毎秒告白したい溺愛王子と、悪女になりたくないエイミーの激おこツッコミ劇場

ゆきぶた

文字の大きさ
24 / 65

新学期スタート3

しおりを挟む

「殿下!!話を聞いて下さい!!」
「嫌だ!僕は絶対に許可しないぞ!!!」

 私と殿下は、恒例になっている話し合いを空き教室でしていたはずだったの。
 それなのに何故こんな問答を繰り返しているかと言えば、私が殿下に「彼氏を作るためにパーティーに行きます」と言ったからなんだけど……。

「殿下、パーティーぐらいは許して下さいよ!」
「だめだ、駄目だ!!エイミーがパーティーに言ったら、ついにエイミーの魅力的な天使力が溢れてしまって、世界を幸せにしてしまうかもしれない!」
「ちょっと!!わかる言葉で話して貰っていいですか!!?」

 殿下の想像する時空が、大地から空に飛び立ってる気がするんですけど!?
 いえ、私も何言ってるかわからないわ!!

「そうだ。わかった、こうしよう!僕も一緒についていってもいいならパーティーを許可するよ!」
「それだと意味がないじゃないですか!!?」
「何故っ!?」

 何故って……そう言いたいのはこっちのほうなんですけど!!
 しかも殿下は必死だからって、私の手を握るのはやめて欲しいのだけど……。

「だって、殿下がいたら彼氏作り出来ないじゃないですか!?」
「ええ!?いやいや、エイミーの邪魔はしないから!!」

 ん?殿下は今なんて??

「待ってください!殿下は私が彼氏を探す事に反対しているわけじゃないんですか?」
「え?違うよ。僕はエイミーに彼氏が出来たとしても、諦めないだけだから……それに僕が選ばれなったら悲しいけど、頑張るエイミーを僕は応援したいんだ」
「殿下……いや、応援して下さるのなら私の事もそのまま諦めて下さいよ!!」
「それと、これとは話が違うんだ!!!!」

 何故かそこだけは頑ななのはなんなのかしら?
 でも今はそこは置いといて、これじゃあ余計に殿下のついてくる理由が全くわからなくなったのだけど!?

「はぁ……よくわかりませんが邪魔をしないなら、殿下は何で一緒についてくるつもりなんですか?」
「エイミーが天使になって、飛び立たったときに引き止めるためだよ!!!」
「飛び立つわけないでしょうが!!!!」

 余りにもありえない事に、私は立ち上がって叫んでしまったじゃない。
 ああ、もうやだこの殿下……本当、頭が痛いわよ。

「で、でも……もしもの場合が……!」
「そんなこと一生おきませんから、安心して下さい。殿下いいですか、そのパーティーに無理矢理ついてこようとしたら、絶交しますからね!!」
「ぜ、絶交!!?わ、わかった!わかったから!!それだけはやめてくれ……!?」
「わかってくれたならいいのですけど……」

 なんだか信用できないのよね……それは殿下だから?きっと当日も何処かでコッソリ覗いてたりしないか、心配だわ。

「それで、パーティーはいつなんだっけ?」
「週末なので、すぐですね」
「ええ!?そんなにすぐなの!!ど、どどどうしよう。エイミーに恋人ができちゃって、目の前でイチャイチャし始めたら……僕、もう生きていけない……」

 殿下が勝手に妄想して勝手に落ち込むのは仕方がないとして、本当にそうなって殿下に諦めて貰うのが理想なのよね。
 それなのに何だか落ち込んでいる殿下を見ていたら、気になってしまって私はありえない事を呟いてしまったのよ。

「殿下、週末までは日にちありますから……それまでたったら何回告白されても、文句は言いませんよ……」
「え、エイミー?」

 きっと彼氏ができたら、もう殿下に告白される事もなくなるわけだし、だから私は王子様からの告白という貴重な経験を忘れたくなかったのかもしれない。
 私の話を聞いて、キョトンとしている殿下に言う。

「殿下、もう一度はいいませんから。言うなら早くしてください」

 きっと私の顔は赤くなっていたかもしれない。

「エイミー、僕は君の事が……いや、今はやめておこう」
「え?いや、今!今でしょ!?今しかないのに、なんで!?」
「そんな機械的に僕は告白してるわけじゃないんだ。エイミーに本当に言いたくなったそのときに愛を伝えたい、だから今は駄目なんだ」
「殿下……」

 乙女の羞恥心をかえせーーーー!!!!
 せっかく私が告白してもいいですよ、と気分良く言ってあげたのに……こんな日は一生来ない予定ななに!それを断るなんて信じられない!!
 そう私が憤慨する前に、先に殿下がプルプルと震えだしたから心配になったのだけど?

「えっと、殿下……?」
「あぁ、せっかくカッコつけたのに駄目だ!耐えられない!!エイミーやはり僕はいつでも君の事が好きだ!」
「……へ?」

 いやいや、さっきの何だったのよ!?
 しかも怒っていたせいかしら、私の顔がポンッと赤くなってしまったのよ。

「エイミー、顔真っ赤で可愛い」
「う、うるさいですよ!!わ、私は殿下の事好きじゃありませんし、週末に彼氏つくっちゃうんですからね!!」
「それでも、僕はエイミーが好きだよ……」

 ぐ、ぐぬぬ……何故かしら、最近殿下に押され気味よエイミー!
 負けちゃだめ!!

 そのために絶対にパーティーで素敵な人と巡り会ってやるんだから!!
 真っ赤な顔をしたまま、私は強く決意したのです。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い

青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。 神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。 もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。 生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。 過去世と同じ轍を踏みたくない……

一途に愛した1周目は殺されて終わったので、2周目は王子様を嫌いたいのに、なぜか婚約者がヤンデレ化して離してくれません!

夢咲 アメ
恋愛
「君の愛が煩わしいんだ」 婚約者である王太子の冷たい言葉に、私の心は砕け散った。 それから間もなく、私は謎の襲撃者に命を奪われ死んだ――はずだった。 死の間際に見えたのは、絶望に顔を歪ませ、私の名を叫びながら駆け寄る彼の姿。 ​……けれど、次に目を覚ました時、私は18歳の自分に戻っていた。 ​「今世こそ、彼を愛するのを辞めよう」 そう決意して距離を置く私。しかし、1周目であれほど冷酷だった彼は、なぜか焦ったように私を追いかけ、甘い言葉で縛り付けようとしてきて……? ​「どこへ行くつもり? 君が愛してくれるまで、僕は君を離さないよ」 ​不器用すぎて愛を間違えたヤンデレ王子×今世こそ静かに暮らしたい令嬢。 死から始まる、執着愛の二周目が幕を開ける!

魔法使いと彼女を慕う3匹の黒竜~魔法は最強だけど溺愛してくる竜には勝てる気がしません~

村雨 妖
恋愛
 森で1人のんびり自由気ままな生活をしながら、たまに王都の冒険者のギルドで依頼を受け、魔物討伐をして過ごしていた”最強の魔法使い”の女の子、リーシャ。  ある依頼の際に彼女は3匹の小さな黒竜と出会い、一緒に生活するようになった。黒竜の名前は、ノア、ルシア、エリアル。毎日可愛がっていたのに、ある日突然黒竜たちは姿を消してしまった。代わりに3人の人間の男が家に現れ、彼らは自分たちがその黒竜だと言い張り、リーシャに自分たちの”番”にするとか言ってきて。  半信半疑で彼らを受け入れたリーシャだが、一緒に過ごすうちにそれが本当の事だと思い始めた。彼らはリーシャの気持ちなど関係なく自分たちの好きにふるまってくる。リーシャは彼らの好意に鈍感ではあるけど、ちょっとした言動にドキッとしたり、モヤモヤしてみたりて……お互いに振り回し、振り回されの毎日に。のんびり自由気ままな生活をしていたはずなのに、急に慌ただしい生活になってしまって⁉ 3人との出会いを境にいろんな竜とも出会うことになり、関わりたくない竜と人間のいざこざにも巻き込まれていくことに!※”小説家になろう”でも公開しています。※表紙絵自作の作品です。

冷遇妃ライフを満喫するはずが、皇帝陛下の溺愛ルートに捕まりました!?

由香
恋愛
冷遇妃として後宮の片隅で静かに暮らすはずだった翠鈴。 皇帝に呼ばれない日々は、むしろ自由で快適——そう思っていたのに。 ある夜、突然現れた皇帝に顎を掴まれ、深く口づけられる。 「誰が、お前を愛していないと言った」 守るための“冷遇”だったと明かされ、逃げ道を塞がれ、甘く囲われ、何度も唇を奪われて——。 これは冷遇妃のはずだった少女が、気づけば皇帝の唯一へと捕獲されてしまう甘く濃密な溺愛物語。

冷酷騎士様の「愛さない」は一分も持たなかった件

水月
恋愛
「君を愛するつもりはない」 結婚初夜、帝国最強の冷酷騎士ヴォルフラム・ツヴァルト公爵はそう言い放った。 出来損ないと蔑まれ、姉の代わりの生贄として政略結婚に差し出されたリーリア・ミラベルにとって、それはむしろ救いだった。 愛を期待されないのなら、失望させることもない。 契約妻として静かに役目を果たそうとしたリーリアは、緩んだ軍服のボタンを自らの銀髪と微弱な強化魔法で直す。 ただ「役に立ちたい」という一心だった。 ――その瞬間。 冷酷騎士の情緒が崩壊した。 「君は、自分の価値を分かっていない」 開始一分で愛さない宣言は撤回。 無自覚に自己評価が低い妻に、激重独占欲を発症した最強騎士が爆誕する。 以後、 寝室は強制統合 常時抱っこ移動 一秒ごとに更新される溺愛 妻を傷つける者には容赦なし宣言 甘さ過多、独占欲過剰、愛情暴走中。 さらにはリーリアを取り戻そうとする実家の横槍まで入り――? 自己評価ゼロの健気令嬢と愛が一分も我慢できなかった最強騎士。 溺愛が止まらない、契約結婚から始まる甘すぎる逆転ラブコメ

【完結】ひとつだけ、ご褒美いただけますか?――没落令嬢、氷の王子にお願いしたら溺愛されました。

猫屋敷むぎ
恋愛
没落伯爵家の娘の私、ノエル・カスティーユにとっては少し眩しすぎる学院の舞踏会で―― 私の願いは一瞬にして踏みにじられました。 母が苦労して買ってくれた唯一の白いドレスは赤ワインに染められ、 婚約者ジルベールは私を見下ろしてこう言ったのです。 「君は、僕に恥をかかせたいのかい?」 まさか――あの優しい彼が? そんなはずはない。そう信じていた私に、現実は冷たく突きつけられました。 子爵令嬢カトリーヌの冷笑と取り巻きの嘲笑。 でも、私には、味方など誰もいませんでした。 ただ一人、“氷の王子”カスパル殿下だけが。 白いハンカチを差し出し――その瞬間、止まっていた時間が静かに動き出したのです。 「……ひとつだけ、ご褒美いただけますか?」 やがて、勇気を振り絞って願った、小さな言葉。 それは、水底に沈んでいた私の人生をすくい上げ、 冷たい王子の心をそっと溶かしていく――最初の奇跡でした。 没落令嬢ノエルと、孤独な氷の王子カスパル。 これは、そんなじれじれなふたりが“本当の幸せを掴むまで”のお話です。 ※全10話+番外編・約2.5万字の短編。一気読みもどうぞ ※わんこが繋ぐ恋物語です ※因果応報ざまぁ。最後は甘く、後味スッキリ

バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました

美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?

氷の宰相補佐と押しつけられた厄災の花嫁

瑞原唯子
恋愛
王命により、アイザックはまだ十歳の少女を妻として娶ることになった。 彼女は生後まもなく始末されたはずの『厄災の姫』である。最近になって生存が判明したが、いまさら王家に迎え入れることも始末することもできない——悩んだ末、国王は序列一位のシェフィールド公爵家に押しつけたのだ。

処理中です...