33 / 65
フィアのお部屋会議2(スペリア視点)
しおりを挟むフィア様から突然、緊急会議だと殿下と一緒にご自宅にまた呼ばれました。
嫌な予感しかしない俺こと、スペリアです。
「お二人にお集まり頂いたのは他でもありませんわ!!この後すぐにエイミー様がお見えになります。いいですこと?この間の訓練の成果を見せるときがきましたのよ!!」
「いやいや、ちょっと待て!!エイミーが来るなんて聞いてないぞ僕は!!!???」
「あら、ワタクシ言いませんでした?」
「聞いてないよ!!??」
俺も聞いていませんが、ここで口を出すとややこしくなりますから、成り行きを見守る事にしましょう。
「殿下、大丈夫ですわ!この前の訓練を思い出してくださいまし!」
「いやいや訓練って、たいしたことしてないじゃないか!!僕なんて喋らないようにするために、二人に話しかけられても頷くか、首を振るしかさせてもらえないよくわからない訓練しただけだぞ!?」
「いえ、それではなくもう一つのほうですわ!」
「え?もう一つ……ってなんかやったっけ、スペリア?」
お願いだから俺に話しかけてこないで!!?
いやまぁ、殿下はショックの余り覚えてないかもしれないですが、確かにやってましたけど。
「えーっと……1つはエイミー様に嫌われるために、人に嫌われる言葉を言う練習ですね。殿下が心にダメージを負ったのはこちらです。目の前にいなくてもエイミー様の悪口は言えないと……」
「ひぇっ!?そんな心が苦しくなる特訓したら、僕の心が死んじゃうに決まってるじゃないか!!!」
それをした結果、殿下の心が実際折れましたからね……。
「なんで目をそらするんだよ!!それからもう一つはなんなんだ?」
「えっと、それは……へ、変態になるための訓練かと……」
「何だよその訓練!?」
「あら、殿下。どちらも覚えておいでではないのですか?護衛として嫌われるためには、変態になり切る事が大事だとあれ程いいましたのに!!」
一応フィア様は、エイミー様が普段の殿下のような人は好きじゃない=変態は好きじゃないと思ったからこそ、そんな訓練をしていたわけなんですけど……。
流石に殿下も記憶を無くすほど特訓がキツかったみたいですね。
「とにかくエイミー様に失礼な事を沢山して、そして迷惑をかけたと言う証拠ができれば、ワタクシは護衛を解雇せざるを得なくなりますわ!そうすれば我が家の護衛さんと言う存在はいなくなり、エイミー様も何処に行ってしまったかわからない護衛さんの事は、諦めるしか無くなるわけですのよ!!」
「それはそれでエイミーがその存在を忘れられない人物にならないか、不安なんだけど……?」
「う、うるさいですわね!!その前に護衛としてとっとと嫌われて下さいまし!あ、あとスペリア様はワタクシと一緒に、2人を見守りますわよ?」
え?そのためだけに俺、呼ばれたの???
絶対に来なくてもよかったやつじゃないか!?
でも俺は殿下の従者だから、どちらにせよついていかないといけないけどさ……。
でも、フィア様と2人きりにはなりたくないからな!!?
「え、ええ……わかりました。ちゃんと2人を見守らせてもらいますよ」
はぁ……もう後はどうにでもなれ!!!
って、フィア様は楽しそうに腕を突き上げてるし……まぁ、フィア様がそれでいいなら殿下には申し訳ないですが、俺はもう何もいいません。
「よーし、これで全て大丈夫ですわね!!」
「いやいや、僕は何も大丈夫じゃないけど!!?」
「大丈夫ですわ!殿下は普段通り変態を演じればいいだけでしてよ?」
「僕、別に変態じゃないよ!!!?」
「え、あら……そうでしたの」
「何で凄く残念そうな顔するんだよ!!」
すみません殿下……そういう残念なところだけは同意しますね。
「ともかくですわ!今まで殿下としてキープしていたからこそ、エイミー様に出来なかった事を無言でして差し上げるだけでよろしくてよ?」
「確かにしたかったことは沢山あるけど……それじゃあ、この間の特訓の意味は!!?」
「特に意味はありませんわよ?」
「ないの!!!?」
もしかしてその特訓に付き合わされた俺も、意味なかったのかよ!!!??
「いいましたでしょ?大事なのは気持ちですわ!」
「いつそんな事、言った!!?」
「心の中でワタクシいつでも言ってましてよ!!」
「そこは口に出して言ってよ!!???」
殿下が怒るのも無理ありませんね。
それにフィア様は、どうも相手に何かを伝えるのが苦手な方だと最近知りました。
「そんなことグダグダ言わないで下さいまし、とにかく時間がありませんわよ!!」
「えっと、エイミーが来るまで後どれぐらい……」
「もう、30分前ですわ!!」
「そんなのすぐじゃん!!!僕まだ着替えてもないけど??」
「大丈夫ですわ、殿下の登場は少し後ですもの。でも早く着替えて待機して下さいまし?」
「く、これもエイミーのためだからな!!」
そんな捨て台詞をはいて、殿下は部屋から出ていったのだ。
いや、まった。まずい……フィア様と2人きりになったのでは?
「スペリア様、今日は殿下が見えるまでガンガンアタックいたしますわ!!」
「で、でも……もうすぐエイミー様が来ますよ?」
「大丈夫ですわ!エイミー様には伝えてありますのよ?だから安心してくださいまし?」
どこが安心なんだ!!?むしろ不安要素しかないんだけど??
ってか、なんでエイミー様は普通に受け入れてるんだよ!?
「さあ、今日のためにスペリア様の衣装も用意しましたのよ?もちろん着てくださいますわよね?」
「俺に拒否権なんてありませんから……」
「そういうのではなくて!!わ、ワタクシが選んだので……好みじゃなければハッキリと言って下さいまし?」
あぁ、そんな顔を赤くしながらいわれたら……。
俺はどうするのが正解なのか誰か教えてくれーーーー!!?
そんな事を考えてる間に、気がつけばエイミー様が来たと言う連絡があったのです。
俺の登場はほんの少し後らしく、待機を命じられましたが……。
なによりもフィア様が選んでくれた服に身を包んだ俺ですけど、これオーダーメイドっぽいのですがサイズぴったりすぎませんか???
フィア様……一体どこでサイズを!!!??
考えると怖いので俺は考えるのをやめて、とりあえず無になる事にしました。
でも俺の為に選んでくれた服は正直、凄く気に入ってしまったのです。
でも、この後の事を考えると胃が辛い……。
そして今日も胃薬がかかせない俺なのでした。
とにかく、何も起こらない事を祈るまでです。
0
あなたにおすすめの小説
バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました
美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?
冷遇妃ライフを満喫するはずが、皇帝陛下の溺愛ルートに捕まりました!?
由香
恋愛
冷遇妃として後宮の片隅で静かに暮らすはずだった翠鈴。
皇帝に呼ばれない日々は、むしろ自由で快適——そう思っていたのに。
ある夜、突然現れた皇帝に顎を掴まれ、深く口づけられる。
「誰が、お前を愛していないと言った」
守るための“冷遇”だったと明かされ、逃げ道を塞がれ、甘く囲われ、何度も唇を奪われて——。
これは冷遇妃のはずだった少女が、気づけば皇帝の唯一へと捕獲されてしまう甘く濃密な溺愛物語。
【完結】ひとつだけ、ご褒美いただけますか?――没落令嬢、氷の王子にお願いしたら溺愛されました。
猫屋敷むぎ
恋愛
没落伯爵家の娘の私、ノエル・カスティーユにとっては少し眩しすぎる学院の舞踏会で――
私の願いは一瞬にして踏みにじられました。
母が苦労して買ってくれた唯一の白いドレスは赤ワインに染められ、
婚約者ジルベールは私を見下ろしてこう言ったのです。
「君は、僕に恥をかかせたいのかい?」
まさか――あの優しい彼が?
そんなはずはない。そう信じていた私に、現実は冷たく突きつけられました。
子爵令嬢カトリーヌの冷笑と取り巻きの嘲笑。
でも、私には、味方など誰もいませんでした。
ただ一人、“氷の王子”カスパル殿下だけが。
白いハンカチを差し出し――その瞬間、止まっていた時間が静かに動き出したのです。
「……ひとつだけ、ご褒美いただけますか?」
やがて、勇気を振り絞って願った、小さな言葉。
それは、水底に沈んでいた私の人生をすくい上げ、
冷たい王子の心をそっと溶かしていく――最初の奇跡でした。
没落令嬢ノエルと、孤独な氷の王子カスパル。
これは、そんなじれじれなふたりが“本当の幸せを掴むまで”のお話です。
※全10話+番外編・約2.5万字の短編。一気読みもどうぞ
※わんこが繋ぐ恋物語です
※因果応報ざまぁ。最後は甘く、後味スッキリ
悪役令嬢ですが、兄たちが過保護すぎて恋ができません
由香
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢・セレフィーナに転生した私。
破滅回避のため、目立たず静かに生きる――はずだった。
しかし現実は、三人の兄による全力溺愛&完全監視生活。
外出には護衛、交友関係は管理制、笑顔すら規制対象!?
さらに兄の親友である最強騎士・カインが護衛として加わり、
静かで誠実な優しさに、次第に心が揺れていく。
「恋をすると破滅する」
そう信じて避けてきた想いの先で待っていたのは、
断罪も修羅場もない、安心で騒がしい未来だった――。
氷の宰相補佐と押しつけられた厄災の花嫁
瑞原唯子
恋愛
王命により、アイザックはまだ十歳の少女を妻として娶ることになった。
彼女は生後まもなく始末されたはずの『厄災の姫』である。最近になって生存が判明したが、いまさら王家に迎え入れることも始末することもできない——悩んだ末、国王は序列一位のシェフィールド公爵家に押しつけたのだ。
【完結】新皇帝の後宮に献上された姫は、皇帝の寵愛を望まない
ユユ
恋愛
周辺諸国19国を統べるエテルネル帝国の皇帝が崩御し、若い皇子が即位した2年前から従属国が次々と姫や公女、もしくは美女を献上している。
既に帝国の令嬢数人と従属国から18人が後宮で住んでいる。
未だ献上していなかったプロプル王国では、王女である私が仕方なく献上されることになった。
後宮の余った人気のない部屋に押し込まれ、選択を迫られた。
欲の無い王女と、女達の醜い争いに辟易した新皇帝の噛み合わない新生活が始まった。
* 作り話です
* そんなに長くしない予定です
恋を諦めた私の前に突然痛いイケメン王子様が現れましたっ!!
杏仁豆腐
恋愛
彼氏いない歴=26歳の私三橋茜は恋を諦めて一人で生きていくことにしました。勤め先の嫌がらせやお局と言われ揶揄されその仕事を辞め、住んでいるアパートの近くにあるコンビニでアルバイトをして生活することに。
そんなある日。突然私の前に王子様が現れました。
でもちょっとおかしんです。
親の進めるお見合いを断っていたのです。
イケメンでスタイルもいいし、モテそうな雰囲気があるのに……。
そして何故か私は王子様の所為で色々巻き込まれてしまいました。
絶対出会うことがない平凡な女子とイケメン男子の純恋愛物語。
※の部分には性描写があります。
ある日、私は事故で死んだ───はずなのに、目が覚めたら事故の日の朝なんですけど!?
ねーさん
恋愛
アイリスは十六歳の誕生日の前の日に、姉ヴィクトリアと幼なじみジェイドと共に馬車で王宮に向かう途中、事故に遭い命を落とした───はずだったが、目覚めると何故か事故の日の朝に巻き戻っていた。
何度もその日を繰り返して、その度事故に遭って死んでしまうアイリス。
何度目の「今日」かもわからなくなった頃、目が覚めると、そこにはヴィクトリアの婚約者で第三王子ウォルターがいた。
「明日」が来たんだわ。私、十六歳になれたんだ…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる