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情報共有※メイリアート視点
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賢王と名高き偉大なる陛下。
全てを理解し尽くした彼に、妻である私から伝えることはほぼ皆無だと言える。
しかし、それでもコレットを巡るアレコレについてだけは、情報を共有しておく必要があった。
「陛下、私の為に時間を割いていただきありがとうございます」
「よい。お前は私の妻だ。話したいことがあればいつでも聞こう」
「では恐れながら申し上げます。女体化したコレットについてです」
「うむ……」
「先日、非公式ファンクラブの会員が一億人に達したそうです」
「そうか……」
「驚かれないのですね?」
「あれ程美しく魔性の魅力を兼ね備えた娘だ。似顔絵も出回っておるしのう」
「では、その非公式ファンクラブの会長が、実はコレット自身だということもご存知でしょうか?」
「な、なんだと?」
「先日のお茶会の席で彼女自身が語ってくれました。暇つぶしに匿名でファンクラブを設立したら知人達とその領民がファンに加わり、いっぱいファンが出来たと。正確な数は把握されてないようでしたが、その数は先程も伝えた通り一億以上です。最早、国家予算規模の収入がコレット様の口座に入り続けております」
「なんと……」
陛下が懐からファンクラブの会員カードを取り出す。
「推しにファンが増えると、少数で推しておった頃より遠のいた気がしてならぬな」
……あなたは実の父親でしょう。
「今後はファンミーティングやライブ活動など、活動の場が増えていくものと思われます。その時に逆恨みした魔女が彼女を襲撃するようなことがあれば……」
「考えたくもないわ」
魔女事件については多くの衛兵が捜査に当たっているにも関わらず、未だ犯人は特定されていない。その目的も、使った魔法の詳細も、何一つ分からないことが不気味だった。
「引き続き捜査は進めさせよう。息子達には不便をさせるが、今しばらく耐えて欲しい」
「分かりましたわ。それと、アリーの昇給と装備の更新を手配します。今、魔女に対抗できるのは魔女を退けた彼女だけですから」
「分かっておる。それにしても、かつて路地を彷徨っていた子をコレットが拾ってきた時には驚いたが、それが今や聖騎士になろうとはな」
「因果とは分からないものですね」
全てを理解し尽くした彼に、妻である私から伝えることはほぼ皆無だと言える。
しかし、それでもコレットを巡るアレコレについてだけは、情報を共有しておく必要があった。
「陛下、私の為に時間を割いていただきありがとうございます」
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「では恐れながら申し上げます。女体化したコレットについてです」
「うむ……」
「先日、非公式ファンクラブの会員が一億人に達したそうです」
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「驚かれないのですね?」
「あれ程美しく魔性の魅力を兼ね備えた娘だ。似顔絵も出回っておるしのう」
「では、その非公式ファンクラブの会長が、実はコレット自身だということもご存知でしょうか?」
「な、なんだと?」
「先日のお茶会の席で彼女自身が語ってくれました。暇つぶしに匿名でファンクラブを設立したら知人達とその領民がファンに加わり、いっぱいファンが出来たと。正確な数は把握されてないようでしたが、その数は先程も伝えた通り一億以上です。最早、国家予算規模の収入がコレット様の口座に入り続けております」
「なんと……」
陛下が懐からファンクラブの会員カードを取り出す。
「推しにファンが増えると、少数で推しておった頃より遠のいた気がしてならぬな」
……あなたは実の父親でしょう。
「今後はファンミーティングやライブ活動など、活動の場が増えていくものと思われます。その時に逆恨みした魔女が彼女を襲撃するようなことがあれば……」
「考えたくもないわ」
魔女事件については多くの衛兵が捜査に当たっているにも関わらず、未だ犯人は特定されていない。その目的も、使った魔法の詳細も、何一つ分からないことが不気味だった。
「引き続き捜査は進めさせよう。息子達には不便をさせるが、今しばらく耐えて欲しい」
「分かりましたわ。それと、アリーの昇給と装備の更新を手配します。今、魔女に対抗できるのは魔女を退けた彼女だけですから」
「分かっておる。それにしても、かつて路地を彷徨っていた子をコレットが拾ってきた時には驚いたが、それが今や聖騎士になろうとはな」
「因果とは分からないものですね」
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