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ベース22
警備主任室
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鍵が外れた部屋を回った結果、数枚のカードキーを見つけた。
カードキーのほかにめぼしい物は見つからなかったけど、カードキーがあるなら問題はない。
こんだけあれば、警備主任室の扉を開けられるものが混ざっているだろう。
まずは一枚目。本命のカードだ。
他のカードと色が違うから開くかもしれない。
・・・…開いた。
一発OKなんて運がいい。
警備主任室にはデスクと応接セット、ファイルや本が収納している棚があった。
本とファイルも気になるけど、一番気になったのはデスク上のパソコンだ。
電源ボタンを押したら、ちゃんと起動した。
不用心にもパスワードが掛かってなかったから、すぐに操作ができる。
パソコンには色んなデータがある。これ全部確認するのは大変そうだ。
翻訳機は一度充電器を再接続して充電したから、途中で電池が切れる心配はないだろう。
「うーん。ないなぁ」
検索機能で怪物について検索したけど、該当件数0。
たぶん検索ワードが違うんだと思う。
一つ一つ確かめているけど、警備員の勤務態度表とか関係ない物が多かった。
数時間パソコンとにらめっこし続けて、ようやく目当てのデータを見つけることができた。
ズールレポート。
ズールというのは警備主任が付けたあの怪物の呼称だろう。
ズールで検索をすると、ほかにも数件もヒットした。
まずはこのレポートからだ。
一ページ目にあったのはズールの増殖方法だった。
ズールはマザーズールという母体が産卵しており、通常のズールは増殖能力を持っていないそうだ。
そしてズールの数は常に一定らしい。
個体数を調整することで食料不足などの弊害を防いでいるようだ。
このベース内だとこの数だが、もっと広い場所なら個体数は増大するとレポートでは推測されていた。
ズールに食の好みはない。
生物なら何でも食べる。勿論人間も。
ただ、生命を維持するだけなら食事は必要ない。
水さえあれば、生命を維持できる。
飢え死には期待できない。
そしてズールは進化する。
条件があるけど、その速度は脅威的だ。
何枚かズールの写真が添付されていたけど、同種とは思えないほどの変わりようだった。
半年でここまで進化したそうだ。
進化するといっても、すでに存在する個体が進化するわけじゃない。
マザーズールが次に産む物が進化した物になるそうだ。
ズールの進化は他の生物と違う点がある
それは進化しても失う能力がないことだ。
進化の過程で能力が失われることは自然界でよくあることだ。
だけど、ズールは進化しても能力を失うことはなく、単純に以前より優れた個体になる。
つまり後から産まれた個体の方が優れている。
セクション2に元々居たズールは先に産まれた奴で、3から来たズールは後から産まれた奴だと思う。
ズールが進化するには情報がいるらしい。
その情報を集めるのが今まで遭遇したズール。働きアリならぬ働きズールだ。
働きズールが集める情報、それは対ズールのレポートに詳しく書かれていた。
対ズールで一番重要なことは撤退を決して許してはならないことだ
もし撤退を許すと戦闘で受けた負荷に関する情報を持ち帰られる。
彼らが進化するには強い負荷が必要らしい。
強い負荷、攻撃だ。
撤退されるとそいつが受けた負荷の情報をマザーに持ち帰られ、次世代のズールはそれの耐性を持った者が産まれる。
現在ズールが持っている耐性は炎、電気、斬撃、銃撃らしい。
あくまで耐性だから、それを凌駕する攻撃ならちゃんと通用するそうだ。
全レポートを読み終わった結果、奴らの正体が分かった。
ズールの正体は植物だ。
奴らが初めて現れた場所はセクション5中央。
ガーデン。そこに植えられた植物にズールが混ざっていたらしい。
気付かなかった理由はズールが寄生植物だからだ。
他の植物に内部に寄生していたせいで、搬入時に発見されず、増殖してしまったそうだ。
こういう不注意がとんでもない事態を引き起こすのは、ありきたりの展開だ。
映画とかアニメでよくある。
教訓としてちゃんと覚えておくことにした。
カードキーのほかにめぼしい物は見つからなかったけど、カードキーがあるなら問題はない。
こんだけあれば、警備主任室の扉を開けられるものが混ざっているだろう。
まずは一枚目。本命のカードだ。
他のカードと色が違うから開くかもしれない。
・・・…開いた。
一発OKなんて運がいい。
警備主任室にはデスクと応接セット、ファイルや本が収納している棚があった。
本とファイルも気になるけど、一番気になったのはデスク上のパソコンだ。
電源ボタンを押したら、ちゃんと起動した。
不用心にもパスワードが掛かってなかったから、すぐに操作ができる。
パソコンには色んなデータがある。これ全部確認するのは大変そうだ。
翻訳機は一度充電器を再接続して充電したから、途中で電池が切れる心配はないだろう。
「うーん。ないなぁ」
検索機能で怪物について検索したけど、該当件数0。
たぶん検索ワードが違うんだと思う。
一つ一つ確かめているけど、警備員の勤務態度表とか関係ない物が多かった。
数時間パソコンとにらめっこし続けて、ようやく目当てのデータを見つけることができた。
ズールレポート。
ズールというのは警備主任が付けたあの怪物の呼称だろう。
ズールで検索をすると、ほかにも数件もヒットした。
まずはこのレポートからだ。
一ページ目にあったのはズールの増殖方法だった。
ズールはマザーズールという母体が産卵しており、通常のズールは増殖能力を持っていないそうだ。
そしてズールの数は常に一定らしい。
個体数を調整することで食料不足などの弊害を防いでいるようだ。
このベース内だとこの数だが、もっと広い場所なら個体数は増大するとレポートでは推測されていた。
ズールに食の好みはない。
生物なら何でも食べる。勿論人間も。
ただ、生命を維持するだけなら食事は必要ない。
水さえあれば、生命を維持できる。
飢え死には期待できない。
そしてズールは進化する。
条件があるけど、その速度は脅威的だ。
何枚かズールの写真が添付されていたけど、同種とは思えないほどの変わりようだった。
半年でここまで進化したそうだ。
進化するといっても、すでに存在する個体が進化するわけじゃない。
マザーズールが次に産む物が進化した物になるそうだ。
ズールの進化は他の生物と違う点がある
それは進化しても失う能力がないことだ。
進化の過程で能力が失われることは自然界でよくあることだ。
だけど、ズールは進化しても能力を失うことはなく、単純に以前より優れた個体になる。
つまり後から産まれた個体の方が優れている。
セクション2に元々居たズールは先に産まれた奴で、3から来たズールは後から産まれた奴だと思う。
ズールが進化するには情報がいるらしい。
その情報を集めるのが今まで遭遇したズール。働きアリならぬ働きズールだ。
働きズールが集める情報、それは対ズールのレポートに詳しく書かれていた。
対ズールで一番重要なことは撤退を決して許してはならないことだ
もし撤退を許すと戦闘で受けた負荷に関する情報を持ち帰られる。
彼らが進化するには強い負荷が必要らしい。
強い負荷、攻撃だ。
撤退されるとそいつが受けた負荷の情報をマザーに持ち帰られ、次世代のズールはそれの耐性を持った者が産まれる。
現在ズールが持っている耐性は炎、電気、斬撃、銃撃らしい。
あくまで耐性だから、それを凌駕する攻撃ならちゃんと通用するそうだ。
全レポートを読み終わった結果、奴らの正体が分かった。
ズールの正体は植物だ。
奴らが初めて現れた場所はセクション5中央。
ガーデン。そこに植えられた植物にズールが混ざっていたらしい。
気付かなかった理由はズールが寄生植物だからだ。
他の植物に内部に寄生していたせいで、搬入時に発見されず、増殖してしまったそうだ。
こういう不注意がとんでもない事態を引き起こすのは、ありきたりの展開だ。
映画とかアニメでよくある。
教訓としてちゃんと覚えておくことにした。
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