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エイミー自分でピンチになる1
しおりを挟む今日こそ、嫌われてみせるわ!!
そう意気込んでいる私は今、殿下と学園の敷地内にある湖を歩いているのよ。
「エイミーが湖散策に誘ってくるなんて思わなかったよ、嬉しいなぁ~」
いかにもすぎて怪しかったかしら?
でもこの時間じゃないと、人いない時間がなかったんだもの仕方ないわよね!!
「わ、私だってたまには誘ってみることもありますよ、ほほほ……」
「え?エイミーは僕の事が好きになったんだね!」
「断じてありえません!!!」
く、くそう……殿下のポジティブさに、私の心が先に折れそうよ!
でも今回は殿下の勢いに飲まれないわよ、その為の作戦はもう考えてきてあるもの。
その名も、引いてダメなら押してみろ作戦!!
前のユリア様の案は階段から落とすだからダメだったのよ。
そうよ、殿下をさりげなく湖に落とす!これが今回の作戦よ!!
そして私といると殿下には不幸が起きるからと、一緒にいることはできなくなり私は自由の身になるの!!
ふふ、完璧な作戦だわ……。
「エイミー、湖がキラキラしてて綺麗だね」
「え、ええ。そうですね……」
確かによく見ていなかったけれど、丁度この時間帯は夕焼けが水面に反射してオレンジ色と湖の青が綺麗に混じって見えるのね……しらなかったわ。
「でも、湖よりもエイミーのがもっと綺麗だよ」
「は?」
突然言われたせいで素で返してしまったわ!
い、いえ、これでいいのよ!殿下に少しでも期待をさせたら負けなんだから!
「あ、あれ?おかしいな……ここで赤くなるエイミーが見れるはずだったのに?」
「残念でしたね、殿下に言われても嬉しくありません!」
「な、何で!?僕はこれでも本気で言っているんだよ?今のエイミーは水面が反射してキラキラととても美しくて、少し儚さが見え隠れしてて……そんな中に可愛さも秘めている。そんな完璧なエイミーが僕は好きだ」
はあぁあああぁあああーーーーーーー!!!?
もう、それ以上は恥ずかしいからやめて!!!
しかもなんかちゃっかり告白してきてるし!
「そ、そんなこと言われても私は1ミリもなびきませんから……」
「そんなぁ~!!!」
ここは我慢よエイミー!!
とにかくこれ以上変な事を喋らせる前に、殿下を湖に落とさないと!
「で、殿下!」
「なんだい、エイミー?」
「その、肩にご、ゴミが付いてますので取って差し上げますね?」
「え!?エイミーが取ってくれるのかい?嬉しいなぁ……じゃあじっとしているからゆっくり取ってくれていいからね?」
ここまではよし!
あとは、事故を装って殿下を湖に落とせば……!
「あっ、すみません手がすべっ……え?」
ちょっ!!なんで後一歩のところで足を滑らせてるのよ私!!
しかもこのままいくと、私……湖に一直線なんですけどーーーーーー!!!
「エイミー!!!!」
殿下の声がして、ザバンっと私が湖に落ちた音だけはわかったけど……。
私!泳げないのよーー!!!
いやぁああああ!!!!!
一生懸命手足をバタつかせて見たけどダメだわ……沈んでいくだけなんですけど!!
誰か、助けて!
ーーー 助けて、私の王子様!!
も、もうだめ……。
ふふ、最後は自業自得で死ぬのねエイミー。
薄れゆく意識の中で誰かが私の手を掴んで引き寄せたのが見えた気がしたわ。
あなたは、私の王子様……?
そう思ったところで私の記憶は途絶えた。
そして次に目を覚ましたら私は保健室にいて……ぼんやりする頭で先程の事を思い出してみる。
私は、さっき溺れて……はっ!!で、殿下!?
まさか、助けてくれたのは殿下?
あそこには私と殿下しかあのときいなかったのよ、それ以外あり得ないじゃない。
じゃあ私の王子様は……。
ううん。やっぱり王子様なんていなかったのね!
「エイミー、起きたのかい?」
「あ、殿下すみませんご迷惑をおかけしました」
「いや、エイミーを守るのが僕の生きがいだから、それはいいんだ。でもエイミーが落ちる前に僕は助ける事ができなくて……すまなかった」
「いや、殿下は謝らないで下さい!!」
本当は殿下を落とそうとしていた悪女は私です!なんて言えるわけないじゃない!
あぁ、胸がチクチクするわよ!!!
それにしても殿下ったら、こんなにビショビショに濡れてまでわたしを助けて下さったのね。
ちゃんと、お礼を言わないといけないわよね。
「殿下、助けて頂いて本当に有難うございます。今度何かお礼をしたいのですが?」
「ど、どうしたんだいエイミー!まさか……!ついに大天使になってしまったのかい!!」
「何でよ!?発想がおかしいわよ!!!!」
真面目にお返ししようとしただけなのに、もう何でこうなるのよ!!!
その後、とりあえず殿下と一日デートすると言う事で、何とかお礼を遂行することができそうなのは良かったけど……。
1日デートってどうするのよ!!?
いえ、まだデートまで日にちはあるから大丈夫!
それまでに対策を取るのよ、エイミー!
よし、負けるなエイミー!頑張れエイミー!
そう思い私は濡れたまま急いで家に帰ったのでした。
もちろんその後、風邪をひいたのは言うまでもありませんね。
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