毎秒告白したい溺愛王子と、悪女になりたくないエイミーの激おこツッコミ劇場

ゆきぶた

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フィアのお部屋会議3(スペリア視点)

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「危なかったですわ~!!!」

 バタンと勢いよく扉を開けたフィア様は、お部屋まで走って来たのか少し息が荒いようです。
 実はエイミー様が起きた事を確認した瞬間、気が抜けたのか今度は殿下が倒れてしまい、いまだに起きない殿下の前でハラハラしているスペリアです。
 でもエイミー様の事も気になるので一応確認してみます。

「フィア様、危なかったとは……それにエイミー様の容体は?」
「もう大丈夫でしたからお帰り頂きましたわ!それにどうやら護衛の顔は見た覚えがないようでしたので、混乱しているのを利用してエイミー様お1人で落ちた事にしましたわ」
「ええ!?何でエイミー様はそれで納得しちゃったんですか!!!?」
「ワタクシの説得が上手かったに違いありませんわね!」

 いやいや、そんなばかな……!?
 もしかしてあっちも?

「えっと、アルロス様の件は?」
「何とか了承を得られましたわ!」

 嘘だろ!!?
 エイミー様もあんなよくわからない事に了承したな……きっと混乱している間に無理矢理押し通されたに違いない!!

「問題は、怪我をした殿下を王宮に返してしまったら誰の立場が一番危うくなるか、ですわね……。正直ワタクシの地位が落ちるのは大歓迎なのですけど!」
「いや、ブレイズ家としては大問題ですよ!!?」
「いえ、ワタクシにとっては万々歳です」

 何でだよ!!???
 この人何考えてんだ!!

「ですが、どうせお父様のお力でそうはなりませんわ。落としたアルロスも同様ですわね……」
「と、言う事は……私かエイミー様に罰が下る可能性があると?」
「可能性の問題ですわ」

 こっちにとばっちりくるのは勘弁なんだけど!!
 間違いなく殿下の従者はやめられるけど、俺の首も一緒にバイバイするやつだろそれ!?

「ブレイズ家にいる魔法使いで、回復魔法が使える方は?」
「この敷地に教会がある事はご存知で?」
「えっと、通りがかりに見たような……」
「そこにいる司祭様が回復魔法を使えますわ」

 え?あれ、本物の教会だったんですか!?
 敷地内にあるとか、ブレイズ家広すぎだろ……。

「でも司祭様にはお願い出来ないですよね」
「ええ。教会側は重要人物を観るときは、必ず国へと報告する事を義務付けられておりますから……」
「ですよねー」
「ただでさえ回復魔法を使える方は貴重ですもの、仕方がありませんわ……」

 うう、このままでは俺の首が体とサヨナラする日も近いかもしれない!!
 とにかく、殿下目を覚ましてくれ!!

「……んん」
「で、殿下!?」
「え?殿下!!!」

 俺の祈りが届いたのか、殿下がようやく目を覚まして下さいました!!

「……あー、すまない。僕は気を失っていたのか……って、エイミーは!!?」
「殿下、落ち着いてくださいまし。エイミー様なら先程お帰りになられましてよ?」

 フィア様がこのままアルロス様の話を殿下に言ったらどうしようかと、少しドキドキしてしまいましたが流石に言わなそうで安心しました。
 後で知ってから暴れそうですが……それはそのときに考えましょう。

「……そうかエイミーは大丈夫だったのか、ならよかった」
「ええ、そうですわ!ですから今はご自分の怪我の事を最優先に考えてくださいまし」
「怪我?」
「殿下……まさか階段を転げ落ちた癖に、怪我をしていないとでもお思いでして?」

 一応気を失うような怪我なんだから、流石にそれはないですよね……?

「ああ、そういえば服がボロボロのままだったな」

 って、見た目が魔法で綺麗に….!?
 外見だけ見たら殿下が全く怪我してるようには見えないけど……まさか!

「気絶している間に自然回復したみたいだ」
「何ですのその超回復力!!?」

 お、フィア様が俺のかわりに突っ込んでくれました。ありがとうございます。

「王家特有の自己防衛魔法と言ったところさ……」
「もう!王家特有とかいうチートはやめて下さいまし!!!折角ワタクシが殿下を珍しく心配しましたのに!」
「す、すまない??いや、なんで僕が謝ってるんだ?」

 疑問系で答えを求めるように俺の方を見るのはやめてくださいよ!!!?
 まぁ、俺もフィア様と同意見ですから顔を逸らしますけどね。

「とにかく、殿下の件は解決しましたが問題はエイミー様と護衛の事ですわ!!」
「……フィア、すまない。これでも僕なりに楽しく踊ってみたり、頑張って拒絶したりとやってみたのだけど、上手くエイミーに嫌われる事が出来なかった」

 なんというか、殿下が一度でいいからエイミー様と踊ってみたいと言う事は痛いほどわかりましたよ。
 色々とツッコミどころは満載でしたけど……。

「いえそちらは、エイミー様を護衛出来なかったことによる職務怠慢で解雇にするつもりでしてよ?」
「そ、そうか……」
「まあ、この護衛は元から我が家の護衛じゃありませんので、解雇どころか雇ってもおりませんけどね」

 確かに落とし所としては、凄く不自然と言うわけでもないですね。
 それなのに殿下は納得いかないのか、お顔が歪んでますけど……なんだか嫌な予感しかしません。

「すまない、我儘を言うがもう少しだけ護衛をやらやらせてもらえないだろうか?」
「ど、どうしてですの??」
「実は、僕は気が付いたんだ。……護衛姿だと、エイミーが僕に優しいし、僕の話を何でも肯定してくれる事に!」

 それは味を占めちゃ駄目なやつだよ!!!?
 殿下はエイミー様の普段との扱いの差が違う事に、もっと悲しんだりしてくれよ!!

「それは駄目ですわ……。殿下がエイミー様の事を想っているのでしたら、それはすぐにやめるべきでしでよ?」
「な、何故だ……?」
「だって、どんなに護衛の姿でチヤホヤされたとしても、本来の姿で好かれなくては意味がありませんわ!!」

 フィア様……いい事いいますね!
 でも殿下はそのお言葉で、雷に打たれたように動かなくなりましたけどね……。

「……確かに、フィアの言う通りだ。僕は護衛としてフィアを振るぞ!!」

 まだ告白もされてないのに、振る気満々なの!?

「その意気ですわ殿下!!」

フィア様のテンションもおかしいですけど!?

「それでフィア、僕はどうしたらいいかな?」
「そうですわね。今、問題なのはエイミー様が最後にもう一度、護衛さんに会いたいと仰った事ですわ。私の感ではエイミー様はきっと告白をしてくる筈……ですから殿下には頑張って告白を断る練習をしてもらいますわよ!」
「エイミーの告白を断るか……僕に出来るだろうか?スペリア、ちょっと練習するからエイミー役として告白してみろ」

 何言ってんだこの人???

「い、嫌ですよ!!?フィア様に頼んで下さい!」
「え!!?ぼ、僕に死ねと言うのか!!!」
「いやいや、死にませんよね?フィアさま……ヒィィィっ!!!」

 振り向いたらそこには、怖いほど笑顔のフィア様がいて……。

「え?殿下はワタクシのエイミー様役ではご不満でして?」
「い、いやいや……そんなことは……!」
「それでしたら、楽しいレッスンを開始いたしましょうね?」
「ぼ、僕はこれでも怪我人だぞー!!」
「嘘おっしゃい!!先程回復したと仰りましたよね?さあ、行きますわよー」
「あ!す、スペリア助けてーーーーー!!!」

 ズルズルとフィア様に引き摺られていく殿下を見て見ぬふりをして、俺に災難が降り掛からなくてよかったと、ホッとため息をついたのでした。
 今のは殿下が悪いから仕方がありませんよね?

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