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監禁三日目
監禁三日目② 放尿
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それは、紅子の尿であった。
開口具で閉じられない口へ容赦なく尿か注がれる。飲み込めないそれが口からゴボゴボと音を立てて溢れだし、鼻の穴へも侵入し、窒息しそうになる。生暖かく、強烈なアンモニア臭が身体を抜けて鼻へ染み込んでいく。苦しい、溺れたみたいだ。
一分にも満たない時間だったが、それは優夜にとって数十分にも及ぶ苦しみに感じられた。開口具が外されると、むせかえるような咳をして喉の奥にある尿を吐き出そうとする。
目から涙が止めどなく出てくる。鼻の中にはずっと臭いがこびりついてしまっている。
「苦しんでいる姿も可愛いですね。蒼子姉さんが喜ぶのも分かりますわ。また遊びましょうね」
拘束が解かれぬまま、紅子は去っていった。やっぱりコイツらまともじゃない。苦しみながら、優夜は心の底からそう思っていた。
ただでさえ二日風呂にも入ってない身体、そして顔は尿によって汚れている。このまま死ぬのだろうか。こんな姿のまま。
そこに雨宮が入ってきた。拘束と足首の鎖のついた枷を外した。しかし、アイマスクのようなものを取り出して優夜に嵌めた。視界が暗闇になる。その間も頭がぼうっとしたままだった。雨宮は優夜を立ち上がらせ、背中を押して歩き出した。
もしかして、扉の外へ?
歩いた距離からも扉を抜けたはずだ。どこへ連れていくんだ。カーペットの弾力を感じながら廊下を歩いた。目隠しのため方向感覚がわからない。
目隠しを外されると、そこは浴室だった。
「若林様、紅子様から入浴するようにと命が出ております。私はベッドのマットを交換するのでいなくなりますので、終わりましたら壁にあるそのボタンを。私に合図が届くので、迎えに参ります。そちらに着替えよ用意いたしました。
ところで、くれぐれも変な気を起こしませぬよう」
それだけ言うとドアを開けて出て行った。監視の目がなくなるのだろう。浴場も広くあんな拷問部屋がある屋敷だ、たとえ逃げようとしても、容易くに外に出られるとは思えない。
しかし、これはチャンスではないか。
紅子の尿の臭いがこびりついているので、顔を中心にシャワーで念入りに洗う。鞭によってできた傷にしみて痛むが、そこまで深い傷ではないようだ。浴室には明かり取り用の窓しかなく、とても届きそうにない。
手早く身体を拭き、雨宮が置いていった服を見る。Tシャツとメンズのボクサーパンツ、スウェット地のハーフパンツがあり、どれも新品のようだ。服を着ると廊下に繋がるドアを音が出ないように開ける。
浴室は角にあるようで、正面と右手に廊下が延びている。深紅のカーペットが敷かれ、いくつかのドアが見える。
廊下は明かりが灯っているが、どこか重苦しい空気が漂っていた。どちらの廊下も曲がり角で終わっていて、外に繋がっているような気配はない。曲がり角には観葉植物が置かれているくらいで、監視カメラのようなものは見当たらない。屋敷の全貌はわからない、しかしここで動かなければ逃げるチャンスはそうないはずだ。
意を決し右手側の廊下へ歩みだす。
開口具で閉じられない口へ容赦なく尿か注がれる。飲み込めないそれが口からゴボゴボと音を立てて溢れだし、鼻の穴へも侵入し、窒息しそうになる。生暖かく、強烈なアンモニア臭が身体を抜けて鼻へ染み込んでいく。苦しい、溺れたみたいだ。
一分にも満たない時間だったが、それは優夜にとって数十分にも及ぶ苦しみに感じられた。開口具が外されると、むせかえるような咳をして喉の奥にある尿を吐き出そうとする。
目から涙が止めどなく出てくる。鼻の中にはずっと臭いがこびりついてしまっている。
「苦しんでいる姿も可愛いですね。蒼子姉さんが喜ぶのも分かりますわ。また遊びましょうね」
拘束が解かれぬまま、紅子は去っていった。やっぱりコイツらまともじゃない。苦しみながら、優夜は心の底からそう思っていた。
ただでさえ二日風呂にも入ってない身体、そして顔は尿によって汚れている。このまま死ぬのだろうか。こんな姿のまま。
そこに雨宮が入ってきた。拘束と足首の鎖のついた枷を外した。しかし、アイマスクのようなものを取り出して優夜に嵌めた。視界が暗闇になる。その間も頭がぼうっとしたままだった。雨宮は優夜を立ち上がらせ、背中を押して歩き出した。
もしかして、扉の外へ?
歩いた距離からも扉を抜けたはずだ。どこへ連れていくんだ。カーペットの弾力を感じながら廊下を歩いた。目隠しのため方向感覚がわからない。
目隠しを外されると、そこは浴室だった。
「若林様、紅子様から入浴するようにと命が出ております。私はベッドのマットを交換するのでいなくなりますので、終わりましたら壁にあるそのボタンを。私に合図が届くので、迎えに参ります。そちらに着替えよ用意いたしました。
ところで、くれぐれも変な気を起こしませぬよう」
それだけ言うとドアを開けて出て行った。監視の目がなくなるのだろう。浴場も広くあんな拷問部屋がある屋敷だ、たとえ逃げようとしても、容易くに外に出られるとは思えない。
しかし、これはチャンスではないか。
紅子の尿の臭いがこびりついているので、顔を中心にシャワーで念入りに洗う。鞭によってできた傷にしみて痛むが、そこまで深い傷ではないようだ。浴室には明かり取り用の窓しかなく、とても届きそうにない。
手早く身体を拭き、雨宮が置いていった服を見る。Tシャツとメンズのボクサーパンツ、スウェット地のハーフパンツがあり、どれも新品のようだ。服を着ると廊下に繋がるドアを音が出ないように開ける。
浴室は角にあるようで、正面と右手に廊下が延びている。深紅のカーペットが敷かれ、いくつかのドアが見える。
廊下は明かりが灯っているが、どこか重苦しい空気が漂っていた。どちらの廊下も曲がり角で終わっていて、外に繋がっているような気配はない。曲がり角には観葉植物が置かれているくらいで、監視カメラのようなものは見当たらない。屋敷の全貌はわからない、しかしここで動かなければ逃げるチャンスはそうないはずだ。
意を決し右手側の廊下へ歩みだす。
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