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入部
4手目 新入部員
しおりを挟む「紹介しよう、白蜜 楓くんだ。」
お約束通りの展開に思わず嘆息する。
フラグは回収しきれていなかった。
ここまでがセットだったのか……っ!!
向こうもこちらに気づいたようで、
「あ、……さっきの変態馬鹿」
……本当に気づいて欲しくなかった。
「よ、よう……また会ったな……」
「ん?ひぃ、この子知ってるの?」
雨川が無邪気に尋ねてきた。やめてくれ!!今はお前のその純粋さが死ぬほど憎い!!!!
「ん、あぁ、いやまぁ…ちょっとな」
「……ま、いっか」
いいのかよ。こっちは全然良くないのに!!
などと茶番のようなものをくりひろげていると、おもむろに先生が、口を開いた。
そして、次の瞬間、先生の放ったその一言に、その場にいた(白蜜楓を除く)全員が息を飲んだ。
今から思えば恐らく、こうなることは必然だったのだと思う。
「お前ら、これからボルダリング部として活動するから」
有無を言わせぬ口調だった。
静まり返る一同(約1名を除く)に、先生は更に付け加える。
「明日から、毎日活動する。普段は来れないやつも、最低でも明日は絶対来いよ。オリエンテーションをする」
誰も口を挟もうとなんて思わなかった。
重苦しい沈黙を甘んじて受け入れる。
そしてとうとう、最後の一言が決定打となった。
「白蜜楓は、段クライマーだ」
そういう事か。
次に発言したのは、紫月先輩だった。
「......お金とか、掛かるんですよね」
「最初はな。誰かひとりでも成績を出せば直ぐ学校負担で出すさ」
「そのための白蜜君ですか?」
「そういう事だ。近くにジムがあるようでな。更にワールドカップにも出るような子が転入する事になり、急遽設立の運びとなった」
「......ワールドカップ?!」
「そんなすごい子なの?!」
「え、でもボルダリングって壁登るやつよね?そんな難しいの?」
「......難しい、っていうか、奥が深い......」
あとから振り返るに、これが決定打だった。
白蜜の表情に、その場にいた全員が入部を決意した。
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