異世界に移住することになったので、異世界のルールについて学ぶことになりました!

心太黒蜜きな粉味

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グランエアド王国編

102話 主人公、批評家を知るー4

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「ホンファがブランカの批評をした頃から、ホンファには様々な感想や意見が送られてきました。賛否ありましたけど、多くが他の人についても批評してほしいというものでした。」
 ドロシーが眼鏡をクイっと上げながら話す。

「批評って頼まれてするものなの?」
 僕はこっそりミライに聞く。
「有名な批評家に批評された人は知名度が上がるからね。それを望む人もいると思うよ。」

 なるほどね。

「ホンファはそういう批評はしないと断っていました。ところがある時、エアリーのライブチケットが送られてきたのです。エアリーのチケットは全て抽選ですから、手に入れることは難しく、すごく貴重なものです。チケットと共に、こうメッセージがきていました。『このチケットでライブを観て、エアリーの批評をしてほしい。不思議な演出は王の力を使っているのではないか?ホンファなら何か分かると思うから、ライブに行ってほしい』と。
 ホンファは非常に困惑しました。エアリーのライブは一度、実際に観てみたいと思っていたからです。ですが、王の力を使っているのでは?という偏見を持ったまま観て、批評するのは公正ではないとホンファは思っていました。」

 ホンファって、自分にも厳しいんだね。
 でも、じゃあどうしてあんな批評を?

「エアリーのライブが近づいたある日、ホンファにはひどく落ち込む出来事がありました。そこで、私がエアリーのライブに行くように勧めたのです。きっと、いい気分転換になるから、と。ホンファなら、何を観てもきっと公正な批評をすると信じていたから。
 ところが、ホンファはライブでもっと落ち込むものを観てしまった。あの批評は、そんな気持ちのまま書いてしまったものなのです。」
 ドロシーは、止められなかったことを後悔してるような感じで語った。

「えっ?ボクのライブ、面白くなかった?ホンファを落ち込ませるモノって何?」

 エア様って、本当にど直球だな。

「ブランカの衣装よ。」
 ホンファがポツリと言う。
「あの見たことのない形状の衣装は、ブランカのデザインではないわね?誰かのデザインにブランカが手を加えて作ったような衣装だったわ。」

「ホンファ、すっごい!よく分かったね!アレはボクのラフをもとに、ブランカに作ってもらったんだよ!」

「ブランカにあんなものを作らせるなんて…。ブランカには、咲き誇る華のような衣装を思う存分作ってほしいのよ。」

「ホンファは本当にブランカが大好きなんだね。でも、アレはブランカが自ら進んで作ってくれたものなんだよ。」

「うっ、ウソよ!そんなの!」

 激しく動揺するホンファを見て、エアがジークに指示をする。
「ねぇねぇ、ジーク。あの時ジークもいたよね?映像あるでしょ?見せてもいいか、ブランカに聞いてみてよ。」

 エアの言葉に、ジークはすぐに行動に移す。気付いた時には、ジークの左手に白いヘビがまきついていた。

 ジークのパートナー精霊だろうか?

「エア様、ブランカの許可が取れました。映しますよ。」

 ジークが空中にある映像を表示する。

『じゃあ、ブランカ作ってくれるの?』
『いいわよ!このデザイン面白いわね。私もそろそろ次の段階に進みたいと思っていたのよ。新しいものを吸収するときだわ。私、王宮に仕える!だから、アースに連れていってちょうだい!』
『いいの?行くことになったら、しばらくこのお店もできないよ。』
『いいのよ。依頼のあった衣装は、すべて作り終えたわ。私ももっと成長しないと!私のことを批評してくれたホンファに、もっと認めてほしいからね。』

 その映像を見たホンファは、呆然として言葉を失っている。

「これは、ライブの前の映像だよ。やっとブランカが王宮に仕えてくれるって言うから。」

 アースのことも話しちゃってるけど、こんなのホンファに見せても大丈夫なのか?

「じゃあ、私は本当にただ誤解してただけなのね。自分のことを過信して、あんな偏見に満ちた批評を書いてしまった。もうダメだわ。批評家としてもやっていけない。やっぱり私はダメな子なのよ。」
 ホンファの瞳から、大粒の涙がこぼれ落ちる。

「ホンファ、泣かないで。私が公開を止めていれば。」
「ううん。ドロシーは悪くないわ。貴女の忠告を聞かなかった私が悪いのよ。」
「いいえ、私がもっとちゃんとしていたら、こんなことにはならなかったわ。パートナー精霊失格よ。」
 パートナー精霊であるドロシーが後悔しているような発言をする。

「パートナー精霊も反省するんだね。」
 僕の言葉にシオンが答えてくれる。

「パートナー精霊は、あくまでもサポートする存在だよ。最終決定は使用者である本人がすることだ。そうじゃないと、成長できないからね。」

「でも、間違いだったよ?」

「ヒトは間違えて成長するんだよ。それに、何が正解かなんて、誰にも分からない。生命に関わる間違いではない限り、パートナー精霊は使用者の要望を優先する。そうやって、ヒトは成長するんだ。ただし、同じような間違いは許してくれないよ。間違いを正せるように導くのがパートナー精霊の役割だからね。」
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