異世界に移住することになったので、異世界のルールについて学ぶことになりました!

心太黒蜜きな粉味

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マルクトール王国編

127話 主人公、話し合うー1

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 次の日の10時。
 再び神殿の前に集まった僕達に、リオンとシオンがある提案をする。

「はーい。みんな情報を集めて答えを出したよね。だから、今日は外じゃなくて、神殿の中で話をしたらどうかなと思って。」
「神殿の中にテーブルと椅子を用意したから、そこで思う存分、みんなで話をしてね。」

 今日は考えを聞くつもりじゃないってことか?僕達で話し合って、結論を出せってことだな!

 リオンとシオンの案に異論の無かった僕達は、素直に神殿の中に入る。

 広い空間の真ん中にテーブルと椅子が用意してある。僕達が好きな場所に座ると、チカゲがやってきた。

「皆様。このザンザーラのためにいろいろ考えていただき、ありがとうございます。あなた達が出した結論に従いたいと思いますので、よろしくお願いします。」
 そう言うと、深々と頭を下げる。

「はい。じゃあ、いきなり話し合えって言われても無理だと思うから、まずは調べた情報と出した結論を聞くよ。」
「全員の考えを聞いた後は、みんなで結論を出してね。僕達はここの後ろでお茶してるから。終わったら声をかけて。」

 お茶してるって、なに?

「じゃあ、昨日と同じ順番で始めてね。」

 それだけ言うと、双子は本当にここを離れる。そして、少し離れた位置に新しいテーブルと椅子を出すと、ウサ子がハーブティーをいれはじめた。

 本格的にくつろぐつもりだ!

「あっ、じゃあ、監督官が居ないから、ボクが進行してもいいかな?」
 さすが生真面目アラン。自ら進んで進行役を務めてくれる。
 全員の顔を見て、反対者がいないことを確認したアランが、フロムに意見を聞く。

「私からね。私は昨日は街の中を歩いて、建物や道の配置を確認したわ。ここはお店が多かったみたい。参拝者相手に商売してたようね。そして、紋章システムで似たような事例を探した。エレーナが言ってたように、宗教都市での事例で使えそうなものは無かった。だから、別の事例を探したの。それは商業都市よ。」

 商業都市?

「500年前、紋章システムができる前はお金という仕組みがあったから、『仕入れて売る』ことで成り立っていた街がたくさんあったの。でも紋章システムができたから、そういう街はどんどん無くなっていった。ここと一緒よ。」

 お金という仕組みが無いから、売ることができなくなったんだな。売ることで栄えてた街は、困るよなぁ。

「でもね。立ち直った街があったのよ。そこは、ものづくりの街として、ある特定の職人達を募集したの。技能を身につけるためには、時間が必要よ。そして、師匠もね。その街はね。職人歴の長い人、特に、その技能を誰かに継いで欲しいと思ってる人に移住してもらったのよ。」

 なるほど!
 つまり師匠になる人を募集したんだ!

「その街は、技術を身に付けたい、教えてほしいっていう人がいっぱい集まって、街の存続ができたの。私はこの事例が、この街にも適用できると思うの。具体的にどんな職人を呼ぶかまでは、まだ考えてないけどね。」

「はい、ありがとう。」
 アランはそう言うと、フロムをジッと見て、興奮気味に話し出す。
「フロム!君はすごいよ!昨日一日でこれを調べたの?とっても説得力があった!いい案だと思うな。最高だよ!」

 うーん、アランって感動しやすいのか?
 いい案だし、説得力もあったけど、興奮し過ぎじゃないかな?

「じゃあ、次は私ね。」

 そんなアランをチラリと見たシェラが話し出す。

「私の考えは変わっていないわ。やっぱりこの街は、その役目を終えたと思う。神殿だけ残して街は無くすのが一番よ。神殿はこのマルクトールの王宮に管理を任せるのがいいと思う。調べたら、古い神殿は王宮が面倒をみてくれることもあるって。」

「なるほど。シェラの言う事も一理あるね。王宮に管理をお願いしたら、神殿はずっと残すことができるしね。ヤスナの希望とは少し違うけど、神殿が残るんだから、それは嬉しいはずだ。」

 アランはシェラの意見にも同意してる。

「じゃあ次はワタシね。」
 タツコがのんびりと話し始める。
「いろいろ調べたんだけど、誰も住まなくなった街は無に還すっていうルールって、住まなくなった家に適用されるルールだって分かったの。」

 そのルールが本当なら神殿には適用されないってこと?

「んっとね。紋章システムで出してくれるのは、衣食住に関することだけなの。だから、この神殿は紋章システムで建てたんじゃなくて、人の手で建てたと思うのよね。」

 紋章システムが保障してるのは、衣食住だけで、それ以外のものは、パートナー精霊が出すのを許可してくれない。
 ということは、住む場所じゃない神殿は信仰している人々が、自分の手で建てるしかないってことか!

「ワタシね。あれから、パートナー精霊とよく考えたの。この街の建物はかなりキレイよね?ということは、紋章システムで出したものだと思うの。紋章システムは生きてる人々のための道具。だから、誰も住む人がいなくなった建物は無に還すのがルールなのかなぁって。」

 タツコはパートナー精霊と議論したんだね。紋章システムの使い方をパートナー精霊に詳しく教えてもらったんだな。

「だから、この街は無くして神殿だけ残すのが、この世界の正しいルールかなぁって思うの。」

「ということは、シェラと同じってことだね?」

「うん。そうなるね。」

「なるほど。ルールからすると、それがいいのかもしれないね。じゃあ、次はボクだ。」

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