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決戦はコンサート?

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「コレット……お前、アイドルになるって本気なのか?」

 僕がメイリアートお母様に「ファンクラブ作りました!」って報告したあと、お兄様がそんなことを聞いてきた。

 元々は学校のお友達が「絶対なった方がいいって! コレット様可愛いし!」って勧めてきたから気まぐれに始めたことなんだけど、応援してくれる人がいる以上、やるのが僕の責任だと思ってる。

 それに、今度のコンサートは魔女をおびき寄せる作戦でもあるから……!

「お兄様が心配するのは分かってるよ。国内初の寝取られ系アイドルだし、失敗する可能性だって十分あると思ってる」
「お前そんな路線でやるの!? それで何でファンがついてんの!?」
「僕のファンを馬鹿にしないでよ! こんな僕を応援してくれてるんだから!」
「……こんなお前をどうして応援するんだ」

 そんなの僕だって分かんないよ!
 強いて言うなら可愛いから?

「やるのは分かったけど、メイド服で活動するんだな。何でメイド服なんだ?」
「普段は王族だけど、アイドルのColetteの時は皆に尽くすっていう設定なの」
「皆に尽くすって……まさかファンミーティングでエロいこととかするのか?」
「……はぁ。お兄様、どうしてそんなエッチなことが平気で言えるの? ファンミーティングは純粋なファンとの交流の場だし、握手以外のお触りとかも厳禁なんだから」

 お兄様ってホント変態だよ。誰に似たのかな? お父様?

「不安だな。俺のコレットがアイドルなんて」
「また嫉妬してるのー?」
「そりゃするさ。というか、俺以外に笑顔を見せないで欲しいくらいだ」
「こわっ!」
「お前のコンサート破壊したくなってきたな」
「やばっ! でもお兄様が幸せならオーケーです!」

 当日はお兄様と僕のバトルになるね!

「じゃあお兄様はバックダンサーで僕をファンから寝取る役ね?」
「え? なにそのファンから殺されるポジション……」
「僕のことを寝取ってよ! 本気で! 僕もアイドルとして対等にぶつかっていくから!」
「よく分からないけど最終的に俺が不味いことになりそうなことだけは分かった」
「……それでも信じてるから!」
「期待でかいな」

 オーバーリアクションのお兄様だけど、本気を出せば国民を全員瞬殺できるくらいに強いって信じてる。なんて言ったって僕のお兄様は頭脳明晰、運動神経抜群の弟への愛情振り切れお兄様なんだから。

『いつも言ってるだろ? 弟の為なら不可能も可能に変えて見せるって』

 僕のお兄様に対するイメージはそんな感じ。

「きっと、魔女が生きてるなら今度のコンサートで動きがあると思う」
「そうか。最終決戦かもしれないな。俺はお前を寝取りつつファンと戦いつつ魔女と戦ってみせるぜ。俺大丈夫か?」
「がんばって……お兄様!」

 僕達のラストバトルが始まる……のかもしれない!
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