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hirahara

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風吹く星よ

クインシフ到着

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 空賊の証言で、この先にも統合軍の依頼を受けた者がいることが分かった。
規模は彼らが一番大きいそうなので、返り討ちにできるだろうが、いちいち相手をしてあげる暇はない。
これ以上の遅れは許容できない。
 少し航路を変える。
ちょっと大回りになるが、空賊の相手をするのに比べたら、時間が短くなるだろう。


 マイグラントは航路を変更し、ある島の上空を飛行している。

「……酷い」

 モニターに映る景色は見たユラさんが呟いた。
大地は荒れ果て、草木一本も生えていない。
まさに不毛の大地だ。


 ここはかつて空魔が暴れた島。イントリア。
30年ほど前はクインシフへの中継地として栄えていたらしいが、見る影もない。
廃墟などの人がいた形跡も残っていなかった。


 ここを仕事場に選ぶ空賊はいない。
この島の各所にイヴィルフライヤーの巣があるからだ。
そんなところで空賊稼業なんて危険すぎてできるわけがない。
船を襲う前に自分たちが襲われてしまう。


 荒廃して30年以上経過しているのに、復興の兆しはない。
それは人工物だけじゃなく、自然もだ。
 草木が生えても、イヴィルフライヤーが全部食べてしまう。
こいつらを討伐しないことにはイントリアの再生はない。


 何度かイヴィルフライヤーの撃退を試みたみたいだが、成功していない。
島全体に生息するイヴィルフライヤーの数は軽く万を超えており、シルフィードを使ったとしても殲滅できる数ではないそうだ。
 そもそも、何でイントリアで空魔が暴れたのか不明。
本などを読んで調べてみたが、どこにも情報がなかった。


 ライザさんたちに聞いたが、馬鹿が空魔に手を出したとしか教えてはもらえなかった。
緘口令が敷かれているみたいだった。
 ただ手を出しただけではこうはならないと思う。
だって、プレイヤーが空魔を刺激した時もかなりの被害が出たが、ここまでの大災害は起きていない。
おそらく、何かやばいことをしたんだろう。


 長居するのは危険だ。
イヴィルフライヤーは耳が良い。
だから、エアロダイトを使わない静音飛行で島の空域を抜けた。
 幸い、イヴィルフライヤーに見つかることなく、イントリア島から抜けることができた。 
抜けた先の空域の島主は空賊の対処をしっかりしているから、ここから先はもう安全だ。


 その後、モンスターの襲来や空賊の襲撃は起こらなかった。
今までのトラブルが嘘のように、安全な航海ができた。
 もうクインシフの支配空域に入っている。
ここまで来れば、統合軍も手出しはできないはずだ。


 今まではマイグラント一隻しか飛んでいなかったが、他の航路から来た船がちらほらと見える。
衝突事故は滅多に起きないけど、注意して進む。
 そして、遂にクインシフに到着した。
エンジ島を出発してから、そんなに日数は掛かっていないけど、長い旅をした気分だ。
イヴィルフライヤーや転売屋さん、空賊の襲撃などのトラブルがあったからだろう。


「これが王島クインシフだ!」

 ヴィニアちゃんはどことなく誇らしげに島を指さした。
 クインシフの面積はエンジ島の二倍程度。
そんなに大きくはなく、小さい方だ。
だけど、エンジ島と違って、島の面積の半分以上が開発されている。


 人口も多く、100万人以上が暮らしている。
大陸には負けるが島の中では、一番人口多い。人口密度ならウィンディス一。
 ヴィンディスの中心として相応しい島だ。
ヴィニアちゃんが誇りに思う気持ちも理解できる。


 クインシフには東西南北、それぞれ一つずつ港がある。
ここから一番近いのは南だが、あそこは使えない。近づくのも危険だ。
南港は統合軍専用の都なのだ。
その反対の北は近衛隊専用。ここも僕らは使えない。


 東西の港は自由に出入りできるが、東に王派と中立派、西に統合軍派が固まっている。
ここは東港を使うことにした。
 東港に到着したが、まだ着陸できていない。
着陸の順番待ちをしている。


 クインシフは島の面積は大きくないが、ヴィンディスの経済の中心地の一つだ。
毎日、多くの人と物が運び込まれている。
 そのため、港はパンクしており、常に渋滞が発生しているのだ。
特に非商業船は着陸できる場所が限られており、順番待ちが長い。


 それを狙って、商人たちが様々な物をエアロバイクなどで移動販売をしている。
販売している物の多くは食べ物だけど、中には違法な取引をしている者もいるらしい。
そのため、クインシフの警備隊が周辺を飛び回り、目を光らせていた。
 ヴィニアちゃんによると、クインシフの警備隊と近衛隊は完全に別組織だそうだ。
縄張り争いをしているとかはなく、仲は悪くはないそうだ。
ただし、統合軍とも繋がりがあるので、気を許してはいけない。
敵ではないが、味方でもないそうだ。
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