまりの可愛さに背中に腕を回してホールドしてしまう。

「動けないよー」

 か、かわいい……。何この可愛い生き物。
 ずっと守っていたくなる。

「可愛いポーズしただけなのにカチコチじゃん。ねえ、僕が夢の中でされてたこと、お兄様がしてよ。ちゃんと上書きしてくれなきゃ、僕はお兄様のモノなんだから」

 酔ってもないのにクラクラする。底なしに可愛い弟の唇を塞ぎながら、その耳元で囁く。

「じゃあ、お前は寝取られてるフリをしてくれよ」
「ええー……。もう、仕方ないなぁ。ホント変態なんだから。いくら僕でも、少しは抵抗あるんだよ? ……知らないお兄さんとするのなんて……っ」

 その後、俺は寝取られというシチュエーションを演じるコレットに興奮すると共に、絶対に俺以外に身体を許さないよう、華奢な身体にマーキングしまくった。

 それでも「ふぁ……もう終わりぃ? 知らないお兄さん呼んでくる?」とかふざけたことを抜かすから、そのまま朝まで弟を抱いてたらメイドが入ってきてドン引きされた。

「なんか騒がしいと思ったら……。えっ? どっから入ってきて盛ってるんですか?」

 結局、メイドが入ってきて中断されたが、手強く寝取られキャラを演じるコレットに、俺の闘争本能は煽られ続けてしまった。絶対にいつか屈服させてやると誓いつつ、俺は最高すぎるコレットへ再戦の熱を滾らせるのだった。
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