28 / 65
好きな人探し3
しおりを挟むえっと、どうしてこうなったのかしら?
「貴様ら、こいつの命が惜しかったらフィーリア様を出せ!!!」
そう言ってる男にナイフを突きつけられてるのは、私で───。
いや私、大ピンチじゃん!!!?
何故こんなことになったのかと言えば、ガーデンパーティーに来ている殿方に呼び止めらたからなのだけど。
そう、確かあのとき……。
「貴方は、フィーリア様に直接呼び出されたと噂されている、エイミー様ですよね?」
「へ?直接……」
私は少しご飯を食べようかと、料理が並ぶところにいたのだけど緑髪の男に呼び止められたのよ。
「直接といえば直接ですけど……」
「そうか、なら話は早い。悪いが人質になってもらう!!」
「へゃぇ?」
なんて間抜けな返事をしている間に喉もとにナイフを突きつけられて、こうして絶体絶命のピンチに陥っているところなのよね……。
いや、本気で殺されるのではないかと不安なのだけど!!??
そう思っていたら、奥の方がザワザワとしはじめたわ。
「おー、ほっほっほっ!!!ワタクシを呼んだのはどなたかしら?」
「フィーリア様っ!!」
「……なんだ、アストルではありませんこと?」
高笑いをしながら現れたフィア様は、相手を見ると途端にテンションを下げたのだけど……というより、フィア様のお知り合い???
「フィーリア様!!どういうことですか!?僕は貴方がいればそれで良かったのに、何でこんなところに呼ばれたのか全くわかりません!!!」
「……アストル、貴方はワタクシにべったりし過ぎなのよ。だからいい加減ワタクシ離れをして欲しかったのですわ」
「そんな……僕は絶対に嫌です!!その言葉を撤回して頂けないのでしたら、僕はこのお嬢さんを傷つけますから!」
いやいや、何で2人の話なのに私が被害を被るのよ!!?
た、助けてフィア様!!!
「ええ、どうぞ?」
ガーン、見捨てられたわ!!?
な、なんで~!私達お友達になったんじゃなかったのでしたっけ???
「……ただし、アストルにそれ相応の覚悟がおありでしたらですわよ?」
「僕にはフィーリア様しかいないんです!!」
そう言いながらナイフを振り下ろさないで!!
もう駄目だわ!!!エイミー、来世では素敵な人生が待っていますように祈りましょう。
「やっておしまいなさい!!」
そう言うフィア様の後ろから、護衛さんが飛び出してきて何かを投げつけたのが見えたのよ。
それは一直線にこっちにむかってきて、って私に当たるんじゃないのそれ!!?
「ぐぁっ!!」
って、な、なに?って、アストルとか呼ばれてた男の手にナイフが刺さってるわ!?
いや、手が緩んだ今がチャンス!逃げるのよエイミー!!って思ったけど、体が震えてうごけないわよ……!?
だ、誰かたすけてーーー!!!
「…………っエイミー……!!」
「っきゃっ!?」
今度は何?って、護衛さんが私を抱えて……。
って、私ったらお姫様抱っこされてるわ!!?
恥ずかしいけど、護衛さんが私を助けてくれたのね。
何かしら、胸がドキドキする……。
「……そこにいて」
ご、護衛さんが喋った!!?少し低い声がカッコいい……。
そう驚いている間に降ろされた私は、言われた通りその場から動かずに護衛さんをポーッと見つめていたわ。
「くっそ、そこの鎧男!よくも僕の手を!!!」
「うるさい男だ」
「僕はこれでも魔法が得意なんだ、僕に手を上げた事後悔させてやる!!」
「ならば、その得意な魔法とやらを見せてみろ?」
「くっそぉ!!!!」
叫んだアストルさんが、護衛さんに炎の魔法を投げつけたのが見えたけど、無詠唱であんなにも早く魔法が出せるなんて……魔法については天才と呼べる才能だわ。護衛さんは大丈夫かしら……?
「ふん。なんだ、この程度か」
飛んでくる炎を見て面白くなさそうに、持っている剣を振り下ろしただけなのに、何故か炎が霧散していったのだけど……!?いや、何それ???
「なっ!?僕の魔法が、剣でこんな簡単に切られただって……?」
「アストル、諦めたほうがよろしくてよ?彼に敵うのは本職の騎士ぐらいだと思いますわ!」
「そ、そんな……」
フィア様の一言で、アストルさんは諦めたようにその場に座り込んだみたいね。これでもう大丈夫なのかしら?
「フィーリア様……僕はあなたのおそばにいたいだけなのにどうして……っ!」
「全く、どうしようもない子ですわね……。ワタクシは別にアストルを遠ざけたわけではなくてよ?」
「え?」
「そろそろアストルにも仲のいい友達を作って欲しかったのですわ。でも今回の件、未遂とはいえあなたの名誉は挽回するのに時間がかかりましてよ?」
「ふぃ、フィーリア様~~~~!!!!」
何かしら、凄くいい話に見えるけど、部外者過ぎて全くよくわからないわ!!??
しかも私って必要だった?的なやつよ!!?
「…………大丈夫か?」
「あ、護衛さん!!私は大丈夫でしたけど、護衛さんは怪我してませんか?」
「…………(コクコク)」
あ、もう話してはくれなさそうなのね……。
それにしても、護衛さんが横に立っているだけで何かしら、凄く心臓がドキドキするわ。
も、もしかしてこれが恋!!?
いやいや、まだ顔も見たことがないのにそんなことあり得ないわよね??
でも護衛さんなら、どんな顔をしていてもきっと気にならない気がするのよね……。
だけど護衛さんはブレイズ侯爵家の護衛だから、もう会う事も出来ないわよね……。
そ、それなら勇気を出すのよエイミー!
「あ、あの」
「…………?」
「ガーデンパーティーが終わっても、また会って下さいますか?」
「……っ!?」
ちゃんとニッコリ笑顔で言えたと思うけど、護衛さんの答えはどうかしら?
いきなり私みたいなのにこんなこと言われたら嫌かもしれないものね……。
「……また」
「え?」
護衛さんは今、また。って言って下さったかしら?
もう一度聞きなおそうとしたのに、フィーリア様のガーデンパーティー終了を知らせる声が聞こえると、護衛さんはスッと何処かへ行ってしまったのよ。
その姿を見ていたら、フィア様がこちらに来るのが見えたわ。
「エイミー様、今日のガーデンパーティーは終わってしまいましたけど、素敵な殿方は見つかりまして?」
「あ、はい。その……恥ずかしいのですけど、実は護衛さんの事が気になってまして……」
「ひゃい!!?あら、いやだわ。驚きのあまりかんでしまいましたわ。おほ、おほほ、おほほほ!!」
フィア様でもかむときがあるのよね。とても驚きだけど、なんだか身近な相手って感じがするわ!
「すみませんエイミー様、私はこの後用事がありましてよ?ですのですぐに馬車をご準備いたしますわね!!」
「は、はい。あのまた護衛さんに会うために、遊びに来てもいいですか?」
「え、ええ。もちろんでしてよ!?そ、それでは失礼いたしますわ~!!!おほほほほ!!!」
凄い勢いでフィア様は走っていってしまったけど、一体どうしたのかしら……?
でも私にも素敵が出会いがあったから、今回のガーデンパーティーは行ってよかったわ。
何故かしら、全く顔を見ていないのにその姿を想像するだけで、胸がときめく……。
これが恋、なのね。
その幸せを噛み締めながら、次に私が殿下に会ったとき何て言って諦めてもらおうか考えることにしたのです。
ふふふ、これできっと殿下もあきらめて下さるはずですよね?
0
あなたにおすすめの小説
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
一途に愛した1周目は殺されて終わったので、2周目は王子様を嫌いたいのに、なぜか婚約者がヤンデレ化して離してくれません!
夢咲 アメ
恋愛
「君の愛が煩わしいんだ」
婚約者である王太子の冷たい言葉に、私の心は砕け散った。
それから間もなく、私は謎の襲撃者に命を奪われ死んだ――はずだった。
死の間際に見えたのは、絶望に顔を歪ませ、私の名を叫びながら駆け寄る彼の姿。
……けれど、次に目を覚ました時、私は18歳の自分に戻っていた。
「今世こそ、彼を愛するのを辞めよう」
そう決意して距離を置く私。しかし、1周目であれほど冷酷だった彼は、なぜか焦ったように私を追いかけ、甘い言葉で縛り付けようとしてきて……?
「どこへ行くつもり? 君が愛してくれるまで、僕は君を離さないよ」
不器用すぎて愛を間違えたヤンデレ王子×今世こそ静かに暮らしたい令嬢。
死から始まる、執着愛の二周目が幕を開ける!
魔法使いと彼女を慕う3匹の黒竜~魔法は最強だけど溺愛してくる竜には勝てる気がしません~
村雨 妖
恋愛
森で1人のんびり自由気ままな生活をしながら、たまに王都の冒険者のギルドで依頼を受け、魔物討伐をして過ごしていた”最強の魔法使い”の女の子、リーシャ。
ある依頼の際に彼女は3匹の小さな黒竜と出会い、一緒に生活するようになった。黒竜の名前は、ノア、ルシア、エリアル。毎日可愛がっていたのに、ある日突然黒竜たちは姿を消してしまった。代わりに3人の人間の男が家に現れ、彼らは自分たちがその黒竜だと言い張り、リーシャに自分たちの”番”にするとか言ってきて。
半信半疑で彼らを受け入れたリーシャだが、一緒に過ごすうちにそれが本当の事だと思い始めた。彼らはリーシャの気持ちなど関係なく自分たちの好きにふるまってくる。リーシャは彼らの好意に鈍感ではあるけど、ちょっとした言動にドキッとしたり、モヤモヤしてみたりて……お互いに振り回し、振り回されの毎日に。のんびり自由気ままな生活をしていたはずなのに、急に慌ただしい生活になってしまって⁉ 3人との出会いを境にいろんな竜とも出会うことになり、関わりたくない竜と人間のいざこざにも巻き込まれていくことに!※”小説家になろう”でも公開しています。※表紙絵自作の作品です。
冷遇妃ライフを満喫するはずが、皇帝陛下の溺愛ルートに捕まりました!?
由香
恋愛
冷遇妃として後宮の片隅で静かに暮らすはずだった翠鈴。
皇帝に呼ばれない日々は、むしろ自由で快適——そう思っていたのに。
ある夜、突然現れた皇帝に顎を掴まれ、深く口づけられる。
「誰が、お前を愛していないと言った」
守るための“冷遇”だったと明かされ、逃げ道を塞がれ、甘く囲われ、何度も唇を奪われて——。
これは冷遇妃のはずだった少女が、気づけば皇帝の唯一へと捕獲されてしまう甘く濃密な溺愛物語。
冷酷騎士様の「愛さない」は一分も持たなかった件
水月
恋愛
「君を愛するつもりはない」
結婚初夜、帝国最強の冷酷騎士ヴォルフラム・ツヴァルト公爵はそう言い放った。
出来損ないと蔑まれ、姉の代わりの生贄として政略結婚に差し出されたリーリア・ミラベルにとって、それはむしろ救いだった。
愛を期待されないのなら、失望させることもない。
契約妻として静かに役目を果たそうとしたリーリアは、緩んだ軍服のボタンを自らの銀髪と微弱な強化魔法で直す。
ただ「役に立ちたい」という一心だった。
――その瞬間。
冷酷騎士の情緒が崩壊した。
「君は、自分の価値を分かっていない」
開始一分で愛さない宣言は撤回。
無自覚に自己評価が低い妻に、激重独占欲を発症した最強騎士が爆誕する。
以後、
寝室は強制統合
常時抱っこ移動
一秒ごとに更新される溺愛
妻を傷つける者には容赦なし宣言
甘さ過多、独占欲過剰、愛情暴走中。
さらにはリーリアを取り戻そうとする実家の横槍まで入り――?
自己評価ゼロの健気令嬢と愛が一分も我慢できなかった最強騎士。
溺愛が止まらない、契約結婚から始まる甘すぎる逆転ラブコメ
バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました
美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?
【完結】ひとつだけ、ご褒美いただけますか?――没落令嬢、氷の王子にお願いしたら溺愛されました。
猫屋敷むぎ
恋愛
没落伯爵家の娘の私、ノエル・カスティーユにとっては少し眩しすぎる学院の舞踏会で――
私の願いは一瞬にして踏みにじられました。
母が苦労して買ってくれた唯一の白いドレスは赤ワインに染められ、
婚約者ジルベールは私を見下ろしてこう言ったのです。
「君は、僕に恥をかかせたいのかい?」
まさか――あの優しい彼が?
そんなはずはない。そう信じていた私に、現実は冷たく突きつけられました。
子爵令嬢カトリーヌの冷笑と取り巻きの嘲笑。
でも、私には、味方など誰もいませんでした。
ただ一人、“氷の王子”カスパル殿下だけが。
白いハンカチを差し出し――その瞬間、止まっていた時間が静かに動き出したのです。
「……ひとつだけ、ご褒美いただけますか?」
やがて、勇気を振り絞って願った、小さな言葉。
それは、水底に沈んでいた私の人生をすくい上げ、
冷たい王子の心をそっと溶かしていく――最初の奇跡でした。
没落令嬢ノエルと、孤独な氷の王子カスパル。
これは、そんなじれじれなふたりが“本当の幸せを掴むまで”のお話です。
※全10話+番外編・約2.5万字の短編。一気読みもどうぞ
※わんこが繋ぐ恋物語です
※因果応報ざまぁ。最後は甘く、後味スッキリ
氷の宰相補佐と押しつけられた厄災の花嫁
瑞原唯子
恋愛
王命により、アイザックはまだ十歳の少女を妻として娶ることになった。
彼女は生後まもなく始末されたはずの『厄災の姫』である。最近になって生存が判明したが、いまさら王家に迎え入れることも始末することもできない——悩んだ末、国王は序列一位のシェフィールド公爵家に押しつけたのだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる