異世界に移住することになったので、異世界のルールについて学ぶことになりました!

心太黒蜜きな粉味

文字の大きさ
140 / 247
マルクトール王国編

128話 主人公、話し合うー2

しおりを挟む
 

「ボクの考えはこうだよ。」
 アランはみんなを見ながら話を続ける。

「昨日あれから、ボクはヤスナに会いに行ったんだ。最初、怒っていたから、話しづらい人かなと思ったんだけど、とっても話しやすい良い人だった。そしていつでも遊びに来なさいって言ってくれたんだよ。ヤスナはこの街に誰もいなくなって寂しいんだと思うな。ヤスナが住んでいるのはこの神殿だから、神殿だけ残れば、ヤスナは暮らしていけると思う。この街を残してほしいっていうのは、ヤスナが寂しいからだよ。だから、ヤスナが1人にならないように僕が会いに来ようと思う。」

 ヤスナに会った?
 言動に違和感があったことに気付かなかったのかな?

「フロムの考えた案を聞いた時は、とっても良いと思ったけど、シェラやタツコの言うことも、その通りだと思うんだ。」

「で?結局お前の考えはどうなんだよ。」
 ショウゴがアランに結論をうながす。

「そうだな。シェラやタツコと同じで、街は無くして神殿だけ残すのが良いのかもしれないって思ったよ。ショウゴ、君は?」

「オレは昨日と同じだ。全部無くすのが、良いと思ってるぜ。まぁ、さっきシェラが言ったことが本当なら、神殿だけ残すってことでも良いけどな。」

 ショウゴはブレないな。

「フロムの案は時間がかかり過ぎる。オレ達はずっとこの街にいるわけじゃないからな。成功するのに時間がかかる案は無理だろ。」

 へぇ、ショウゴって結構しっかりしてるんだ!短気だけど。

「じゃあ、次はタクミだよ。タクミはどう思う?」

「僕はあれから、この街と神殿の中を詳しく調べたよ。そして、神殿の中で秘蔵の古文書を見せてもらった。ほとんどが昔の知識の書で、中には料理の本とかもあったんだけど、僕が注目したのはこれ。」

 僕はミライに頼んで、昨日見つけた家系図の映像を空中に表示してもらう。

「これはこの神殿の神官の家系図だよ。神官は代々、世襲だった。」

「世襲?」
 アランがわからないって顔をしている。

 あっ、そうか。この世界は親と離れて住んでいるから、良く分からないよな。

「世襲っていうのは、親がしている家の仕事を子供が引き継ぐってことだよ。君達に分かりやすく言うと、ホームにいる親代わりの人、指導者の仕事を引き継ぐってことかな。」

「指導者は仕事じゃねぇし。お前の例えは全然分からねぇな。」
 ショウゴがあきれたように言う。

 えっ、指導者って仕事じゃないんだ。
 あっ、ライルは歴史家って言ってたな。
 うーん、じゃあ、分かりやすい例えは…。

「タクミは特殊な病気でスカラにいたのです。ホームのことをあまり知らないのです。だから、タクミも無理に例えなくていいのです。」
 アドラがフォローしてくれる。

「タクミ。君の言いたいことは分かったから、話を続けてくれていいよ。」
 アランの言葉に話を続ける。

「えっと。神官は代々世襲だったんだけど、この家系図を見ると何回か途絶えた時があったようなんだ。」

「子供が引き継いだんじゃないってこと?」

「アラン、そうだよ。昔は戦争が多かったから、この神殿は何回も存続の危機があったんだ。それでも今日まで続いてきた。ヤスナはそれを知っているから、簡単にここを無くすとは言えないんだよ。」

「なるほどね。」

「この神殿は木造だ。たぶんこの街の住民が協力して建てていたんだ。神殿の奥の壁画に描かれていたよ。ヤスナはだから、この街も残したいんだよ。この神殿を造る技術も誰かに継いでほしいと思ってるんじゃないかな?」

「ってことは、タクミの考えは…。」

「うん。この街も込みで残したい。この神殿はテングの種族が神官をしてたようなんだ。だから、テングの血を引く人で神官をやってもいいよって人を探して、ヤスナに弟子入りしてもらうのがいいと思う。その人に任せることができたら、僕達の役目は終了だから、帰ることもできるし。」

「1人探すだけでいいなら、フロムの案よりは早く帰れるな。だが、なんでテング限定なんだ?」
 ショウゴが聞いてくる。

「ヤスナは自分の代で終わらせることをひどく気にしている。でもテングの血を引いてる人が来たら、少しは心が軽くなると思うんだよ。」

 なるほどね、と感心したようにアランが話し出す。
「このエスティオは、依頼者が納得したら終了だからね。それを考えると、ヤスナの希望に沿った結論の方がいいのは確かだね。タクミの考えは分かったよ。じゃあ、最後はエレーナだ。」

「エレーナは、フロムとタクミの考えと同じで、この街も神殿も残すのがいいと思うのです。この街の建物は商店が多いのですが、ここはもともと学問都市で、秘蔵の古文書も多くあったのです。だから、宗教都市ではなく、商業都市でもなく、学問都市として移住者を募るといいと考えたのです。貴重な古文書もあるから、特に考古学を研究している人達には人気が出ると思うのです。」

「なるほど。タクミとエレーナの考えもいいね。この街が残れば、ヤスナも喜ぶしね。」

 ここまでの意見をまとめると、街を無くして神殿だけ残す意見は、シェラとタツコとアランとショウゴだ。
 神殿だけじゃなくて街も残す意見は、フロムと僕とエレーナだ。

 意見が分かれているぞ!
 さぁ、どうする?

しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

最強剣士が転生した世界は魔法しかない異世界でした! ~基礎魔法しか使えませんが魔法剣で成り上がります~

渡琉兎
ファンタジー
政権争いに巻き込まれた騎士団長で天才剣士のアルベルト・マリノワーナ。 彼はどこにも属していなかったが、敵に回ると厄介だという理由だけで毒を盛られて殺されてしまった。 剣の道を極める──志半ばで死んでしまったアルベルトを不憫に思った女神は、アルベルトの望む能力をそのままに転生する権利を与えた。 アルベルトが望んだ能力はもちろん、剣術の能力。 転生した先で剣の道を極めることを心に誓ったアルベルトだったが──転生先は魔法が発展した、魔法師だらけの異世界だった! 剣術が廃れた世界で、剣術で最強を目指すアルベルト──改め、アル・ノワールの成り上がり物語。 ※アルファポリス、カクヨム、小説家になろうにて同時掲載しています。

おっさん料理人と押しかけ弟子達のまったり田舎ライフ

双葉 鳴
ファンタジー
真面目だけが取り柄の料理人、本宝治洋一。 彼は能力の低さから不当な労働を強いられていた。 そんな彼を救い出してくれたのが友人の藤本要。 洋一は要と一緒に現代ダンジョンで気ままなセカンドライフを始めたのだが……気がつけば森の中。 さっきまで一緒に居た要の行方も知れず、洋一は途方に暮れた……のも束の間。腹が減っては戦はできぬ。 持ち前のサバイバル能力で見敵必殺! 赤い毛皮の大きなクマを非常食に、洋一はいつもの要領で食事の準備を始めたのだった。 そこで見慣れぬ騎士姿の少女を助けたことから洋一は面倒ごとに巻き込まれていく事になる。 人々との出会い。 そして貴族や平民との格差社会。 ファンタジーな世界観に飛び交う魔法。 牙を剥く魔獣を美味しく料理して食べる男とその弟子達の田舎での生活。 うるさい権力者達とは争わず、田舎でのんびりとした時間を過ごしたい! そんな人のための物語。 5/6_18:00完結!

娘を返せ〜誘拐された娘を取り返すため、父は異世界に渡る

ほりとくち
ファンタジー
突然現れた魔法陣が、あの日娘を連れ去った。 異世界に誘拐されてしまったらしい娘を取り戻すため、父は自ら異世界へ渡ることを決意する。 一体誰が、何の目的で娘を連れ去ったのか。 娘とともに再び日本へ戻ることはできるのか。 そもそも父は、異世界へ足を運ぶことができるのか。 異世界召喚の秘密を知る謎多き少年。 娘を失ったショックで、精神が幼児化してしまった妻。 そして父にまったく懐かず、娘と母にだけ甘えるペットの黒猫。 3人と1匹の冒険が、今始まる。 ※小説家になろうでも投稿しています ※フォロー・感想・いいね等頂けると歓喜します!  よろしくお願いします!

最強の異世界やりすぎ旅行記

萩場ぬし
ファンタジー
主人公こと小鳥遊 綾人(たかなし あやと)はある理由から毎日のように体を鍛えていた。 そんなある日、突然知らない真っ白な場所で目を覚ます。そこで綾人が目撃したものは幼い少年の容姿をした何か。そこで彼は告げられる。 「なんと! 君に異世界へ行く権利を与えようと思います!」 バトルあり!笑いあり!ハーレムもあり!? 最強が無双する異世界ファンタジー開幕!

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

爺さんの異世界建国記 〜荒廃した異世界を農業で立て直していきます。いきなりの土作りはうまくいかない。

秋田ノ介
ファンタジー
  88歳の爺さんが、異世界に転生して農業の知識を駆使して建国をする話。  異世界では、戦乱が絶えず、土地が荒廃し、人心は乱れ、国家が崩壊している。そんな世界を司る女神から、世界を救うように懇願される。爺は、耳が遠いせいで、村長になって村人が飢えないようにしてほしいと頼まれたと勘違いする。  その願いを叶えるために、農業で村人の飢えをなくすことを目標にして、生活していく。それが、次第に輪が広がり世界の人々に希望を与え始める。戦争で成人男性が極端に少ない世界で、13歳のロッシュという若者に転生した爺の周りには、ハーレムが出来上がっていく。徐々にその地に、流浪をしている者たちや様々な種族の者たちが様々な思惑で集まり、国家が出来上がっていく。  飢えを乗り越えた『村』は、王国から狙われることとなる。強大な軍事力を誇る王国に対して、ロッシュは知恵と知識、そして魔法や仲間たちと協力して、その脅威を乗り越えていくオリジナル戦記。  完結済み。全400話、150万字程度程度になります。元は他のサイトで掲載していたものを加筆修正して、掲載します。一日、少なくとも二話は更新します。  

相続した畑で拾ったエルフがいつの間にか嫁になっていた件 ~魔法で快適!田舎で農業スローライフ~

ちくでん
ファンタジー
山科啓介28歳。祖父の畑を相続した彼は、脱サラして農業者になるためにとある田舎町にやってきた。 休耕地を畑に戻そうとして草刈りをしていたところで発見したのは、倒れた美少女エルフ。 啓介はそのエルフを家に連れ帰ったのだった。 異世界からこちらの世界に迷い込んだエルフの魔法使いと初心者農業者の主人公は、畑をおこして田舎に馴染んでいく。 これは生活を共にする二人が、やがて好き合うことになり、付き合ったり結婚したり作物を育てたり、日々を生活していくお話です。

【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~

きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。 前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。

処理中です...