11 / 65
エイミー自分でピンチになる3
しおりを挟む殿下とデートという呪われた日がついにきてしまったわ。
本当はすぐに帰ろうと思ってたのに、なんで……。
なんで、王宮の庭園でデートなのよ!!!
これじゃあ、殿下はお帰りになった方がいいですね作戦が使えないじゃない!!
こんなところじゃ勝手に帰る事もできないし、どうしたらいいの!?
でもまって、殿下とのデートは夕方までよ?
今は庭園でティータイム中だもの。そのまま殿下の会話を流して、ちょっとお茶して帰ればいいだけじゃない!
それまで頑張って耐えて見せるのよエイミー!
「エイミー、少し庭園を見ながら話をしないか?」
なんで!!?人がせっかく方針を固めたところなのに、予想外の事をしてくるのよ!
「エイミー、お手をどうぞ」
「まだ私行くとは言ってないのですけども?」
「ははは、そうかエイミーは僕とのデートで照れているんだね?困ったオカメインコちゃんだ!」
なんでオカメインコよ!!?
そのチョイスなんなの!!!!
「オカメインコのほっぺが赤いから照れてる君のようだろ?」
「いや、照れてませんから!?」
殿下の例えに付き合ってられないわよ……。
それにしても、この庭園……昔来たことあるうえに、私の嫌な思い出の場所なんじゃないかしら?
私、昔ここで王子様に会った事があるのよね。
そのときは王子様に憧れていたからとても喜んでわ。
でもその話をお母様にしたら、『王子様に憧れるのは5歳までよ』なんて言われてしまって当時10歳の私は大いにショックを受けたのだったわね……嫌な思い出だわ……。
「ぼーっとしてどうしたのエイミー?」
「っで、殿下!?」
凄いお顔が近くて危うく、突き飛ばすところだったわ……ビックリした。
殿下の綺麗な顔で、いきなり近づいてこないでほしいわよ!!いつもいつも、心臓に悪いんだから!
「はい、エイミーには花が似合うよ!」
「花……?」
そっと耳に花を挿してもらったけど、どんな花か見ていないから似合ってるかもわからないわ……。
でも、なんだか少しだけ可愛くなれたかしら?
別に殿下に見て欲しいわけじゃないですけど!
「エイミー大変だ!」
「え、なんですか?」
「僕からしたらエイミーが可愛すぎて、花が引き立て役としては物足りないかもしれない!!!」
もう、いつもの病気発症してるわよ!!?
ちょっとカッコいいとこあると思ったのに、やっぱりおかしいわよこの王子!!
「それに、やっぱり僕はエイミーが好きだ」
「殿下は、婚約者いるからダメです!!」
「でも僕は必ずエイミーが納得いくような結果をだしてみせるから……だから僕を信じて待っていてくれないか?」
「信じるも何も、私殿下のこと好きじゃないから待ってないですよ?」
「エイミー、辛辣っ!!?」
なんと言われようが、私は殿下の事を好きになんてならないので、そこは自分に安心できるわね!
「ところで、なんでデートを庭園にしたのですか?」
わざわざデートするのに、王宮内なんて殿下らしくないわ。殿下ならデートプラン完璧に組んで私が逃げ出す隙を与えなさそうなのに。
いや、でもこれも逃げ出せないから同じなのかもしれないけど……。
「……ねぇ、エイミー。この場所覚えてる?」
「この場所?」
よく見るとここは、あの記憶の場所じゃない!?
何で殿下はこの場所を??
「ここは、僕とエイミーが初めて会った場所なんだよ?」
「え、そうでしたか……?」
「あの日エイミーは僕に、王子様といってキスをしてきた」
へ?なんで殿下はそのときの話を知っているの?
まさか、王子様は…………。
本当にいたの???夢じゃなくて?
しかも今の話だと、殿下は私と王子様が出会ったところを偶然見たんだわ!
ということは、殿下は私の王子様の正体をしっているわけね!!
「殿下は、その王子様をご存知で?」
「いやいや!!今の話の流れだと、王子様は僕だよね!?」
「いや、ないです。ありえませんよ!!!私の王子様がこんなんなわけが無いじゃないですか!?」
そうよ、絶対に気を引くために言っている嘘に決まってるわ!
「エイミー、そんなぁ~」
「それに、王子様と聞いて一瞬喜びかけましたけど、私もう王子様を望む年齢ではないのですよ?」
「で、でも僕との思い出は??」
「いいですか、私の前で二度と王子様の話はしないで下さい!!」
それは私の恥ずかしい過去なの!
今すぐに封印しなくてはいけないものなの!!!
「そ、そうか……わかった。エイミーが望むならこの話はもうしないよ」
キツく言い過ぎたかしら、少しションボリしてしまったわ。
でも殿下がいけないんだわ、突然私の王子様は自分だなんて言うんだもの……!
「だけど、エイミー……」
「な、何でしょう?私の事嫌いになったと言うなら今ですよ?」
酷い女である私を見せつけて幻滅させる作戦が勝手に発動したみたいね!
さあ、殿下。早く言ってください!幻滅したよ、エイミーと!!
「エイミー…………」
ゴクリ。
「今度の卒業パーティーで、僕にエスコートさせてくれ!!!」
なんでよ!!?
殿下のメンタルどうなってんのよ!?
しかもどっからその話きたのよ???
それ以前に……。
「殿下は婚約者様のエスコートがあるじゃないですか!!?何、寝ぼけた事いってるんですか???」
「いや僕は寝ぼけてないよ?お目々ぱっちりで、エイミーの可愛い姿もしっかり見る事ができるぐらいベストコンディションさ!!」
「つっこんで欲しいところはそこじゃないんですけど!!??」
殿下の思考回路はどうなってるのよ!?
もう、誰か助けて!!!
「ああ、フィアのことか……あいつはまだ在学生じゃないから、今回のパーティーは顔見せ程度ですぐに帰る予定だ。だからその後でも!」
「絶対に近づいてこないで下さい!!!!」
「ええ!?そんなぁ~」
そんなぁ~、じゃない!!
なんで、大丈夫だと思ったのか教えてほしいぐらいなんだけど!!?
「それに、私のためを思って頂けるのでしたら今はやめてください。最近、殿下に思われ人がいると噂になっているのですよ?」
「ああ、それ僕が流してるから」
「なんで!!!!???」
私が危険になってるのは、殿下せいなんじゃないの!!
好きだと言うのならもっと誠意を見せてほしいものだわ……。
「一応はエイミーの隠れ蓑用にだから、見た目は全く違う人物像が伝わっているはずだよ?エイミーには迷惑をかけない、そう言っただろ?」
殿下、私の手を勝手にとってそんなカッコよく言われても、別にドキドキなんてしませんから……。
でも少しは私のこと考えたくれてたみたいなので、感謝はさせてもらいますけどね。
「殿下、ありがとうございます」
「え、エイミ~~!!!ああ、僕はやはり君のことが好きだ!!僕と結婚してくれ!!」
「待って、今のでなんで告白されるの!!?」
しかもなんか結婚してくれって聞こえた気がするのだけど……気のせいかしら???
「ああ、すまない。君の微笑みを見たらこの想いをいますぐに伝えないと、と思ってしまって……」
「いや、私……微笑んでました!?」
「ああ、凄く美しい笑顔だったよ」
そんな眩しい笑顔で言われても信用できないわ!
きっと殿下の妄想ね……。
「じゃあ、改めて……僕は君のことが好きだ!」
「いや改めないで!!!何度言われてもお断りいたしますから!!!」
叫ぶ私は、一瞬でも殿下の事をいい人だと思ったのが間違いだったのよ……。
だから殿下の前では二度と笑わないようにするわ!
そう心に決めて、今日のデートは幕をとじたのでした。
0
あなたにおすすめの小説
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
一途に愛した1周目は殺されて終わったので、2周目は王子様を嫌いたいのに、なぜか婚約者がヤンデレ化して離してくれません!
夢咲 アメ
恋愛
「君の愛が煩わしいんだ」
婚約者である王太子の冷たい言葉に、私の心は砕け散った。
それから間もなく、私は謎の襲撃者に命を奪われ死んだ――はずだった。
死の間際に見えたのは、絶望に顔を歪ませ、私の名を叫びながら駆け寄る彼の姿。
……けれど、次に目を覚ました時、私は18歳の自分に戻っていた。
「今世こそ、彼を愛するのを辞めよう」
そう決意して距離を置く私。しかし、1周目であれほど冷酷だった彼は、なぜか焦ったように私を追いかけ、甘い言葉で縛り付けようとしてきて……?
「どこへ行くつもり? 君が愛してくれるまで、僕は君を離さないよ」
不器用すぎて愛を間違えたヤンデレ王子×今世こそ静かに暮らしたい令嬢。
死から始まる、執着愛の二周目が幕を開ける!
魔法使いと彼女を慕う3匹の黒竜~魔法は最強だけど溺愛してくる竜には勝てる気がしません~
村雨 妖
恋愛
森で1人のんびり自由気ままな生活をしながら、たまに王都の冒険者のギルドで依頼を受け、魔物討伐をして過ごしていた”最強の魔法使い”の女の子、リーシャ。
ある依頼の際に彼女は3匹の小さな黒竜と出会い、一緒に生活するようになった。黒竜の名前は、ノア、ルシア、エリアル。毎日可愛がっていたのに、ある日突然黒竜たちは姿を消してしまった。代わりに3人の人間の男が家に現れ、彼らは自分たちがその黒竜だと言い張り、リーシャに自分たちの”番”にするとか言ってきて。
半信半疑で彼らを受け入れたリーシャだが、一緒に過ごすうちにそれが本当の事だと思い始めた。彼らはリーシャの気持ちなど関係なく自分たちの好きにふるまってくる。リーシャは彼らの好意に鈍感ではあるけど、ちょっとした言動にドキッとしたり、モヤモヤしてみたりて……お互いに振り回し、振り回されの毎日に。のんびり自由気ままな生活をしていたはずなのに、急に慌ただしい生活になってしまって⁉ 3人との出会いを境にいろんな竜とも出会うことになり、関わりたくない竜と人間のいざこざにも巻き込まれていくことに!※”小説家になろう”でも公開しています。※表紙絵自作の作品です。
冷遇妃ライフを満喫するはずが、皇帝陛下の溺愛ルートに捕まりました!?
由香
恋愛
冷遇妃として後宮の片隅で静かに暮らすはずだった翠鈴。
皇帝に呼ばれない日々は、むしろ自由で快適——そう思っていたのに。
ある夜、突然現れた皇帝に顎を掴まれ、深く口づけられる。
「誰が、お前を愛していないと言った」
守るための“冷遇”だったと明かされ、逃げ道を塞がれ、甘く囲われ、何度も唇を奪われて——。
これは冷遇妃のはずだった少女が、気づけば皇帝の唯一へと捕獲されてしまう甘く濃密な溺愛物語。
冷酷騎士様の「愛さない」は一分も持たなかった件
水月
恋愛
「君を愛するつもりはない」
結婚初夜、帝国最強の冷酷騎士ヴォルフラム・ツヴァルト公爵はそう言い放った。
出来損ないと蔑まれ、姉の代わりの生贄として政略結婚に差し出されたリーリア・ミラベルにとって、それはむしろ救いだった。
愛を期待されないのなら、失望させることもない。
契約妻として静かに役目を果たそうとしたリーリアは、緩んだ軍服のボタンを自らの銀髪と微弱な強化魔法で直す。
ただ「役に立ちたい」という一心だった。
――その瞬間。
冷酷騎士の情緒が崩壊した。
「君は、自分の価値を分かっていない」
開始一分で愛さない宣言は撤回。
無自覚に自己評価が低い妻に、激重独占欲を発症した最強騎士が爆誕する。
以後、
寝室は強制統合
常時抱っこ移動
一秒ごとに更新される溺愛
妻を傷つける者には容赦なし宣言
甘さ過多、独占欲過剰、愛情暴走中。
さらにはリーリアを取り戻そうとする実家の横槍まで入り――?
自己評価ゼロの健気令嬢と愛が一分も我慢できなかった最強騎士。
溺愛が止まらない、契約結婚から始まる甘すぎる逆転ラブコメ
【完結】ひとつだけ、ご褒美いただけますか?――没落令嬢、氷の王子にお願いしたら溺愛されました。
猫屋敷むぎ
恋愛
没落伯爵家の娘の私、ノエル・カスティーユにとっては少し眩しすぎる学院の舞踏会で――
私の願いは一瞬にして踏みにじられました。
母が苦労して買ってくれた唯一の白いドレスは赤ワインに染められ、
婚約者ジルベールは私を見下ろしてこう言ったのです。
「君は、僕に恥をかかせたいのかい?」
まさか――あの優しい彼が?
そんなはずはない。そう信じていた私に、現実は冷たく突きつけられました。
子爵令嬢カトリーヌの冷笑と取り巻きの嘲笑。
でも、私には、味方など誰もいませんでした。
ただ一人、“氷の王子”カスパル殿下だけが。
白いハンカチを差し出し――その瞬間、止まっていた時間が静かに動き出したのです。
「……ひとつだけ、ご褒美いただけますか?」
やがて、勇気を振り絞って願った、小さな言葉。
それは、水底に沈んでいた私の人生をすくい上げ、
冷たい王子の心をそっと溶かしていく――最初の奇跡でした。
没落令嬢ノエルと、孤独な氷の王子カスパル。
これは、そんなじれじれなふたりが“本当の幸せを掴むまで”のお話です。
※全10話+番外編・約2.5万字の短編。一気読みもどうぞ
※わんこが繋ぐ恋物語です
※因果応報ざまぁ。最後は甘く、後味スッキリ
バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました
美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?
氷の宰相補佐と押しつけられた厄災の花嫁
瑞原唯子
恋愛
王命により、アイザックはまだ十歳の少女を妻として娶ることになった。
彼女は生後まもなく始末されたはずの『厄災の姫』である。最近になって生存が判明したが、いまさら王家に迎え入れることも始末することもできない——悩んだ末、国王は序列一位のシェフィールド公爵家に押しつけたのだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる