異世界に移住することになったので、異世界のルールについて学ぶことになりました!

心太黒蜜きな粉味

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セシリア王国編

25話 主人公、セシリア王国へ行く

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 セシルの国は、セシリア王国と言う。天空の国とも呼ばれているらしい。どうして天空の国なのか、その理由はすぐにわかった。

「なんですか!ここはーっ!落ちる!落ちるって!押さないでくださいよ!」
 リオンとシオンが、僕の背後にまわって落とそうと身体を押している。

「大丈夫だよ!タクミって、ドラゴンじゃん!」
「そうそう、落ちた瞬間にドラゴンに変現したらいいんだよ!」

 そう。セシリア王国の王宮は、空中に浮いているのだ。異世界への扉は、王宮の中庭に設置してあり、扉を抜けてすぐの場所は、景色が見渡せるテラスのようになっていた。双子はそこから、僕を落とそうとしている。

「リオン、シオン!いい加減にしなさい!田中をからかうのは、それくらいにして、ファミリアに向かいますよ。」
 双子がエルに怒られている。

 と、そこへ。
 厳つい顔の男性が現れる。

「セシルさま。ご帰還お待ちしておりました。トール様、お久しぶりです。で、そちらが、ドラゴンとシルフの娘達ですね。」

 とってもダンディな雰囲気の壮年の男性だ。ただ、やはりエレメンテ。頭には、山羊のような角がある。

「ローグ。変わりはないか?田中、陽子、月子。この者は、ローグ。このセシリア王国の王代理じゃ。」

 王様の代理ということは、とっても偉い人!

「はじめまして。僕は田中拓海と言います。一応、ドラゴンです。しばらく滞在させていただきますので、よろしくお願いします。」

 やはり、最初の挨拶は重要だよね。

「これはこれは、ご丁寧にありがとうございます。ローグと申します。皆さまは、アース人であったと聞いております。ここ、セシリアでエレメンテのことをしっかり学んでくださいね。」

 おぉ!セシルの王宮には、変な子しか居ないと双子が言っていたから、心配してたけど。なんて、常識的で紳士な人!

「「タクミ!騙されるなよ!そいつが一番変な子なんだぞ!」」

「おや。リオン、シオン。それは失礼な発言ですな。わたくしは、この王宮の中では一番の常識人だと自負しております。」

「「いや!お前が一番変な子だよ!!」」

 双子が強く抗議している。

 ローグさんはとっても紳士な感じだよ。でも。"この王宮の中では"って言ってなかった?僕は、ノアや千代のことが頭をよぎり、人は見かけによらない事を思い出していた。聞かなかったことにしよう。

「ここがセシルちゃんの王宮なんだね。すごいね。お城だね。お姉ちゃん!」

 初めての異世界に、言葉もなかった月子だが、慣れてきたのか周りをキョロキョロと見渡している。

「そうだね。月子。とっても綺麗なお城だね。とある場所の、夢の国にあるお城みたいだね!」

 確かに!ぴったりの表現!
 セシリアの王宮は、西欧のお城のような造りだった。内装もキラキラピカピカだ。

 ガンガルシア王国の王宮は、高級温泉旅館風だったな。国によって、全然違うんだな。

「この城はの。500年前からこの姿なのじゃよ。その時々で、材質は変えておるがな。」

 500年前って。セシルが紋章システムを開発した頃?でも、この城浮いてるよ?どういう仕組みなんだろう?

「セシリア王国の王宮は、エレメンテ最古のものなのですよ。素晴らしい造りです。感激で涙が出ます。」

「ローグはのぅ。ここ、セシリア王国の王宮建築士なのじゃよ。ガンガルシアの音都羽と同じ仕事をしておる。」

セシルの言葉にローグが憤慨する。

「あの小娘と同じ扱いはして欲しくありませんね。この素晴らしい石の建築美より、木造家屋の方が良いと言う娘とは、話が合いません。」

「ローグは、自分の仕事に誇りを持っておるのでな。この王宮のことを悪く言われると怒り狂うからのぅ。気をつけるのじゃ。」
 セシルが、小さい声でコッソリ教えてくれる。

 剣を持つと豹変するノアの例もある。触らぬ神に祟りなし!気をつけることにしよう。僕は堅く誓ったのだった。


「ローグよ。我らはファミリアに行くからのぅ。後のことは任せたぞ。」
「はい。急を要する案件はありませんので、ごゆっくりどうぞ。」
 ローグが、丁寧に対応する。

 うーん、この対応を見る限り、とっても常識的で紳士だ。だから、逆にセシルがわざわざ気をつけるように、と言った言葉が気になる。ホント、怒り狂うってどうなるんだろう?

 気になったが、「では、行きますよ。」というエルの一言で、僕達はその場を後にしたのだった。



 エルの後についていくと、そこは王宮の地下だった。

「ここは?」
 僕の問いに、トールが答えてくれる。
「王宮の地下には、国内の各地に移動できる転移門があるのです。仕組みは、さっき通ってきた異世界への転移門と同じですよ。異世界へは、セシルねえさまかエルが居ないと使用できませんけど、こちらの転移門は誰でも使えます。」

 トールはそう言うが、目の前には扉が一つしかない。
「トールくん。この扉は各地に行けるんだよね?でも扉はひとつしかないよ?」

 僕の疑問に今度はセシルが答えてくれる。
「この扉はな。自分の好きな所に行けるのじゃよ。好きな所といっても、出る側に扉がないと行けないがな。各地に転移門を設置してあるのでな。だから、扉を開ける前に行き先を設定する必要があるのじゃ。」

「はぁ。便利な扉ですね。」
 僕は普通に感心する。ドラ◯もんのどこでもドアみたいな感じ?

 そういえば、エレメンテの文化レベルはどの程度なんだろう?
 最初に来た時は、ガンガルシアの王宮と砂漠しか体験していないから、よく分からないな。最初に会った男達は、ゲームでよく見る冒険者風の格好だった。ガンガルシアの王宮は、高級温泉旅館風で、服装は作務衣。さらにガルシア様は、魔法みたいな力を使ってたけど。僕の中での解釈だと、ドラク◯の世界が一番近いような。

 ファミリアっていう所も、謎だし。子供達はそこで育つって、リオンとシオンは言ってたが。

 僕は、色々なことを想像しながら、本日二度目の扉を開けたのだった。

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