34 / 65
Wデートのような1
しおりを挟むガチャリと大きな扉を開けてもらうと、そこにはフィア様が優雅にお茶をして待っていたのよ。
でもまだスペリア様は来ていないせいなのか、緊張でフィア様のコップが揺れているのがここからでも見えるわ!!
「エイミー様、お越しくださりとても嬉しいですわ!」
「フィア様、お呼び頂きありがとうございます。とても嬉しいです」
フィア様ったら震えを隠しながらも、いつもと同じように話しかけてくるんですもの、流石侯爵家の令嬢は風格から違うわよね!!
私も見習わないと……!
「とりあえずこちらに座って下さいまし、それからスペリア様が来る前にすぐに作戦会議をしますわよ!」
「は、はい!!」
フィア様の前にスペリア様が座るから、私はフィア様の横に座れば良いみたいね。
「エイミー様よろしくて?作戦手順はこうですわ。スペリア様が来たら、ワタクシがガンガンスペリア様を押しますわ!そしてワタクシがスペリア様に粗相を致しますので、それが庭園へと移る合図ですのよ。その後すぐに護衛のあの方をお呼び致しますから、お二人は先に庭園で待っていて下さいまし!」
「成る程、わかりました!!フィア様達が庭園に来るまでに、護衛さんにアプローチをすれば良いのですね!」
「ええ、その通りですわ!!エイミー様の検討を祈りますわ!」
こうして、私達の長い一日は始まったのです。
そして今、私とフィア様はスペリア様が到着したと聞き、すぐに出迎える準備をしに向かっている最中なのですけど。
「ふ、フィア様!?右手と右足が両方同時に出でますよ!!」
「ふぇっ!?あ、あらいやだわ。ワタクシとした事が……スペリア様に会えると思って緊張しているのかしら?」
フィア様はそう言ってるけど、何処となく顔まで赤くなってるわ!
うひゃぁ~!恋する乙女って感じでメチャクチャ可愛いわよ!!!!
本当、普段の台風みたいな姿と比べたらギャップが凄くて、落ちない男なんているのかしら!?
「ふふ、今日は私もついてますからアピール頑張って下さいね」
「ああ、エイミー様はなんてお優しいのかしら!やはり天使……」
「いや、天使じゃないですから私に向かって祈らないで貰えます!!?それにフィア様、前向いて歩かないと危ない……!!」
「キャっ!」
私の注意も虚しく、フィア様は曲がり角で誰かとぶつかってしまったようだけど……って、そこにいふのはスペリア様じゃない!!?
まさかもうすでにハプニングが!!?
「フィア様、すみません私の不注意で……」
「だ、大丈夫ですわ。それよりも何故スペリア様がこんなところに?今日はすぐにお迎えに向かうと聞いておりませんでして???」
「いや、何故か使用人に早く部屋に向かって下さいって圧をかけられてしまってですね……」
「ああ、しまったのですわ!!今日は使用人にまで伝えきれておりませんでしたのよ……」
二人の話を聴く限り、これはハプニングでは無かったみたい?
でもそうじゃないのに、こんな風にぶつかるなんてまさかフィア様は全て計算した上で動いているというの……!?
そしてその後フィア様のお部屋に戻った私達は、すぐに会話を始めたのですけど……。
「え?スペリア様、従者辞めたいって思ってるんですか??」
「いやぁ、そうなんですよ~。余り大きな声で言えないですけど労働環境がよくなくて……ってこれは殿下には内緒ですよ?」
「は、はい!」
何故か主に私とスペリア様が話しをしていて……って、ダメじゃん!!!??
フィア様とスペリア様の二人で話してもらわないと!!!
って、フィア様ったらニッコリ笑顔で余裕そうに見えるのに、手がすっごく震えていらっしゃるわ!
ここは私が上手く、誘導してさし上げないと!!
「よ、よく見たら私達3人とも、殿下の愚痴をいいたいと思っている3人ですね!!ふ、フィア様も今の話聞いて、殿下に思うところありません?」
「え!?え、ええ。ワタシクは殿下にいつも文句ばかり言っておりますわよ?」
「まあ、そうなんですね?でしたらお二人はそう言う話をした事は有るのですか?」
「ええと……」
フィア様ごめんなさい、話題を広げるのが下手すぎてダメだわこれ!!!??
「そういえば、2人のときは殿下の話はあまりしませんわ……いつも2人になるときは……」
「た、確かに!!2人のときは殿下の話じゃなくて、フィア様自身の話が多いですよねー!」
せっかくこんな話題を広げようとフィア様が頑張って言おうとしたのに、スペリア様が上手く逸らしたように見えたわよ!!??
く、ここで押さないと!フィア様のせっかくの作戦が台無しになっちゃうわよ!!
「そうなんですねー、でもせっかくなのですからフィア様にはスペリア様の横に座って頂いて、お二人のお話が聞きたいな~、なんて!」
少し無理矢理が過ぎたかしら?
でも、今ですよフィア様と私はフィア様にチラッとアピール!
「え、エイミー様それは良い案ですわ!!」
「いや、ちょっと待って下さい!?なんでそんな話に???それに私とフィア様が横に並んで座るのは流石におかしくないですか!!?」
動揺するスペリア様なんて気にせず、フィア様はスペリア様の横に座ろうとしたのに、フィア様が座る直前に盛大に転けたのよ。
「キャっ!!」
「あ、危ない!」
ドサっ!!っと倒れる2人の姿は私から見えないけど、え?すっごいどうなってるか気になるのだけど!!?
まさか今度こそこれが、フィア様のいっていたハプニング!?
「す、スペリア様!!大丈夫ですの!?」
「いや、それはこっちの台詞なんですけど……」
「そうではなくて、紅茶が服にかかってますわよ!!??火傷はされてなくて??」
聞こえてくる声を頼りに、スペリア様のカップをよく見ると確かに倒れてしまっているわ!
フィア様を助けるときに、倒してしまったのかもしれないわね……。
まさかフィア様はそれすらも計算していたというの!!!??
「いや、フィア様は大袈裟ですから早く上からどいてください!!!」
「大袈裟でも仕方がないですわよ、ワタクシのせいで怪我をされては嫌ですわ……」
もう2人が気になり過ぎるから、立ち上がって二人を覗く事をお許し下さい!!
スペリア様の上にはフィア様が乗っていて……つてその前にスペリア様の頭に紅茶かかってるんですけど!!??
「お二人とも大丈夫ですか!?すぐに使用人の方を連れて……」
「エイミー様!思ってたのと違いますけど、作戦Bに以降しますわ」
「え?作戦B????」
いや、そんなネーミングでしたっけ???
「ワタクシ達は少し席を外しますわ!エイミー様はこちらでお待ちになって!」
そう言って二人は部屋を出ていったのだけど、そのときフィア様がウインクしたのを私は見逃さなかったわ!!
よし、次は私の番だから頑張るわよーーー!
それ以前に、フィア様のアシストが上手くいかなかった反省は後回しにしましょう……。
頑張れエイミー!えいえいおー!!
0
あなたにおすすめの小説
魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました
iru
恋愛
小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。
両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。
両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。
しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。
魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。
自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。
一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。
初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。
恋人になりたいが、年上で雇い主。
もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。
そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。
そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。
レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか?
両片思いのすれ違いのお話です。
『処刑されるたびに12歳に戻る悪役令嬢、7回目の人生は「何もせず寝て過ごす」ことに決めたら、なぜか周囲が勝手に勘違いして聖女扱いされています
六角
恋愛
公爵令嬢リリアーナは、18歳の誕生日に必ず断罪・処刑されては12歳に戻るという地獄のループを6回も繰り返していた。 真面目に努力しても、剣を極めても、裏社会を支配しても、結局は殺される運命。 心折れた彼女は、7回目の人生でついに決意する。 「もう頑張らない。どうせ死ぬなら、今回はひたすら寝て過ごそう」と。
しかし、安眠を求めて「うるさい」と敵を黙らせれば『王者の覇気』と恐れられ、寝ぼけて放った魔法は『神の奇跡』と崇められ、枕への異常なこだわりは『深遠なる儀式』と誤解されてしまう。 気がつけば、ストーカー気味のヤンデレ王子、パン屋の元ヒロイン、狂犬の如きライバル令嬢、元部下の暗殺者、そして不眠症の魔王までもが彼女の信者となり、リリアーナは意図せずして国を、そして世界を救う「最強の聖女」へと祭り上げられていく。
「お願いだから、私を寝かせて!」 睡眠欲だけで運命(システム)さえもねじ伏せる、無気力悪役令嬢の痛快勘違いサクセス(?)ストーリー!
もう一度確かな温もりの中で君を溺愛する
恋文春奈
恋愛
前世で俺は君というすべてを無くした 今の俺は生まれた時から君を知っている また君を失いたくない 君を見つけてみせるから この奇跡叶えてみせるよ 今度こそ結ばれよう やっと出逢えた 君は最初で最後の運命の人 ヤンデレ国民的アイドル松平 朔夜(25)×平凡なオタク大学生佐山 琉梨(22)
あなたがいなくなった後 〜シングルマザーになった途端、義弟から愛され始めました〜
瀬崎由美
恋愛
石橋優香は夫大輝との子供を出産したばかりの二十七歳の専業主婦。三歳歳上の大輝とは大学時代のサークルの先輩後輩で、卒業後に再会したのがキッカケで付き合い始めて結婚した。
まだ生後一か月の息子を手探りで育てて、寝不足の日々。朝、いつもと同じように仕事へと送り出した夫は職場での事故で帰らぬ人となる。乳児を抱えシングルマザーとなってしまった優香のことを支えてくれたのは、夫の弟である宏樹だった。二歳年上で公認会計士である宏樹は優香に変わって葬儀やその他を取り仕切ってくれ、事あるごとに家の様子を見にきて、二人のことを気に掛けてくれていた。
息子の為にと自立を考えた優香は、働きに出ることを考える。それを知った宏樹は自分の経営する会計事務所に勤めることを勧めてくれる。陽太が保育園に入れることができる月齢になって義弟のオフィスで働き始めてしばらく、宏樹の不在時に彼の元カノだと名乗る女性が訪れて来、宏樹へと復縁を迫ってくる。宏樹から断られて逆切れした元カノによって、彼が優香のことをずっと想い続けていたことを暴露されてしまう。
あっさりと認めた宏樹は、「今は兄貴の代役でもいい」そういって、優香の傍にいたいと願った。
夫とは真逆のタイプの宏樹だったが、優しく支えてくれるところは同じで……
夫のことを想い続けるも、義弟のことも完全には拒絶することができない優香。
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
学園では婚約者に冷遇されていますが、有能なので全く気になりません。〜学園でお山の大将されてても、王宮では私の方が有能ですから〜
織り子
恋愛
王都カラディナにある国立魔術学園では、満十六歳の生徒たちの社交界デビューを兼ねた盛大なパーティーが開かれていた。
侯爵令嬢タレイア・オルトランは、婚約者である第二王子アスラン・オグセリアの迎えを待つも、結局ひとりで会場へ向かうことになる。
学園では身分の差がないとはいえ、アスランが公然とタレイアを侮辱し続けてきたことで、彼女は生徒たちから冷笑と蔑視の的となっていた。しかしタレイアは、王城で政務を担ってきた聡明さと矜持を失わず、毅然と振る舞う。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
毎日19時に更新予定です。
最愛の番に殺された獣王妃
望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。
彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。
手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。
聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。
哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて――
突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……?
「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」
謎の人物の言葉に、私が選択したのは――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる