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修と凛子
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雨が降っている。それも怒り狂ったように強く降り注いでいる。天気予報は当たってしまった。もし、お天気の神様がいるなら、ぶん殴ってやりたい。
前回、初めて自分から修に言ったのだ。勇気を出して言ったのだ。デートがしたいと。修は言ってくれた「いいよ、じゃあディズニーランドに行こう。晴れたらね」
そして約束の日は今日だ。可愛い服も買った。美容室にも行った。どうして? どうして今日なの? 雨なんて大嫌い。
凛子はいつものように仰向けの状態でベッドに繋がれていた。全裸である。口にはボールギャグを嚙まされているので、しゃべることは出来ない。顔面に放たれた精液が乾いてカサカサになってきた。
ベッドは昔の病院でよく見られた鉄パイプのベッドだ。パイプの部分は元々黒く塗られていたが、手錠で擦れる場所は塗装が剝げ落ちて銀色の地が剥きだしになっている。
修の趣味だった。左右の手首に掛けられた手錠はベッドの両端のパイプと連結されている。手錠によって拘束された凛子の身体はYの字を描く格好になっていた。
凛子が修と二人だけで遭うのは、自分のこのマンションだけだ。いつも順番は決まっていた。彼が来る。凛子は黙って服を脱いでベッドに横になる。修はベッドに繋がれた手錠で凛子の両手首を拘束し、口枷を着ける。大抵はボールギャグだが、口に下着を押し込まれた後、猿轡をされる事もある。以前は麻縄で縛られる事もあったが、面倒だと言って、最近は専ら、このスタイルである。
凛子をその状態にしてから、彼は煙草を吸いながら三十分程時間を潰す。一時間、いや二時間の事もある。漫画を読んだり、スマホをいじったり、時にはテレビゲームをする。会話はない。そもそも口枷をされているので喋る事が出来ない。彼がもうそろそろだ。そう思ったら、いきなり挿入される。勿論、手錠も口枷も外してはもらえない。前戯も何もない、一方的なセックスだ。最後は必ず、凛子の顔に射精する。それで終わりだ。
行為の後、修は凛子をそのままにして隣のソファーで仮眠をとる。大抵は一時間くらいである。ひと眠りしてから帰り支度をし、凛子の手錠を外して帰って行く。二人の間に会話はほとんど無い。凛子がいろいろ話を始めると修は帰ってしまう。最近は彼との共有時間のほとんどは、何かしらの口枷をされるので、ほとんど話をする事は出来ない。
修の事が好きで、好きでたまらないから、いろんな事を話したかった。以前、黙っていろと命令されたにも関わらず凛子は何度も修に話しかけた。その時彼は何も言わずに、凛子の口の中に彼女のTバックを押し込み、その上から猿轡を噛ませて帰ってしまった。凛子は全裸で両手をベッドに手錠で繋がれたままだった。
再び修が現れたのは翌日の夜だった。ベッドの上は凛子の汚物にまみれ、部屋は異臭に包まれていた。このまま死ぬのかと思った。修の姿を確認して泣き叫ぶ凛子の手錠と猿轡を外し、彼は優しくキスしてから耳元で囁いた「ちゃんと言うことを聞くかい?」
凛子は泣きながら何度も何度も頷いた「ごめんなさい。ごめんなさい」
今も隣のソファーで修は寝ている。雨のせいでディズニーランドがなくなったからだ。
いつもと同じだ。例外は無い。彼と付き合って一年になる。いや付き合っていると思っているのは自分だけだ。
修はフラッとやってくる。前もって連絡がある時もあるが、する事は決まっている。凛子を拘束して、セックスして、寝て、そして帰っていく。一緒に食事をすることも、デートをする事も無い。自分が修のセックスフレンドだという事は分かっている。それも一方的な性奴隷。
修はとてもモテる。常にいろんな女と遊んでいるのを知っている。だが彼女達はただの取り巻き、ゴミみたいなものだ。
修とこうして定期的に情事ができるのは私だけ……いや、有希もいるから、私と有希の二人だけ、でも私の方が明らかに修と逢う頻度が高い。私が修にとってメインの女であることは間違いない。そもそも有希は最近、修に捨てられたらしいと香苗に聞いた。入谷がそう言っていたという。あの事件の前だ。しかし、そんな事はどうでもいい。修とは離れられない。修と別れるくらいなら死んだほうがましだ。
凛子の両手首には傷痕がある。修に放置された時の傷である。まる一日、手錠を外そうとしてもがいた結果だった。この傷を見るたびに股間が濡れる。
前回、初めて自分から修に言ったのだ。勇気を出して言ったのだ。デートがしたいと。修は言ってくれた「いいよ、じゃあディズニーランドに行こう。晴れたらね」
そして約束の日は今日だ。可愛い服も買った。美容室にも行った。どうして? どうして今日なの? 雨なんて大嫌い。
凛子はいつものように仰向けの状態でベッドに繋がれていた。全裸である。口にはボールギャグを嚙まされているので、しゃべることは出来ない。顔面に放たれた精液が乾いてカサカサになってきた。
ベッドは昔の病院でよく見られた鉄パイプのベッドだ。パイプの部分は元々黒く塗られていたが、手錠で擦れる場所は塗装が剝げ落ちて銀色の地が剥きだしになっている。
修の趣味だった。左右の手首に掛けられた手錠はベッドの両端のパイプと連結されている。手錠によって拘束された凛子の身体はYの字を描く格好になっていた。
凛子が修と二人だけで遭うのは、自分のこのマンションだけだ。いつも順番は決まっていた。彼が来る。凛子は黙って服を脱いでベッドに横になる。修はベッドに繋がれた手錠で凛子の両手首を拘束し、口枷を着ける。大抵はボールギャグだが、口に下着を押し込まれた後、猿轡をされる事もある。以前は麻縄で縛られる事もあったが、面倒だと言って、最近は専ら、このスタイルである。
凛子をその状態にしてから、彼は煙草を吸いながら三十分程時間を潰す。一時間、いや二時間の事もある。漫画を読んだり、スマホをいじったり、時にはテレビゲームをする。会話はない。そもそも口枷をされているので喋る事が出来ない。彼がもうそろそろだ。そう思ったら、いきなり挿入される。勿論、手錠も口枷も外してはもらえない。前戯も何もない、一方的なセックスだ。最後は必ず、凛子の顔に射精する。それで終わりだ。
行為の後、修は凛子をそのままにして隣のソファーで仮眠をとる。大抵は一時間くらいである。ひと眠りしてから帰り支度をし、凛子の手錠を外して帰って行く。二人の間に会話はほとんど無い。凛子がいろいろ話を始めると修は帰ってしまう。最近は彼との共有時間のほとんどは、何かしらの口枷をされるので、ほとんど話をする事は出来ない。
修の事が好きで、好きでたまらないから、いろんな事を話したかった。以前、黙っていろと命令されたにも関わらず凛子は何度も修に話しかけた。その時彼は何も言わずに、凛子の口の中に彼女のTバックを押し込み、その上から猿轡を噛ませて帰ってしまった。凛子は全裸で両手をベッドに手錠で繋がれたままだった。
再び修が現れたのは翌日の夜だった。ベッドの上は凛子の汚物にまみれ、部屋は異臭に包まれていた。このまま死ぬのかと思った。修の姿を確認して泣き叫ぶ凛子の手錠と猿轡を外し、彼は優しくキスしてから耳元で囁いた「ちゃんと言うことを聞くかい?」
凛子は泣きながら何度も何度も頷いた「ごめんなさい。ごめんなさい」
今も隣のソファーで修は寝ている。雨のせいでディズニーランドがなくなったからだ。
いつもと同じだ。例外は無い。彼と付き合って一年になる。いや付き合っていると思っているのは自分だけだ。
修はフラッとやってくる。前もって連絡がある時もあるが、する事は決まっている。凛子を拘束して、セックスして、寝て、そして帰っていく。一緒に食事をすることも、デートをする事も無い。自分が修のセックスフレンドだという事は分かっている。それも一方的な性奴隷。
修はとてもモテる。常にいろんな女と遊んでいるのを知っている。だが彼女達はただの取り巻き、ゴミみたいなものだ。
修とこうして定期的に情事ができるのは私だけ……いや、有希もいるから、私と有希の二人だけ、でも私の方が明らかに修と逢う頻度が高い。私が修にとってメインの女であることは間違いない。そもそも有希は最近、修に捨てられたらしいと香苗に聞いた。入谷がそう言っていたという。あの事件の前だ。しかし、そんな事はどうでもいい。修とは離れられない。修と別れるくらいなら死んだほうがましだ。
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