チェンジ

tomo

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ENDの意味

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少女がいなくなっても、入れ替わりで誰か来ることがないことを確認した僕は、少女の部屋にいき日記を探した。
同時に自分の日記も含め、どこにいる時も手放さないようにしようと決心した。
少女も僕も、ここでの生活が長くなってしまったことで、戻ることがないかも知れないという思いから、気が緩んで肝心なことを忘れてしまっていたようだ。
ここに戻らないようにするために残している日記を忘れたら意味がない。少女には悪いが、僕にとっては助かった。しかし日記のなかの少女の環境はあまりにも可哀想だ。この日記があることで、少女がもうここに来るようなことを思わないようにできたかも怪しい。それぼど僕だったら辛い。
次にここへ来たときに、何が起こるかはわからないが、良いことが起こるとは思いにくい。無事を願うしかない。
この日記は自分の日記と合わせて、常に持ち歩こうと決めた。
いつか渡せる日が来るとはないかも知れないが。


とうとう1人になってしまった。
途端に不安が大きくなってきた。なぜ僕は戻れないのだろうか。そんなに酷いことを思ったのだろか。
それともこれがENDということなのだろうか。
ENDだとしたら、ずっとこのままここに居続けることになるのだろうか。
「なぜなんだ。何をしたっていうんだ。そんなバカな。」
そんな言葉ばかりが頭をよぎる。

誰もいなくなってから何日が経ったかわからないが、このまま1人の状態が続くことは精神的に良くないことを日々感じていた。
そんなときモニターに何が映った。
いままでは、ここから誰かがいなくなったとき以外は映らなかったが、急に映しだされた画面に愕然とした。
「飯島肇55才。最終チャンス放棄。自らの死をもってEND。」
何が起こっているか分からないままモニターを見ていると、飯島という男は暴力団の組員のようで、抗争相手に対して「死ね」と発しながら拳銃を向けていた。しかし次の瞬間、年老いた飯島の姿に変わり、その姿が息を引き取る瞬間のものだった。
間もなくして飯島は死亡した。
最後の映像は明らかに55才ではなく90才近くの光景だった。しかも紛れもなく飯島本人と確認できる顔に特徴のある容姿だった。

「これが残数ゼロ後に起こる結末なのか。」
簡単に人の死を望むことは、自らの死をもって終焉となるということなのだ。
そこにチャンスが3回与えられるが、そこまでに自ら気づかなければ、このような結末になる。
この2つの世界の行き来においての記憶が消されてしまうことを考えると、繰り返さないでいることの方が困難ともいえるかも知れない。
1人で長くここにいることは本当に苦痛だが、この結末を知ったこと、日記に書き留めておくことを知った僕は幸運だったと思った。
いつどうなるか分からないので、急いでこの事実を書き留めておくことにした。

あの少女に、この結末を教えてあげられたらいきのにと感じた。あの子が現世に戻って、すぐにまた人の死を望んだとしたら、少女は14才で終焉を迎えることになる。本人の自覚はないにしても、あまりにも短すぎる。
でも僕には、どうすることも出来ない。
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